客車を見たあとは、更にインターアーバンとか、トロリーバスとか、いろいろな建物を見たのですが、私の興味とは距離があるのと、さすがに歩き疲れたのとで、写真を撮っていません。ガイド付きツアーが一通り終わり、集合場所に戻ってきた時に、各種の信号機が建てられているのに気付きました。
こんなものまで保存しているのか、と写真を撮ってみました。説明文も添えられていたのですが、こちらもちゃんと写真に撮っておくべきだったかと少々反省しています。
次に向かったのは、Display Barn 3、Railroad Passenger Carsの建物です。この建物の中には、現役でExcursionに使われている車両を始め、数多くの客車が保存されています。一部の客車の中で写真を撮ったので、いくつかご紹介します。往時のアメリカの客車の旅をわずかではありますが偲ぶことができるかと思います。
この展望車のデッキは、凝った作りとサインとが印象的で写真に撮ったものです。調べてみると、Chicago North Shore and Milwaukee Railroadが1917年から運航していたGold Coast Limitedとのことのようです。
テーブルの上の食器類を写してみました。フルコースの立派な食器ですね。
ラウンジカーのバーのカウンターでしょうか。
いつもの地図を掲載します。Display Barn 3は、水平向きの建物のうちで、一番上にあるものです。
Diesel Restoration Shopでは、何台かの機関車が整備中もしくはレストア中です。
Green Bay and Westernの2407号機(RSD15)です。この機関車は、模型を初めて見たときに、その特徴的な低いノーズが強く印象に残ったのですが、実物で見ても似たような感覚を覚えました。
上記RSD15のエンジンフードが開いていたので、エンジンを撮影してみました。
これは、シカゴ・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の1518号機(GP7)です。
これはミルウォーキーの機関車ですが、形式などは失念してしまいました。
[追記: 2010年8月29日]
ワークスKさんからの情報により、この機関車は、5056号機(U25B)と判明しました。
レストア中の大物は、このミルウォーキーの33C号機(E9)です。今回訪問した時も、何人もボランティアの人が作業を行っていました。
再び外に出ると、これまた多くの機関車に出会うことができました。
まずは、サザン・パシフィック鉄道の1518号機(SD7)です。
前回の記事で、ミルウォーキーのF7をご紹介しましたが、そのほかにも何台ものFシリーズが保存されていました。
これはMetraの308号機(F7A)です。
バーリントン・ノーザンのBN-1です(F9A)。
これはシカゴ・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の411号機(F7A)です。塗装して間がないのか、大変美しい状態にありました。
次に向かったのは、Diesel Locomotive Restoration Shopです。何度も書いていますが、私はディーゼルに関しては、多くの知識はありませんので、写真を掲載するのみでご容赦ください。
まずは、Shopの外に数多くの機関車が置かれているのが目に入りました。
これは、ミルウォーキー鉄道の118-C号機(F7A)です。
シカゴ・アンド・ノース・ウェスタン鉄道の6847号機(SD40-2)です。
これは珍しいのではないかと思いますが、Minneapolis Northfield & Southern Railwayの21号機です。ボールドウィンのDT6-6-2000で、現存する唯一のものです。かなり大柄な機関車ですが、ディーゼルの発展の初期のころのもので、上記Wikipediaの記述によれば、8シリンダのエンジンを2機積んで、出力は2000馬力だったということです。ボールドウィンは結局ディーゼルのビジネスをうまく軌道に乗せることができず、機関車の製造から撤退するわけですが、この機関車を見ながら、ふと、ボールドウィンの人たちがどういう思いでこの機関車を作ったのだろうか、などということを感じました。
ここから、建物の中に入ってゆきました。ツアーのガイドの方に、各々の機種が、ディーゼル機関車の発展の歴史の中で、どのような意義があるか、ということを解説をして頂いたことで、この博物館の収集ポリシーがしっかりしている、ということを感じました。その時はふんふんと納得して理解したつもりですが、しっかりとメモをしておくべきだった、と反省しています。
同じくバーリントンの9255号機(SW7)です。
バーリントン・ノーザンの5388号機(U30C)です。
Diesel Locomotive Restoration Shopは、地図で言うと、左上から右下に伸びている線路のすぐ下あたりとなります。
Steam Engine Shopを後にして向かったのは、信号所です。この博物館は、ExcursionでInterurbanなどを運行しており、この信号所は現役の建物として、列車の運行制御や監視を行っています。
これが信号所の建物です。
このほかにも、UPやSPの制御盤が多数置かれていました。
1954年7月のバーリントンのカレンダーが貼られているのを見つけました。ここだけ時間が止まっているかのようです。
信号所の見学の後、駅の中を少しだけ見せていただきました。
これは、駅の執務室の中から、プラットフォームを見たものです。
同じく、執務室ですが、反対側で、お客さんに切符を売ったりする側です。
駅の待合室には、何枚かポスターがありました。これも、昔のものがそのまま残っているものだと思われます。
これは、cornfield meet(正面衝突)の写真です。ちょっと調べてみると、このページの中に、1989年にMarlboroという場所で起きたものだ、ということが記されています。信号のミスと悪天候とで起きた事故のようですが、驚くべきことに、けが人はなかったそうです。
ペンシルバニアのTrail Blazerを牽引するディーゼル機関車です。
同じく、ペンシルバニアの蒸気の最後に花開いたデュプレックス、Q2(4-4-6-4)です。
以下の地図では、信号所は、一番左上に小さく見えるTowerとある場所です。駅はその右下にDepotとある場所です。
Steam Locomotive Shopでレストア中の大物の一つが、J. Neils Lumber Co.の5号機、3トラックのシェイです。
博物館のホームページによれば、このシェイは、法律で定められたメインテナンスを行なっているとのことです。
これは修復中のボイラーです。
さて、以前RAILTRUCKさんにshaylocomotives.comなるサイトをご紹介いただきました。このShayのデータは、このページにあります。
Illinois Railway Museumのすばらしいところは、多くの機関車や車両が走らせられるようになっていること、そして積極的にレストアを進めていることです。
このような作業を行うためには、車両を本格的に整備するための各種の工具や工作機械が多数必要となりますが、この博物館は、それらを数、種類とも取り揃えています。めったに見られない工作機械を多く見ることができ、興味深く感じました。
これらの機械は、Display Barn 9に隣接している、Steam Locomotive Shopで見たものです。
これは、工作室の一つです。
別の工作室です。このような部屋が4つくらいあったでしょうか。
これは巨大な車輪の研削盤です。正確な数字を忘れましたが、直径70インチちょっとまで対応できる、と言っていた記憶があります。
この機械、なんと呼ぶのか、何のために使うのか、失念してしまいましたが、特殊な曲げ加工をする機械です。
この大きさの加工ができるものは、全米でここしかないので、他の場所から、使わせて欲しいとの打診がよくある、と言っていました。
UP428用の先台車と思われますが、このような台車も新製されていました。
下記に地図を再掲します。Steam Locomotive Shopは、Display Barn 9の左隣にあります。
もう一台保存されている4-8-4が、このBlogでもたびたび紹介しているAT&SFのクラス2900である、2903号機です。
まずはフロントビュー。
これは第四動輪です。動輪径は80インチ(2032mm)です。
これはサイドロッドです。タンデムロッドの様子がわかります。残念ながらメインロッドは取り外された状態にあります。
テンダーです。長いので、ようやくこれくらいで写すのが精一杯です。
Buckeyeの4軸の台車です。3つに分けて写してみました。
昨年(2009年)、Modestoで2925号機を見たときの話はこちらとなります。この時は金網が邪魔だなぁ、と思い、今回は、隣の車両との間隔が狭く、なおかつ照明条件もよろしくない、ということで、納得できる写真をとるのは大変だなぁと思いました。
Display Barn 9には、各種の大型蒸気が保存されています。
これは、ノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道の、Y-3、2050号機です。この博物館の中で、おそらく最大の蒸気機関車だと思います。通路が狭く、うまく全景を撮影することができなかったのですが、一枚。
ここの展示で嬉しかったのは、私の大好きな4-8-4が多く保存されていることです。
これは、グランド・トランク・ウェスタン鉄道のU-3b型です。
Detroit Model Railroad Club訪問記で、U-4bの模型の動画をご紹介しましたが、これはその前の世代の機種となります。
ミルウォーキーのS3、265号機です。まずはフロントマスク。
機関車の全景を撮ろうとしても、これが精一杯というところです。
下回りを2枚。
動輪径は、74インチ(1880mm)です。
テンダーのロゴです。小ぶりではありますが、下地を赤にしていて、よく目立ちます。こういうアクセントが効いているところが、アメリカ型の魅力の一つだと思います。
さて、この265号機、ワークスKさんの掲示板でも話題になった、パブリック・エネミーズに「出演」した261号機と同型機です。
上記の掲示板にも書いたとおり、この261号機は、売りに出され、カリフォルニアのコレクターが落札した、ということでしたが、その後、この261号機を運行していた”The Friends of 261″が買い取ったということが、こちらのニュースレターに記されています。
これからの資金調達などを考えると、決して前途は明るいとは言えないと思いますが、まずは一件落着、というところでしょうか。
バーリントンのS-4を見た後、入っていったのは、”Display Barn 9: Large Steam and Electric Locomotives/Nebraska Zephyr”という建物です。ここには、蒸気を中心とした大型の機関車が各種展示されています。
まず目に入ってきたのは、これです。説明の必要がないと思いますが、レイモンド・ローウィのデザインで有名な、ペンシルバニア鉄道のGG1です。かねてより好きな機関車でしたので、その実物を見ることができ、感激しました。
これは、バーリントンのネブラスカ・ゼファー(Nebraska Zephyr)の牽引機であったE-5、9911-A号機です。
これは、ネブラスカ・ゼファーの最後尾です。ネブラスカ・ゼファーは、引退してそのままイリノイ鉄道博物館に寄贈された、とのことで、一編成がそっくり残っています。 ゼファーといえば、多くの人は、カリフォルニア・ゼファーを思い浮かべるのでしょうが、Chicago Museum of Science and Industry訪問でご紹介したパイオニア・ゼファーをルーツとした、今風に言うと、バーリントンのブランド戦略だったのだろうな、ということを感じました。
以下に、博物館の地図を再掲します。Display Barn 9は、左下、縦方向の建物です。