New York CentralのNiagaraは、数ある4-8-4の中でも、知名度、性能のいずれでもトップクラスを争う機関車ですが、その研究書の決定版となることは確実です。著者のTom Gerbracht氏は、New York Central System Historical Society(以下NYCSHS)の会長職を以前務められ、現在はディレクターという肩書きで、NYCSHSの運営の指導的な立場にいらっしゃる方です。
実は私も$25.00と雀の涙程度ではありますが寄付をしました。このお礼と報告との手紙がVirginia Museum of Transportationから来ていました。わずかな寄付でもこういうレターを送ってくれるのは律儀だなぁ、と思いますが、一方でアメリカでは寄付という行為が日常一般に行われることの裏返しであるようにも思います。
何回かご紹介している、ノーフォーク・アンド・ウェスタンのクラスJ(4-8-4)の611号機を動態に復活しようというFire Up 611!ですが、このプロジェクトに対してノーフォーク・サザン(以下NS)が150万ドルを寄付した、というニュースが入ってました。単に寄付しただけならば、前回の記事の補足で書いたのですが、そのお金の調達方法が面白かったので、簡単に紹介してみたいと思います。
今回の公式発表では、 ・アメリカ国内、国外15か国から約2000件の寄付があったこと、
・611号機そのものを修復する(mechanically restore)するだけのお金は集まったこと、
・これによって、「611号機が動態に復活するかどうか」という話ではなく、「611号機がいつ動態に復活するのか」という話になってきたこと、
・募金は、611号機を数十年にわたって走らせるために必要となる整備用の施設を用意することを目的にシフトすること、
・その資金が集まるまで、611号機はVirginia Museum of Transportationに保管されること、
が述べられています。
現時点でどれだけのお金が集まったかは書かれていませんでしたが、もともとの計画で目指していた350万ドルの内訳のうち、機関車の修復に必要な金額は50万ドル~75万ドルということでした。平たく言えば、目指していた金額は集まらなかった、というだと思いますが、それを「Fire Up 611のプロジェクトは、重要なマイルストーンを達成した(Fire Up 611 reaches important milestone!)」と前向きに言い換えてしまうところがアメリカらしいような気もします。
結論から言うと、「復活は可能」で、それを現実のものとするには、今年の9月末までに350万ドル(簡単の為に$1.00=100円とすると、3.5億円)の寄付が必要だ、とのこと。この金額が集まれば、9ヶ月をかけて611号機をレストアし、2014年度のNSの21st century steam programの牽引機の一員に加わる事になるのだそうです。