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Cantilever Signal Bridgeを設計する(7)

C&O風のCantilever Signal Bridgeをどう組み立て行くか、の構成を示します。これまでに紹介した2つと大きくは変わりません。いつものように、この順番で組み立ててゆくということを意図しているわけでもありません。また、今回は設計したのみで、実際に組み立てた訳ではないので、想定外のことが起き、この通り行かない可能性がゼロではないことも念のためお伝えしておきます。

まずは台座の組立。

次に、Towerを構成する平行する2面の部品を差し込みます。

先ほど取り付けた部品と直交する2面の部品を取り付けます。

台座の構造を表現する部品を取り付けます。アンカーボルトを埋め込む穴の開いた部品は、台座のスリットに長手方向から滑り込ませ、その後、短手方向に細長い部品を取り付けます。

Cantileverの上下のトラス構造を表現しているb品を取り付けます。

ガセットを貼りつけ、

梯子を取り付け、信号を載せる構造物をCantilverの先端に取り付けます。

これが、最終的に完成した図です。Catwalk、手すりは別途取り付けることにしているのは、これまで同様です。

長々と続けてきましたが、Cantilever Signal Bridgeの設計のお話は今回が最終回となります。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(6)

さて、これまでに、Santa Fe風のcantilever signal bridgeとUP風のcantilever signal bridgeとをご紹介いたしました。この2タイプで、博物館レイアウトに必要な数は揃ったのですが、もう一種、C&Oのプロタイプを参考にして設計だけ完了しているものがあります。

実物はこのような感じです。Signal Bridgeの先端に、信号を載せる構造物が張り出しているのが特徴的です。また、トラスがX字型になっているも印象的です。

C&O Cantilever Signal Bridge - Louisa KY - 100_1878.JPG

UP風のCantilever Signal Bridgeで紹介したのと同じ会社がプロトタイプに忠実な製品を出しています。

模型化設計したのが、次となります。プロトタイプより少し背が高い印象となっていますが、これは博物館レイアウトの建築限界に合わせて設計したためです。

この図面から起こした部品図、ガセットの図は次のようになります。

基本的は構成は、これまで紹介してきた2種類と同じですが、Bridgeの先端の構造物を確実に支持するところ、少々工夫しました。具体的には、上面のトラス構造を表現する部品から枝を2本伸ばし、この構造物を保持するとともに、この構造物の梯子の一本を伸ばし、Bridgeの本体に固定する、というものです。今回設計のみですので、この方法で本当に充分が強度が出せるかは、確認できていませんが、まぁ、一度設置してしまえば、頻繁に触るような場所でもないので、なんとかなるのではないか、と楽観的には考えています。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(5)

UP風のCantilever Signal Bridgeをどう組み立て行くか、の構成を示します。基本はAT&SF風のものと大きくは変わりません。また、いつものように、この順番で組み立ててゆくということを意図しているわけではありません。

まずは台座の組立。

次に、Towerを構成する平行する2面の部品を差し込みます。

先ほど取り付けた部品と直交する2面の部品を取り付けます。

台座の構造を表現する部品を取り付けます。アンカーボルトを埋め込む穴の開いた部品は、台座のスリットに長手方向から滑り込ませ、その後、短手方向に細長い部品を取り付けます。

Cantilever を補強する部品を取り付けます。

上面のトラス構造を取り付けます。

ガセットを貼ります。

最後に梯子を取り付けます。

最終的な完成形は次の通りとなります。この上に取り付けられる歩み板や手すりについては、今回もdda40xさんにお任せしました。

実際に博物館レイアウトに置かれている様子を見ましたが、AT&SF風のものと併せて、まずまずの出来上がりではなかったかと、私自身は思っています。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(4)

さて、AT&SF風のCantilever Signal Bridgeの設計が終わった後、dda40xさんからご相談があり、UP風のCantilever Signal Bridgeも作ろうということになりました。

プロタイプはこちらに紹介されているものです。

Highball Henefer

この型のものを、ストリートビューで見つからないかと探してみましたが、私の調べた範囲では、過去にさかのぼっても、このタイプのsignal bridgeを見つけることはできませんでした。おそらくは早くに新しい型のsignal bridgeに置き換えられてしまったのでしょう。

製品では、Traincat Model Salesというところが、エッチング板のキットを出しているようです。こちらも参考にしながら、全体の構成を次のようにしました。

前回の経験もありましたし、構成が単純ですので、設計は割とすんなりと進めることができました。また、台座の構造、構成については、前回の設計を踏襲しました。

レーザーカット用に起こした部品図は以下のようになります。

ガセットプレートは次のようにしました。

これまで同様、これらの部品をどのように組み合わせてゆくかを次回紹介したいと思います。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(3)

前回の続きで、設計したCantilever Signal Bridgeをどう組み立て行くかの構成を示します。いつものように、この順番で組み立ててゆくということを意図しているわけではありません。

まず、台座に根元となる部分を差し込んで固定します。

次に、Towerを構成する平行する2面の部品を差し込みます。

先ほど取り付けた部品と直交する2面の部品を取り付けます。

台座の構造を表現する部品を取り付けます。アンカーボルトを埋め込む穴の開いた部品は、台座のスリットに長手方向から滑り込ませ、その後、短手方向に細長い部品を取り付けます。

この後、Cantilever Signal Bridgeの下面を取り付けます。

この後、上部のトラス構造を表現した部品を取り付け、

次に、ガセットを貼ります。

最後に、梯子を取り付けます。

完成図が次となります。実際には、この上に歩み板や手すりが取り付けられますが、そちらについては、dda40xさんにお任せしました。

実際にdda40xさんの博物館レイアウトでどう設置されたかについては、こちらからご覧になることができます。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(2)

さて、前回お見せしたCantilever Signal Bridgeの図面ですが、実は、土台の構成がよくわからず、しばらく悩んでいる時期がありました。dda40xさんが次の図面を見つけてくださり、こちらを参考とすることとしました。

この出典は、
The Compendium of Signals
by Roger F.R.Karl
Boynton & Associates
 
となります(残念ながら、amazon.co.jpでは見つからないようです)。

この図を参考にし、土台を次のような構成とすることとしました。

これをどのようにレーザーカットで切れる部品にまとめるか、に少し頭をひねりましたが、最終的に次のような部品としました。

ガセットプレートのパターンです。メス型のダイと同じ直径の円も作図しています。

これをどう組み立ててゆくかは、次回ご紹介したいと思います。

Cantilever Signal Bridgeを設計する(1)

前回まで紹介してきたSignal Bridgeの設計が完了したところで、Cantilever Signal Bridgeを作ろう、ということになりました。プロトタイプにしたのは、Santa Feが使っていた、このタイプのものです。

Southern Pacificも同型のものを使っていたようで、下記のビデオには、Tehachapiに設置されていたものが撤去される様子が記録されています。

このタイプのCantilver Signal Bridgeは残念ながらほぼなくなってしまったようで、Street Viewで記録されたものがないかと探してみたのですが、解像度の低い時代のものがいくつかあるだけで、鮮明なものはなさそうです。

いくつかの会社で製品化されているようで、BLMA ModelsのHO用のものNJ InternatinalのHO用のもの、その他何社かから出されているようで、おそらくは人気があるのではないかと思います。

これらの製品を参考にしながら設計したのが次のものです。雰囲気をそれらしくとらえていればよいかと思って、割り切って模型化しました。

また、支柱の構造は大きくアレンジしました。上記のTehachapiの撤去作業のビデオを見てもらえればわかる通り、実物は支柱の2面が板、2面がトラス構造となっています。ここでは、見た目のアクセントにもなるのではないかと思い、4面ともトラス構造にしました。

ここまでできれば、いつものようにレーザーカット用の部品図を起こすことができます。

Signal Bridgeを設計する(4)

このシリーズの最終回です。設計したSignal Bridgeがどう組みあがってゆくのかを図示してみます。なお、以下の図は構造を示すのが目的であって、この順番に組み立てることを意図しているものではありませんので念のため。

まず、橋梁の下面と橋脚を組み合わせます。強度を確保するために、部品をしっかり固定するようにしています。

次に、X字型のトラスを挟んで、橋梁の上面を取り付けます。

橋梁の前後の面を取り付けます。

橋脚はL字鋼材を組み合わせた形になっていますので、それを表現するための部品を貼り付けます。

ガセットを貼り付けます。前々回の記事に書いた通り、このガセットは模型的な処理をしています。

最後に、階段を取り付けます。

最終的な完成した姿は、次のようになります。

2線用のSignal Bridgeも全く同じ構成となっています。最終的な完成した姿は以下の通りです。

完成した姿は、dda40xさんのBlogに紹介されていますので、そちらをご覧ください。

レイアウトに設置されている姿を見ましたが、すっきりしたシルエットで、さりげない存在感を示していて、意図したものができたかな、と個人的には思っています。

Signal Bridgeを設計する(3)

前回までに説明した方針にて、次のような図面を作成しました。まずは4線用のもの。

こちらは2線用のもの。基本寸法は4線用のものと同じで、橋梁部分を間引いたものとなります。

これらの図面をもとに、部品の図面を作成作成します。実物では、左右の橋脚部分と橋梁部分とをガセットで繋げる構造になっていると理解していますが、そのあたりは組み立てやすさ、強度を優先した簡易的な構造としました。もちろん、見た目にも違和感のないように配慮しています。

以下が4線用のSignal Bridgeの部品の図面となります。

そしてこちらが2線用のSignal Bridgeの部品図面です。

これらの図面からdxf形式に落としたものを業者に渡すと、レーザカットしたステンレスの部品が出来上がりますので、あとは組み立てるのみです。

これらのSignal Bridge用のガセット・プレートを打ち出すための図も以下の通りに用意しました。上半分が4線用のもの、下半分が2線用のものとなります。

次回は、これらを実際にどう組み立て行くかをイラストにて紹介いたします。

Signal Bridgeを設計する(2)

Signal Bridgeのプロタイプは決まりましたので、あとはその図面を元に粛々と設計するのみです。本物の寸法を参考にしつつ、レイアウトの建築限界や線路配置をもとに、妥当な寸法を決めてゆきました。

悩んだのが、ガセットの構造の表現です。実物では次のように、ガセットの両面に、L字鋼を互い違いにしてリベットで固定しているのが一般的と思われます。

街の中を見回してみると、送電線の鉄塔とか、携帯電話の基地局とか、いたるところにこの構造を見つけることができます。そして、この立体感はそれなりに目立つので、これを表現できないかと考えました。

しかしながら、レーザーカットでできるのは、板を寸法通りに切断することで、深さ方向の加工はできません。となると、このL字鋼の構造を表現するには、別に部品を切り出して、取り付ける必要があります。そこまですると、ガセットの表のL字鋼、ガセット、ガセット裏のL字鋼、という、立体的な構造を表現する必要があり、部品点数も増え、組み立ても面倒となります。

これは、もともとの方針の一つであった、「レーザーカットを使って簡単に作る」、ということに反します。L字鋼の表現はあきらめ、レーザーカットした板に、リベットを打ち出した板を貼り付ける、という簡略化した設計にする、という結論としました。

dda40xさんのレイアウトは、高効率の駆動システム、低抵抗車輪を中心とした、「走り」に関する様々な技法を総合的に統合したものを見せる、という点に一番の主眼が置かれていると思っています。そこで一番の主役となるのは、それらの技法を取り込んだ車輛群であり、今回作成するSignal Bridgeは、基本的には脇役だと考えます。その脇役に過度の労力をかけるのは得策ではないと考えます。

もちろん脇役だから手を抜いてよいということではなく、1)実物の構造や寸法に則った設計となっていること、2)簡単に作ることができ、頑丈であること、3)仕上がりがすっきりしており、レイアウトに置いたときにさりげない存在感を示すこと、が重要と考え、設計を進めました。