月別アーカイブ: 2008年7月

Randgust社のガレージキット(2)

Randgust社の紹介の続きです。

今回紹介するものは、牽引力の不足する小型機関車むけに、エクスプレス・リーファー(Express Reefer)にダミーの動力を組み込んで補助動力に仕立てるキットです。アサーンのモデル・ダイキャスティング・エクスプレス・リーファーや、マイクロトレインズのREAスタイルのエクスプレス・リーファー向けに設計されています。このほかにも、50フィートのボックスカーであれば適合するだろうとのことです。

これはTomytecの動力(TM-05,06,07)を組み込むためのフレームです。


これが、実際に動力を組み込んだ様子です。


面白いのが、製品紹介の書き出しです。
Do you have an N scale steamer that looks great but can hardly pull its own weight? Tired of a new $150 locomotive that can only haul an 8-car train?

見た目はすごいけど、自重さえも引けないようなNスケールの蒸気を持ってない?150ドルも出して新しい機関車買ったけど、8両しか引けなくてうんざりしてない?
みたいな感じの訳になるかと思いますが、直接的に訴えかけるところがアメリカ的ですね。

製品の別称も“Cheater” reeferとなっています。いんちきリーファーとでも訳せばいいでしょうか。こういうネーミングもユーモアに溢れていて面白いと思います。

Randyさんがこの動力をアトラスの2-6-0につなげて使って30両くらいの列車を牽いている様子をYoutubeに載せています。

注)写真の著作権はすべてRandyさんに属しており、許可をもらって転載したものです。

Randgust社のガレージキット

前回の記事では、、Tomytecの鉄コレの動力ユニットを使ったガレージキットの話を書きました。興味のある人もいるかと思い、メーカーにBlogに書いてもいいかと聞いたら、「ぜひどうぞ」とのことなので、今回はその紹介をします。

このメーカーはRandgustと言いますが、メーカーというと語弊があるかもしれません。実態は、オーナーのRandy Gustafsonさんが、自分の欲しいと思ったプロトタイプをレジンのキットとして作って、他の人にも分けている、と考えた方が正確かと思います。ちなみにRandyさんの本職は、鉄道関係のコンサルタントだそうです。アメリカには、このように、自分の楽しみを副業的にしてしまう人が多いようです。

「Paypalで送料も含めて前払いしてもらえれば、日本にも送りますよ」、とのことです。興味のある人は必要なら取り次ぎますので、ご連絡ください。もちろん、本人に直接連絡してもらってもかまいません。

まず一つ目は、Whitcombの65トン・ディーゼルです。恥ずかしながらディーゼルのことはよくわからないので、解説はWikipediaに任せたいと思います。実物の写真はこのサイトにあります。

キットは以下のようなパーツで構成されており、4種類のキャブが選べるようになっているとのことです。写真には3種類しかありませんが、これ以外にイタリアに渡った(?)バージョンのキャブも選べるとのこと。

下が、Tomytecの動力ユニットを改造した様子です。

なお、今回の写真はRandy Gustafson氏に許可を頂いて使っています。著作権はRandy Gustafson氏に所属します。

アメリカで鉄コレ???

先日、米国の友人からメールが来ました。曰く「トミーテックのTM-xxとかいう、Nゲージ向けの動力ユニットなんだけど、知ってる?アメリカで探しても見つからないので、よかったら買って送ってよ」と。

いったい何を聞かれているんだろうと思いつつ、まずは調べて見たところ、これはトミーテックが出している鉄道コレクション(以下鉄コレ)なるものの、日本型電車用の動力ユニットだということが判明し、狐につままれたような気分になりました。

トミーテックは輸出はやっていないはずなので、米国で入手困難なのは当然として、まさか彼が鉄コレにはまるなんてことはありえないよな、と思いつつ、何に使うの?と興味津々で聞いて見たところ、次のような答えが返ってきました。

「いや、面白いものを出しているガレージキットメーカがあって、買おうかなと思っているんだけど、動力ユニットに件のトミーテックのTM-xxを指定されていて、こいつが入手できなくてまだ決めかねているんだ」との説明があり、ようやく納得したしだいです。

さて、この鉄コレの動力ユニット、近くのNゲージのお店に行って見る機会がありましたが、サイズに制約があるシャシーながら、フライホイールまで装備していて、起動時、停止時の加減速が自然で、価格も3000円程度と、なかなかのコストパフォーマンスです。

Nゲージには疎い私ですが、以前に比べると走行性能では大きく進化しているのではないか、ということを感じました。そして、アメリカには、こういう動力ユニットを目ざとく見つけて使おうとする人がいる、というのも面白く感じました。

荷重との戦い

仕事の関係で日経BP社のWebサイトを覗くことがあるのですが、ちょっと前にこんな記事がありましたので、ご紹介します。

「本当に“規格”が正しいの?規格外を狙ったら高性能の鉄道レールが生まれた」

概要を引用させてもらうと、

米国やカナダの貨物列車用レールの規格では、素材に含まれる炭素の含有量は約0.8%と厳密に定められている。一般的に、鉄に炭素を加えると摩耗に強くなるが、この比率を超えるともろくなって割れやすくなるとされてきたからだ。鉄鋼業界では20年以上もの間、不文律としてこの数字が守られてきた。しかし、新日鉄はこのタブーに挑戦した。鉄に炭素を加えると、鉄の中に非常に硬い炭化物ができ、耐摩耗性を上げるのに有効と考えられていたが、一方で炭素が多すぎると炭化物が固まりになり、それが割れの原因となる。そこで、固まりができないような圧延、熱処理の方法を実験の繰り返しで編み出したのである。この技術開発により、北米貨物鉄道用レールの摩耗性は以前より最大で50%も高まった。

とのこと。

この記事、北米向けのレールの技術開発の話がメインですが、米国の鉄道事情も垣間見ることができ、興味深い内容になっています。特に、動画の中(1分40秒あたり)に、レールの磨耗した断面を写したものがあるのですが、「磨耗」という言葉から想像されるような生易しいものではありません。むしろ、「レールの頭の部分の半分が消えてなくなっている」と形容するのが正確であり、かなり衝撃的でした。

インタビューの中にも、「車輪あたりの荷重は、新幹線だと5トンだが、北米では20トンになる」という言葉があります。北米向けレールの開発では「荷重との戦い」というのが大きな焦点になるということでしょうね。

その他、技術開発の進め方だとか、製鉄所でのレールの圧延の様子も少し映っていたりして、いろいろな楽しみかたのできるページかと思います。

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