ディーゼル機関車」カテゴリーアーカイブ

Illinois Railway Museumを訪問 (11)

Diesel Restoration Shopでは、何台かの機関車が整備中もしくはレストア中です。


Green Bay and Westernの2407号機(RSD15)です。この機関車は、模型を初めて見たときに、その特徴的な低いノーズが強く印象に残ったのですが、実物で見ても似たような感覚を覚えました。

上記RSD15のエンジンフードが開いていたので、エンジンを撮影してみました。

これは、シカゴ・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の1518号機(GP7)です。

これはミルウォーキーの機関車ですが、形式などは失念してしまいました。

[追記: 2010年8月29日]

ワークスKさんからの情報により、この機関車は、5056号機(U25B)と判明しました。
レストア中の大物は、このミルウォーキーの33C号機(E9)です。今回訪問した時も、何人もボランティアの人が作業を行っていました。

E9のエンジンです。

これは発電機です。

再び外に出ると、これまた多くの機関車に出会うことができました。
まずは、サザン・パシフィック鉄道の1518号機(SD7)です。
前回の記事で、ミルウォーキーのF7をご紹介しましたが、そのほかにも何台ものFシリーズが保存されていました。
これはMetraの308号機(F7A)です。

バーリントン・ノーザンのBN-1です(F9A)。

これはシカゴ・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の411号機(F7A)です。塗装して間がないのか、大変美しい状態にありました。

ノーフォーク・サザンのバッテリー駆動スイッチャー999号機のお披露目

以前、ワークスKさんの掲示板に、ノーフォーク・サザン(Norfolk Southern)鉄道のバッテリー駆動のゼロ・エミッションの入れ換え用試作機999の紹介を書いたことがありましたが、この999のお披露目の式典のビデオをYoutubeで見つけましたので紹介します。

ただ、このビデオ、少々毛色が変わっていて、ペンシルべニア州第9区選出のBill Shuster下院議員の活動報告の一環として公開されているものです。このBlogをお読みになっている皆さんには、第9区というより、アルトゥーナ市を含む選挙区、と言ったほうがわかりやすいでしょう。ご存知の通り、アルトゥーナは、ペンシルべニア鉄道の聖地とでも言うべき場所で、ペンシルべニア鉄道の数々の名機関車を生み出したジュニアタ工場が置かれ、現在は、ノーフォーク・サザン鉄道の整備工場となっています。式典が行われたのは、まさしくこのジュニアタ工場の一角です。

さて、このビデオは上記のような目的で作られていますので、ビデオのほとんどはShuster議員のスピーチであり、我々の興味のあるNS999が主役なのは最初と最後のみです。更に、ワイド画面を4:3に押し込めたためか、縦横比が変になっています。ということで、NS999が活躍する場面を期待されるとがっかりされると思うのですが、まずは一見の価値はあるかと思います。

Shuster議員は、早口で、一部アドリブ的に喋っていて、言葉の端々が聞き取れないところが多いのですが、我々に興味のありそうなところだけピックアップしてみます。いつものように、間違いなどあれば、ご指摘ください。

(1) まずは、挨拶の後、式典会場にNS999を招き入れたところで、機関車が静かだということを強調しています。なるほど、鐘の音だけ聞こえて、エンジン音がしないのは不思議な気がします。日本では、ハイブリッド自動車が静か過ぎることに起因する安全問題が言われていますが、もしもNS999のようなバッテリー駆動の機関車が主流になったとすると、ヤードでの安全性が問題になったりするのでしょうか。

(2) この機関車が出来上がるまでの関係者として、ノーフォーク・サザン鉄道ペンシルベニア州立大学米国運輸省(Department of Transportation、以下DOT)連邦鉄道局(Federal Railroad Administration、以下FRA)米国エネルギー省、があげられています。

参考までに、ペンシルベニア州立大学が何を分担したかが、このページに述べられています。詳細には立ち入りませんが、バッテリーの充放電の管理、長寿命化などの技術開発を担当したとあります。

(3) 資金については、2008年、2009年に、それぞれ60万ドル(=5400万円)、70万ドル(=6300万円)を連邦政府から獲得し、2010年には100万ドル(=9000万円)を獲得見込み。連邦政府からは、このほかにもFRAが70万ドル(=6300万円)をこれまでに拠出。このほか、ノーフォーク・サザンが独自に200万ドル(1.8億円)を支出。(注:1ドル=90円で計算)

(4) このような機関車を作る意義として、外国から輸入する油への依存度を下げられること、化石燃料の依存からの脱却、排出ガスのクリーン化がはかれること、を言っています。「これらの技術は、他の鉄道や、世界に展開できる」点で意義があるということも強調しています。

(5) 更に、ジュニアタ工場で働く900人の人に対する感謝と今後への期待、そして今後の予定として、更に2台の試作機を作ることが述べられています。

このほか、私が面白いと思ったのは、以下2点です。議員さんとしては、これは大きな成果であり、社会的にも意義のあることである、ということを主張したいのだと思います。詳しくは、米国の予算獲得のメカニズムを理解しないと議論できないので、今回はここまでとしておきます。

(a) 来賓の紹介
この式典には、米国運輸省の長官、ペンシルベニア州の運輸委員長、アルトゥーナ市長が呼ばれています。大物を揃えたということでしょう。

(b) 税金の獲得と還元
歳出委員会を通じた連邦予算を獲得したこと、それが地元のために使われ、なおかつ、アメリカにとってそれが意味のあることである、ということを強調しています。

クラブのイベント

ワークスKさんの掲示板で、アレクシス・ド・トクヴィルの主張した、アメリカ人の行動原則に触れたことがあります。このときは、私がたまに読むBlogで論じていたトクヴィルの主張を次のように抜粋して紹介しました。

トクヴィルの考えは、
トクヴィルがアメリカを旅行して印象づけられたのは、それが徹底して対等な個人の社会だということだった
ので、
(アメリカでは)人々は抽象的個人として生きている。(略)人々は孤立した生活に不安を抱いており、教会や結社(今でいうNPO)に集まろうとする
ということでした。

アメリカで暮らす前は、このうちの前半部ばかりが強調されて伝わっていた記憶があり、実際には、これはこれで正しいと感じたのですが、今振り返ってみると、後者の側面を実感する場面が多々あったように思います。

そもそも、Model Railroadingのクラブがたくさんできて活発に活動しているということがその証拠ともいえます。そして、何かあると、皆が集まって楽しむ、という団体行動も少なからずある、というのは、新しい発見でした。却って最近の日本の方がそのような機会が減っているのではないでしょうか。

そんなクラブのイベントの1つをご紹介します。2001年の7月と、ずいぶん前のことになりますが、クラブのメンバーの数人がUPのRosevilleの整備工場の見学に行ったことがありました。私がクラブに所属していたずっと前の話なので、経緯はよくわかりませんが、特別な公開日のような機会があり、有志が集まって行ったのでしょうか。工場中の写真という点でも参考になるかと思いますので、紹介します。
(注:元のページはこのページの一番下です。写真の著作権はSilicon Valley Linesにありますので、転載はご遠慮ください。 — All the photos in this page are copyrighted by Silicon Valley Lines)。

まずは、SD90 8511号機(現在は8921に改番)の写真を何枚か。

これは、横から撮影した写真をパノラマ合成したものです。工場の中で、撮影可能な距離の制約もあって1ショットで撮ることができなかったのだと思いますが、はやり長さのある機関車なのでしょう。

これは後方から撮影した写真。

続いて、キャブの拡大図。Under Warrantyとありますので、この当時は、まだ保証期間ということですね。ちなみに、UPに納入されたのは1998年5月のようですので、この時点では納入後3年くらいです。

これは工場の様子です。左手に、SW1500/1222号機が見えます。よく見ると、SP塗装で、車番のところだけ黄色の地に赤の字のUP塗装になっています。あまり良い状態には見えないのですが、これは今も現役で、UPの子会社(?)のUP Yardに移管されているようです。

これは、解体中の(旧)SPの機関車です。フロントがつぶれていますので、事故にあったのでしょうか。少しかわいそうな感じがしますね。

最後に紹介するのが、工場内に掲げられていたEMDの機関車の部品の対応表です。これだけの種類があると見るべきか、これだけの種類をよく整理していると見るべきか。

参考までに、ご存知の方が多いと思いますが、UPの車籍簿(Roster)の変遷は、ここに詳しくまとめられています。上記で引用したデータについては、このページを参考にしました。

[2009/7/20追記: 上記の部品表の写真を、ワークスKさんが加工されたものがありますので、ご紹介します。]

カリフォルニア州鉄道博物館のAT&SF F-7

F’TrackさんのBlogの黄色い車掌車という記事の中に、「カリフォルニア州鉄道博物館に、ウォーボンネットのF7を見に行ったのだけれど、残念ながら叶わなかった」というくだりがあります。

これを読んで、つい先日、昔の写真を整理していた時に、それらしい写真があったような気がしたのを思い出しました。早速整理した写真を引っ張り出し、見つけたのが、今日ご紹介する写真です。これは、ずいぶん昔、1995年の2月に、家族でカリフォルニア州鉄道博物館に行った時に記念写真として撮ったものです。こんなスナップ写真程度のものを載せるのもどうかと思うのですが、F’Trackさんの記事のタイミングと、私が写真を整理したのタイミングとが近かったというのも何かのめぐり合わせかと思い、紹介させていただきます。

時折このBlogに書いている通り、ディーゼルは私の不得意科目なのですが、この写真を撮った当時は、不得意を通り越して「ほとんど何も知らない」状態でした。ですので、これがF-7だ、ということなどわからず、不謹慎ながら、旅行の記念に手ごろな被写体、ということで写したものだったように思います。なにしろ、先日写真を整理するまで、この写真を撮ったことなど、完全に忘れていたくらいですから。

都合の良いように解釈すると、そんな私が被写体に選んだくらい、存在感のある機関車だった、ということなのでしょう。この写真で見ても、塗装の光沢など、状態はよく、大事に保存されていたのだろう、ということが伺えます。

もっとたくさん写真を撮っておけばよかったと思うのですが、今となっては後の祭りです。

SVLの在籍機関車(その3:Diesel形式別)

前々回前回と鉄道別に紹介したSVLの在籍車両ですが、今度は車種別で分類してみます。

まず、動力で分類すると、約200台のうちSteamは1/4で、1台GG-1がある以外は、すべてはDieselです。私はSteam専門で、クラブの中では年齢的にはおそらく平均的なところだったと思うのですが、これだけDieselが多いというのがちょっと意外でした。ただ、よく考えてみれば、米国では私の年代のメンバーが物心つく前にSteamが全廃されたのですから、多くのメンバーにとっては、Dieselの方が身近な存在なんですね。

さて、私は、Dieselに関しては、ごくごく一部を除き、型番を聞いても形がほとんど思い浮かばないような状態で、お恥ずかしい限りですが、一番多いものから並べてみると、SD-9、Dash-8、SD-45の順となります。そのほか、F-7、E-7など、旅客用の機関車が続きます。

14台 - SD9
12台 - Dash-8
10台 - SD45
8台 - F-7
7台 - E-7
6台 - GP7、SD40
4台 - ES44、B23-7、U33C、GP38、GP40
3台 - GP9、RS3、SD60、E-8、AC4400、RSD15
2台 - GP60、S1、F3、F5、SD38、SD75、SD90、GP20、GP30
1台 - C30-7、C424、C425、C44-9W、CF7、F40PH、GP35、NW2、PB1
RDC2、RS1、RS11、S4、SD26