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Signal Bridgeを設計する(1)

ずいぶん時間が経ってしまいましたが、dda40xさんのレイアウトのSignal Bridgeを設計した話を書いておきます。

こちらが当初レイアウトに置いてあったプラスチック製の信号橋です(写真はdda40xさんのblogから拝借しました)。

2つのプラスチック製の信号機を組み合わせたものなので、接合部が弱く信頼性がないということに加え、下の赤い矢印のところがトラス構造となっていないのがおかしいというのがdda40xさんのご指摘で、ステンレスのレーザカットを使って、頑丈で、構造上正しいものを作ろう、ということで設計を始めました。

早速、参考になる資料を探そうと、Pennsylvania鉄道の図面を検索してみると、次のような図面が出てきます(http://www.trainweb.org/s-trains/photos/projects/signal_b.gifより借用)。

上記のSignal Bridgeの模型は明らかにこの図面をもとに作ったものと思われます。そして、Pennsylvania Railroadの正式な図面のように見えます。Standard Railroad of the worldを標榜したPennsylvania Railroadが基本的な構造上の間違いをするとも思えず、釈然としなかったので、実際はどうだったのだろうということをまず確認することとしました。実物の画像がないかとGoogle検索してみると、このBlogのPRR Main Line Survey 2009というシリーズに、旧PRRのMainlineのSignal Bridgeを記録した12回のシリーズを見つけました。ただ、このシリーズの画像は、ほぼ真正面から撮影したものなので、それはそれで貴重な情報ではあるのですが、実際にSignal Bridgeがどういう構造になっているのか、よくわかりません。

これを手掛かりに、いくつかの場所に目星をつけ、ストリートビューでようやく見つけたのがこれです。

これを見ると、実物のSignal bridgeの左右の支柱の構造は、プラ製のものとは全く異なることがわかります。プラ製の製品ものはL字型の材料を組み合わせた構造になっていますが、実物は、H型の構造を作っています。

これを理解して先ほどの図面をよく見ると、確かになるほど、と納得できるところがあります。要はこのプラ製品はリサーチ不足だったということなのでしょうね。

さて、先ほどのストリートビューを見ればわかる通り、後ろに新しいSignal Bridgeが控えています。これは2019年7月の撮影のものですが、古いものはほどなく撤去されたようで、最新のストリートビューを見ると、新しいものしか残っていません。Pennsylvania Railroad時代からつい数年前まで使われていたということですから、長寿だったということが言えると思います。

さて、先ほどの図面を探している最中に、別の図面を見つけました(http://prr.railfan.net/standards/standards.cgi?plan=61940–より借用)。

この構造のSignal Bridgeがないかと、ストリートビューで探したのが次のものです。

こちらはPSCが製品化したものもあり、最初に見つけたSignal Bridgeに比べて、L字型の鋼材を組み合わせた、作りやすい構造になっていると思われましたので、こちらをベースに設計することとしました。