月別アーカイブ: 2022年11月

Cantilever Signal Bridgeを設計する(1)

前回まで紹介してきたSignal Bridgeの設計が完了したところで、Cantilever Signal Bridgeを作ろう、ということになりました。プロトタイプにしたのは、Santa Feが使っていた、このタイプのものです。

Southern Pacificも同型のものを使っていたようで、下記のビデオには、Tehachapiに設置されていたものが撤去される様子が記録されています。

このタイプのCantilver Signal Bridgeは残念ながらほぼなくなってしまったようで、Street Viewで記録されたものがないかと探してみたのですが、解像度の低い時代のものがいくつかあるだけで、鮮明なものはなさそうです。

いくつかの会社で製品化されているようで、BLMA ModelsのHO用のものNJ InternatinalのHO用のもの、その他何社かから出されているようで、おそらくは人気があるのではないかと思います。

これらの製品を参考にしながら設計したのが次のものです。雰囲気をそれらしくとらえていればよいかと思って、割り切って模型化しました。

また、支柱の構造は大きくアレンジしました。上記のTehachapiの撤去作業のビデオを見てもらえればわかる通り、実物は支柱の2面が板、2面がトラス構造となっています。ここでは、見た目のアクセントにもなるのではないかと思い、4面ともトラス構造にしました。

ここまでできれば、いつものようにレーザーカット用の部品図を起こすことができます。

Signal Bridgeを設計する(4)

このシリーズの最終回です。設計したSignal Bridgeがどう組みあがってゆくのかを図示してみます。なお、以下の図は構造を示すのが目的であって、この順番に組み立てることを意図しているものではありませんので念のため。

まず、橋梁の下面と橋脚を組み合わせます。強度を確保するために、部品をしっかり固定するようにしています。

次に、X字型のトラスを挟んで、橋梁の上面を取り付けます。

橋梁の前後の面を取り付けます。

橋脚はL字鋼材を組み合わせた形になっていますので、それを表現するための部品を貼り付けます。

ガセットを貼り付けます。前々回の記事に書いた通り、このガセットは模型的な処理をしています。

最後に、階段を取り付けます。

最終的な完成した姿は、次のようになります。

2線用のSignal Bridgeも全く同じ構成となっています。最終的な完成した姿は以下の通りです。

完成した姿は、dda40xさんのBlogに紹介されていますので、そちらをご覧ください。

レイアウトに設置されている姿を見ましたが、すっきりしたシルエットで、さりげない存在感を示していて、意図したものができたかな、と個人的には思っています。

Signal Bridgeを設計する(3)

前回までに説明した方針にて、次のような図面を作成しました。まずは4線用のもの。

こちらは2線用のもの。基本寸法は4線用のものと同じで、橋梁部分を間引いたものとなります。

これらの図面をもとに、部品の図面を作成作成します。実物では、左右の橋脚部分と橋梁部分とをガセットで繋げる構造になっていると理解していますが、そのあたりは組み立てやすさ、強度を優先した簡易的な構造としました。もちろん、見た目にも違和感のないように配慮しています。

以下が4線用のSignal Bridgeの部品の図面となります。

そしてこちらが2線用のSignal Bridgeの部品図面です。

これらの図面からdxf形式に落としたものを業者に渡すと、レーザカットしたステンレスの部品が出来上がりますので、あとは組み立てるのみです。

これらのSignal Bridge用のガセット・プレートを打ち出すための図も以下の通りに用意しました。上半分が4線用のもの、下半分が2線用のものとなります。

次回は、これらを実際にどう組み立て行くかをイラストにて紹介いたします。