月別アーカイブ: 2008年9月

探せばあるもので。。。

先日、サーカストレインと、UPの特別列車の紹介をしました。で、ネットで探すとあるものですね。

まずサーカストレインのほうですが、まず以下に写真を3枚を見つけました。良く見ると機関車の側面にサーカスの絵柄?らしきものが見えます。
http://www.railpictures.net/showphotos.php?location=Vasona Branch

もうひとつ、Flickrにポストされた写真。これは鉄道ファンではない方が撮影されたものですが、なかなか綺麗に取れているのでは、と思います。
http://www.flickr.com/search/?q=circus%20train&w=79456874%40N00

UPの特別列車のほうですが、私が紹介した写真が、まとめてFlickに載せられています。いくつか私が紹介していない写真もありますし、スライドショートとして楽しむことができます。
http://www.flickr.com/photos/henrywagner/sets/72157605529978524/

Youtubeでは、次の2本のビデオを見つけました。
まず、6/9に特別列車がオークランドに到着する時の映像です。UPの特別列車 (3)で書いたように、インスペクションカーの「妻板が一枚ガラス」になっている様子とか、「座席を少しずつ高くなるよう配置した、stadium-style seating」という様子がばっちりわかるようになっています。再生開始3分くらいのところです。
Union Pacific Manager’s Special in Oakland

そして、もうひとつ。6/10にオークランドを出発するときの映像。先頭で牽引していたUP7880は新製間もないようで、ぴかぴかの状態なのがわかります。
UP Special at Oakland Mole

[2012/4/7: UPの特別列車のFlickrのスライドショー、YouTubeの動画を追加しました。]

お楽しみください。

レイアウトのクリーニングについて(2)

前回のレイアウトのクリーニングについてという記事を書きましたが、この話題に関して以前在籍していたクラブのメーリングリストであれこれ聞いてみたところ、次のファイルの存在を教えてもらいました。

私も在米中に何回か通販でお世話になった、Tony’s Train Exchangeが取り扱っているCMX Clean Machineというクリーニングカーの紹介紹介とマニュアルです。これはTony’sのイチオシのクリーニングカーのようで、ホームページの右上に大きく紹介されています。

もちろん、お店の宣伝の一環ですから、この製品がいいよという主張をしているのではありますが、単に製品の紹介だけではなく、クリーニングに関する一般的な話、外部の化学者に評価を依頼した記事、ユーザの評価結果まで載せています。特に”Track Cleaning – A Chimist’s Perspective”という外部の化学者による評価記事は全8ページ中3ページが割かれた力作です。この記事、専門用語も多く、読みやすいとは言えないのですが、一読の価値はあると思います。概要を紹介すると、以下のようになるかと思います。正確にまとめたつもりですが、化学は専門ではありませんし、ばっさり略したところもあります。原文の主張や意図を誤っていたら、遠慮なく指摘ください。

1)線路の汚れの原因は、主に、酸化物、有機汚染物、外部からの汚染物質の3つである。
2)これらの汚れをレールから取り除くには、酸化物を物理的に削りとるという動作と、有機汚染物を化学的にやわらかくするという動作の組み合わせが有効である。
3)有機汚染物には、プラスチックが分子レベルで劣化して摩擦などで剥がれ落ちるもの、色素などのプラスチックへの添加物が車輪の表面に浮き出てゆくもの、プラスチック成型時に使う剥離剤、がある。
4)これらの有機汚染物がごちゃ混ぜになったものをやわらかくするには、ラッカーシンナーが良い
5)同時に、車輪もしっかりクリーニングすること。プラスチックの車輪のクリーニングにはメタノールを使うこと

実は私自身はこのラッカーシンナーを使うという結論には納得していません。まず個人的な事情を言えば、私はシンナーの匂いが苦手なのです。さらに、微量のシンナーが線路に塗布され、すぐにふき取られ、蒸発する構造になっているとはいえ、いろいろなプラスチックのものが存在しうるレイアウトでは、何か事故があったときを考えると、積極的に使いたいとは思いません。さらに、私の所属していたクラブのように、プラスチック車輪は禁止というルールにしてしまえば、プラスチックに起因する有機汚染物は大幅に減るはずですので、クリーニング液やクリーニングカーの選択も変わってくると思います。

とはいえ、この記事は、できる限り科学的で正確な議論を行おうという姿勢が見える点で、好感がもてます。このような議論が提供されれば、情報の受け手がどう行動すればよいかの判断をする手助けになり、納得性が高くなるのではないでしょうか。

ちなみに、この記事の最後に、ローラー型のクリーニングカーでGoo Goneのようなものを使った場合、「すばらしい仕事(fantastic job)をする」と書かれています。:)
下記引用しますが、原文も含めてよく読んでご判断ください。

You were being kind in your comments about rolling pad cleaning cars. As you said, they offer no scrubbing action, especially when used with something such as “Goo-Gone”, where these rollers do a fantastic job of coating the track without removing anything.

レイアウトのクリーニングについて

ワークスKさんのクリーニングカーとグーゴーンという記事を拝見しました。

すでに雑誌社の姿勢とかあり方について何件かコメントが寄せられています。あいにく私はこのような観点ではコメントをできるような見識を持ち合わせていませんので、その方面での議論は他の方にお譲りします。私は、今回の記事の実験条件というのがどうも腑に落ちなかったので、その観点で書かせていただきます。

実験というのは、ある仮説を実証するために行うものだとおもうのですが、今回の記事のテストが何を仮説としたのかがもう一歩読み取れませんでした。「Centerline社のクリーニングカーの性能が良い」というのが仮説であることはもちろんですが、その仮説に伴う条件が妥当でなければ、実証ができても、現実的にはあまり意味をなさない仮説だと思うのです。

私が思うに、Centerline社のクリーニングカーを使おうとするのは、それなりに大きなレイアウトを持っていて、頻繁に運転をしていて、その運転の品質を保ちたいと考える人たちではないかと思います。ですので、「1.4×0.9mのエンドレス」が「4、5年放置されていた」ものを使って性能を実証しても、そんなに価値のある情報になるのかなぁ、と感じてしまった訳です。

あるいは、Centerline社のクリーニングカーの絶対的な性能を実証するために、あえて劣悪な条件で実験を行ったのかもしれません。そうだとしたら、もっとデータを取ってほしかったと思います。クリーニングカーを10週走らせるごとにスタート電圧を測ってグラフにしておけば、どれくらい走らせればどれくらいのクリーニング効果が得られるか、というようなことがわかるわけで、多くの人に価値のある情報になったと思います。

ほかにも、最近増えてきたコアレスモーター搭載の機関車ではどうなるかとか、DCCの機関車ではどうなるか、とか、いろいろな切り口があると思います。そういう詳しいデータを取れば、一級品の記事になったのではと思います。

インターネットの時代で紙メディアのあり方が大きく揺さぶられているわけですが、私自身は紙のメディアには紙のメディアなりのよさがあると思います。そのためには電子メディアをうまく活用してゆく工夫が必要だと思います。たとえば、今回のクリーニングの効果として、スタート電圧が8Vから5Vになったとありますが、これだけ読んでもいまひとつその改善の意味合いが実感が湧きません。クリーニング前後でのスタートのスムーズさの変化をビデオにとってYoutubeに載せておけば、誰も反論できない、説得力のある記事になったと思います。

最後にもうひとつ補足すると、アメリカのクラブに所属して思ったのは、レールのクリーニングとは、様々な作業の地道な積み重ねだということです。確かにクリーニングカーは便利ですが、万能だとは思いません。手作業で磨くこともありますし、レールに触れる車両の状態を適正に管理することもレールのクリーニングの作業の一環と考えるべきです。そして肝心なのは、「これらの一連の作業を継続的に行う」ということだと思います。このあたりは、ずいぶん前になりますが、車検に関する補足(その1)車検に関する補足(その2)とに書かせていただきましたので、興味のある方はお読みになっていただければ、と思います。