橋を設計する - 補遺(3)

つらつらと書き連ねてきた橋の設計の話題は今回が最終回です。

今回Blogの記事を書くにあたって、図面を描き始めたころのデータを確認したところ、2015年6月という日付が記録されていました。最終的に図面が完成したのが2016年10月なので、一年ちょっとかかったことになります。実力相応といえばそれまでですが、もう少しさっさと仕上げられれば、というところです。

週末にわずかな時間をとれるかとれないか、という状況が続いていたのがこれだけ時間がかかった根本的理由ですが、作図をするよりも基本的な橋の知識や実物を調査して考えている時間の方が長かったというのもあります。アイソメトリック図の作図も、門構のところの描き方を考えているのに時間がかかったというのもありました。

ただ、これだけ時間をかけていると、さすがの私でも隅から隅まで構造が頭の中に入ってきましたので、レーザーカットの部品ができ、だいたい組みあがった橋をdda40xさんに見せていただた時の第一印象は「あぁ、図面通りだ」ということでした。

以前平岡幸三氏のライブスチームに対する思想というエントリで紹介した氏の言葉の中に

ここまできっちり設計してしまうと、できあがった時の姿は細かいところまで想像できるという。

というくだりがありました。私ごときがこんなことを書くのもどうかと思いますが、この言葉の意味するところがちょっぴりわかったような気がしました。

 

橋を設計する - 補遺(3)」への2件のフィードバック

  1. dda40x

    細かいところまで行き届いた設計をしてくださり、感謝しています。
    本当のスティールでできている鉄橋を作るのが夢でした。
    組んでいくと、ふにゃふにゃの部材が、突然剛性を持つようになるのは、とても楽しい経験でした。
    すべての部材が気持ちよく所定の位置に嵌まるのは、素晴らしいことです。
    感謝の気持ちはとても言葉では表しきれません。
    ありがとうございました。

    返信
    1. northerns484 投稿作成者

      過分のお言葉をいただき、恐縮です。

      橋に関する基本的な事項の理解しながら少しずつ形となってゆく過程は、エキサイティングであり、楽しい経験となりました。このような機会が得られたことは大変幸運でした。こちらこそありがとうございました。

      返信

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