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Norfolk SouthernのTVコマーシャル (後編)

Norfolk Southernの新しいTVコマーシャルの件、前回の記事で「Making of」映像の概要を紹介し、、腑に落ちないところがあったということを書きました。まずはコマーシャルの最初に歌われる「Norfolk Southern, what’s your function?」という言い回しです。私個人の感覚なのですが、コマーシャルとしてはずいぶんとベタな言い回しをしているように感じました。

それから、Making of映像の一番最初に「Updating a Classic」という言葉が出てきたり、説明の中に「Recreate」という言葉が出てきて、振り付けとか、ミュージカルとか、シンコペーションとか、いう言葉が出てくることも気になっていて、たぶん何かネタとなるものがあったのだろうという想像はできたのですが、それが何なのかがちゃんと聞き取れていませんでした。

しばらく調べて、次の映像を見つけたときに、目から鱗が落ちたような気がしました。

これは、1973年から85年まで放映されていたSchool House Rock!という子供向けの教育番組のために作られた、「Conjunction Junction」というものです。英語の接続詞(Conjunction)であるAND、BUT、ORを使って単語や句や文をつなぐことで、表現の幅が大きく広がるということを、貨車を使って視覚的に説明しています。

ORを表現するのがORE  CARとなっていたり、屋根に上がってブレーキをかける様が表現されていたりとか、鉄道に造詣の深い人が映像制作に携わっていると思われます。これが発表されたのが1973年なので、カブースも含まれているのも嬉しいですね。

本題に戻って、NSのコマーシャルは、これを下敷きにして実物を使って現代の映像として再現したものです。メロディや構成をほぼ踏襲しているほか、いろいろな表現が引用されています。

Conjunction junction, what’s your function
Hooking up words and phrases and clauses

Norfolk southern, what’s your function
Hooking up the country helping business run

となっていたり、

I’ve got and, but, and or.
They’ll get you pretty far.

our trains, trucks and bridges
oh they’ll get you pretty far

になっているとか。

70年代を子供時代で過ごした人にとっては、懐かしさも感じさせるコマーシャルになっていると思います。このコマーシャルを担当していた人の中にもこのオリジナルを子供時代に見ていた人が多いであろうことが想像されます。1973年制作なので、今年がちょうど40周年という節目の年でもあります。NSも相当力を入れていたのだと思います。

このあたりの経緯は、NSのプレスリリースにまとめられています。この存在に最初に気づいていればこんなに悩まずにすんだのですけれどね。

最後に、コマーシャル単体の映像も載せておきます。

Norfolk SouthernのTVコマーシャル (前編)

ワークスKさんが、MRHに紹介されていたNorfolk Southern (NS)の動画について掲示板に紹介されていましたが、この件について少し書いてみたいと思います。

件の動画はこれです。

これは、要するに、NSの新しいTVコマーシャルのいわゆる「Making of」映像で、ざっくり私の理解した範囲を書くと、半年以上の時間をかけていること、通常の運用の合間を縫って撮影したこと、当初は機関車2台の予定だったのが4台になったので迫力満点になった、といったことが紹介されています。

技術的には、機関車が勢ぞろいする様子は実は機関車をバックさせて逆回転させているとか、機関車を俯瞰する映像を撮影するためにプログラム可能な最新式のカメラを使って、開始位置と停止位置とを指定してボタンを一押しすれば、カメラがその通りに動いて、迫力ある映像を撮影してくれる、といったことが紹介されています。

最後のところでは、俺たちは子供のころから鉄道好きでトレイン・セットで遊んで育ってきたんだ、迫力満点の実物の機関車が俺たちの合図で動くのを見るのはたまらないぜ、といった感じの事を、少し興奮したスタッフが語っています。

コマーシャル自体の内容は、「Norfolk Southern, what’s your function?」という言い回しで始まり、それに対して、「Hooking up the country and helping business run」と応える形で始まります。それぞれ、「Nofrolk Southernよ、お前の役目は何なんだい?」、「国の中の人や会社ををつなげて、ビジネスの動きを助けているのさ」、といった意味です。その後もこの調子で、一般人にとって感心が高い「雇用を生み出す」ということにNSが間接的に貢献している、といったことも織り込みつつ、NSがアメリカという国を動かす力の一端を担っているということを少し愛国的なトーンで訴えているものです。

というところで、「Making of」の話はおしまいなのですが、私自身は腑に落ちないところがありました。まぁ、要するに肝心なところが聞き取れていなかったということで、非native speakerの限界だと思うのですが、それは次回に。