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マーク・シュッツァー(Mark Schutzer)氏によるブラスの機関車の整備 – 総集編 –

マーク・シュッツァー(Mark Schutzer氏)による、日本製のブラスの機関車の整備の訳を紹介してきました。何らかのご参考になれば幸いです。氏のサイトには、この他にも、Mountain MT-2Pacific P-1Consolicationの作例の詳細が載せられていますが、重複するところが多いので、訳を掲載するのは、ここまでとしたいと思います。

まとめとして、これまでの記事の一覧を総目次としてまとめておきます。

[2013年10月19日追記: Mark Schutzer氏によるクリニックのスライドの訳をこちらに掲載しました。]


サザン・パシフィックのクラスP-8(パシフィック)のモデリング

(1) プロトタイプ
(2) プロジェクトに使う機関車
(3) ボイラーの修理
(4) パイロットの修正
(5) 駆動系の改修
(6) ボイラーの塗装
(7) 主台枠と車輪との塗装
(8) テンダーのレストア
(9) ウェザリング
(10) 完成した模型の写真(白黒)
(11) 完成した模型の写真(カラー)


サザン・パシフィックのクラスMT-4(マウンテン)のレストア

(1) 機関車の選定
(2) レストア前の状態
(3) 凹みの修正
(4) パイロットの修正
(5) 駆動系の改修
(6) ボイラーの塗装
(7) テンダーの塗装
(8) 線路上での試験とフレームの塗装
(9) 再組み立てとウェザリング
(10) 完成した模型の写真


サザン・パシフィックのキャブフォワード(AC11)のレストア

(1) キャブフォワード
(2) キャブフォワードの模型
(3) 最初の一歩
(4) 駆動系の改修
(5) バランスをとる
(6) ディテールの追加
(7) 塗装の準備完了
(8) 線路上での試験
(9) 塗装の準備
(10) 塗装
(11) デカールはり
(12) ウェザリング
(13) 仕上げ
(14) 完成

SPのキャブフォワードAC11のレストア (14) – 完成 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの14ページめのAkane AC-11 finished photo galleryを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月19日に作成されました。


[訳注: 今回も解説はありません。下記の写真をご覧になってください。クリックすれば拡大します。]

SPのキャブフォワードAC11のレストア (13) – 仕上げ –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの13ページめのFinishing touchesを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月26日に作成されました。


仕上げ

最終的にボイラーをフレーム上に載せる前に、2、3細かいことを述べておくべきであろう。

キャブの前面に、進行方向に応じて定輝度で点灯するヘッドライトを加えようと考え、NS-LP2951というICを使って小型の低電圧回路を作成した。この回路は、3つの外付けのパーツを必要とし、1.5Vの電球を点灯させるには最適の、1.25Vの低電圧を出力する。加えて、これは小さく、どのような場所にでもほぼ問題なく設置することができる。

この照明モジュールの回路図に関して、何件かの問い合わせを受けたので、回路の概要と、私の使った小さなプリント基板の大まかなアウトラインをPDFファイルにまとめた。このボードは簡単なので、15分もあればXactoナイフで切り出すことができる。興味のある人がいれば、PDFファイルはここからアクセス可能である[訳注: この文書は英語です]。

以下、照明モジュールの写真を何枚か載せる。

前照灯には、MVレンズを使い、0.52インチ(=1.32mm)の穴を後ろ側にあけ、電球の先頭が入るようにした。電球は、キャブの前面を通し、瞬間接着剤でレンズを電球に固定した。

これは、照明回路を設置した状態の、キャブの内側の写真である。

上の写真に写っている前面のカプラーマウントのことについても触れておくべきであろう。このアカネの機関車は、もとの状態ではカプラーを固定する場所がなく、フロントカプラーのマウントには無頓着であった。もとあったカプラーポケットを取り除き、真鍮の丸棒から、カプラーを固定する支柱を作った。この丸棒に穴をあけ、2mm×0.4のネジが入るようにし、その後キャブの床板の裏面に直接半田付けした。

さて、最後に一つ、ボイラーの内側に関して対応すべきことがある。あなたが模型のボイラーをはずした経験があるならば、ボイラーをはずしたときのほうがモーターの音が静かである、ということを感じたことはないだろうか。私は、うるさいのはモーターではなく、ボイラーがスピーカーのエンクロージャーの働きをすることで、すべての音を反射して、キャブの底から音が出るようになっているからだと思っている。これは私の持論にすぎないのだが。

私は、モーターの周りのボイラーの内側の表面の特性を変えることで、この音の増幅をほとんど取り除くことができるということを発見した。次の写真が、この解法を示している。マジックテープ(Velcro)である:

マジックテープは、2枚のシートからできている。引っ掛ける側と、引っ掛けられる側とである。引っ掛けられる側には、厚味があり、ボイラーの内側に貼った場合は、音の増幅、というより裸の真鍮の壁からの音の反射、を遮断する効果がある。これがどれだけ科学的かはわからないが、非常に上手く行く。マジックテープが一番良いのは、色が黒であることと、裏側に接着面があり、取り付けが簡単なことである。

さて、これでこのレストアのお話は最後になった。残っているのは、完成した写真をお見せすることである。次の記事は、一台目の模型の写真のギャラリーである。塗装工場から出て来しだい、2台目の写真も加えるつもりである。

お時間をとっていただいて、この話を読んでいただいたことに感謝する。皆さんが楽しんでさったことを願っている。


補足
・瞬間接着剤は、米国ではACCと呼びます。

・日本ではマジックテープといいますが、米国では、Velcro(ヴェルクロ)と呼びます。初めてこの単語を聞いたときは、いったい何のことかわからず、とまどいました。

・静音化の話は興味深いのですが、実際にどれくらい効果があるのでしょうか。

SPのキャブフォワードAC11のレストア (12) – ウェザリング –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの12ページめのWeatheringを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月25日に作成されました。


ウェザリング

機関車に、より実感的な外観を与えるために、軽めのウェザリングを加えることとした。エアブラシ、ウェザリング用のパウダー、ウォッシングなどの技法を組み合わせて、自分の望む効果を出すこととした。

ピカピカした走り装置を落ち着かせるために、すべてのロッドにTestorのdullcoatを吹いた。その後で、ポリスケール(Polly Scale)のオイリー・ブラック(oily black)を薄めたものを吹いた。これで走り装置の色調は落ち着いたが、ロッドの色が少し単調になってしまった。この後で、10倍に薄めた埃っぽい黒(Grimy Bkack)を使って、ウォッシングを施した。ウォッシュが乾いた後には、とても実感的な色の変化を生み出すことができる。

デカールを貼り付けた後、すべての走り装置を組み立て、モーターとギアボックスとを組み立てた。車輪のタイヤには、マイクロマスクを塗布し、ウェザリングの最中に塗料がかからないようにした。
モーターを繋ぎ、車輪が回転している状態で、ポリスケールの泥色(dirt)をかなり進めたものを吹いた。5倍から10倍に薄めたので、一回吹いただけでは、わずかに塗料がのるだけであるが、何回も繰り返すことで、自分の望む、微妙な効果を得ることができた。

これは、上記のウェザリングを施した後の、試験走行台上の機関車の写真である。

走り装置の色と、テンダーの下部の土埃の効果に注目して欲しい。

以下に、機関車の走り装置の写真をお見せする。

残りのウェザリングは、ボイラーを組み付けた後に、Bragdonのウェザリングパウダーを使って行った。すすけた黒(Sooty black)、グレー、白、さび色のパウダーのいろいろな組み合わせを使った。このほか、ボイラーとテンダーの両側に、小さな固いブラシを使って上から下へ、いろいろな色を塗った。最終的なウェザリングの効果は、後に紹介する、完成した写真の記事を見て欲しい。


補足
・本文には触れられていませんが、フライホィールも黒く塗っているところが、神経が行き届いている証拠という気がします。

SPのキャブフォワードAC11のレストア (11) – デカールはり –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの11ページめのDecalingを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月25日に作成されました。


デカール貼り

塗装が終わったら、次のステップは、適切なレタリングとナンバーを貼ることである。他のSPのプロジェクトと同じく、San Juan Decalのサザン・パシフィックのデカールセットを使った。私は、50年代の前半を模型化しているので、”レタリング・グレー”を使った。この時期は、テンダーは、20インチ(508mm)の大型の”Southern Pacific”という文字を、テンプレートを使って塗っていた。

これは、デカールを貼った後のキャブの写真である:

これは、機関助手側からのキャブの写真である:

これは、デカールを貼った後のテンダーの写真である:

デカールを貼ったあと、すべてのをものを、Testorのdullcoatで何回か塗り重ねた。


SPのキャブフォワードAC11のレストア (10) – 塗装 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの10ページめのPaintingを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月25日に作成されました。


塗装

キャブフォワードは、その生涯の終わりにおいては、3つの異なった色を使って塗装を行っていた。全体の基本的な色は黒で、熱くなる部分(煙室と火室)はグラファイト・グレイ色であり、キャブの下の部分は、アルミ色であった。

黒に関しては、フロックィルのエンジンブラックとウェザードブラックとを1対1で混ぜたものを使った。キャブの前面には、フロックィルのプラチナミスト(platinum mist)を使い、煙室、火室については、グラファイト(graphite)とオールドシルバー(old silver)を混ぜたものを使った。

これは、グラファイト・グレーと、アルミ色とを塗った後のボイラーの写真である。

上の写真は、そのほかのすべての部品を黒に塗った後を示すものである。色を塗った後で、塗膜を完全に固化させるために、オーブンをwarm(125F=約52℃)に設定して、一晩焼き付けた。このほか、タイヤをマイクロマスクでマスキングした後で、車輪を塗装した(残念ながら写真はとっていない)。焼付けが終わった後、黒で塗ったすべての部品に、テスターのダルコートを吹き付けた。デカールを貼り付ける場所には、代わりにテスターのグロスコートを吹き付けた。

塗装が完全に固化した後、ボイラーおよびキャブの、グラファイトグレーと、アルミ色の部分をマスキグした。簡単にマスキングできるところはテープを使い、複雑な形をしたものについては、マイクロマスクを使った。マスキングが完了した後、ボイラーの残りの部分を黒で塗った。

以下は、黒を塗った後のボイラーの写真である。

そして、機関車の両端である。

すべての吹き付けが終わった後、インジェクターとバルブのハンドルとを赤色に塗った。キャブの部分は、デカールを貼る準備として、グロスコートを軽く吹いた。


SPのキャブフォワードAC11のレストア (9) – 塗装の準備 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの9ページめのPainting Preparationを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月25日に作成されました。


塗装の準備

2台の機関車のパーツの数を考え、2台の機関車を一台ずつ塗ることとした。まず、一台目の機関車を完全に分解し、ラッカーシンナーですべての部品を脱脂した。

すべての部品を保持するために、約1/4インチ(6.35mm)の真鍮の棒から、塗装用の固定器具をたくさん作った。棒を5インチ(127mm)程度に切り、一方の端を太さ2mm程度に削った。各々の棒(の削った側)にダイスを使って2mm×0.4のネジをきった。これらの棒は、2mmのネジ穴を持っているものであれば、どんなものでも固定できるので、非常に便利な固定器具になる。ボイラーを保持するために、真鍮材から作った固定器具を半田付けして組み立てた。この固定器具には、4つの穴をあけ、ネジを切り、ボイラーを固定するために使うのと同じ穴を使うようにした。以下、この塗装を行うのに使ったすべての固定器具の写真である:

以下の写真は、固定器具上で塗装準備が完了したすべての部品を示すものである:

塗装をしてはならないすべての部分を、テープあるいはマイクロマスクを使ってマスキングした。これらの部分とは、クロスヘッドのガイド、車輪、そして車軸がフレームに接触する部分を含む。


SPのキャブフォワードAC11のレストア (8) – 線路上での試験 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの8ページめのTrack Testingを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月25日に作成されました。


走行試験

塗装のために、すべての部品を分解する前に、クリアランスの問題がないことや、機械的な引っかかりがないかどうかを確認するために、走らせる時間をとることとした。以前は、(レイアウトの)線路を走らせるだけであったが、今はBachrus社[訳注: http://www.bachrus.com/]の新しい走行試験台を持っている。これは、機械的な引っかかりや、接触の問題を見つけるのに本当に役に立つ、。

これは、キャブフォワードの一台を、走行試験台上でテストしているのを示す写真である:

試験台で試験を行ない、クロスヘッドのガイドを微調整した後、いつものように、(レイアウトの)線路上の走行試験に進んだ。機関車を、軽い負荷、重い負荷で、前進、後進の両方で走らせた。レイアウトを一方向で走らせた後、機関車の向きを変え、すべてのテストを行った。私のレイアウトには、24インチ(609.6mm)のカーブがあるので、これらの大型機関車にとっては、本当に良いクリアランスと引っかかりのテストである。これらのカーブでも、2台の機関車のいずれにも問題はなく、動輪は引っかかることさえなかった!

これは、31両のオーバーナイト便のボックスカーを引いているキャブフォワードの写真である:

2台とも走りはすばらしく、前進/後進、いずれの方向にも、引っかかりの兆しさえ見せることなく、そろそろと低速で走行する。新しい缶モーターは、軽い負荷で機関車を走らせることは100ミリアンペアを消費するのみで、31両のボックスカーを引いても200ミリアンペアに増えるだけである。スケールスピードで2mphで列車全体が這うように進むのを見るのは、見ごたえがある。

さて、テストが完了したので、分解して塗装する段階となった。


SPのキャブフォワードAC11のレストア (7) – 塗装の準備完了 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの7ページめのReady for painting gallery を訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。


[訳注: 今回はとくに説明はありませんので、下記の写真をごらんになってください。すべてクリックすれば拡大するようになっています。]





SPのキャブフォワードAC11のレストア (6) – ディテールの追加 –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの6ページめのBoiler repair and Detailingを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2009年4月19日に作成されました。


ボイラーの修理とディテールの追加

アカネの模型は1960年代の早いうちに作られたため、今日の基準からすれば、ディテールがあっさりとしている。精密な真鍮の鋳物の代わりに、多くの挽き物が使われていた。この模型に最初についていたハンドレールは、すべてオーバースケールであった。

サンドブラストをかけた後、まず最初に、半田付けが取れたところをすべて修理した。長い年月の間に、この模型は何回か補修が行われてきていたのだが、半田付けで補修されたものもあれば、エポキシ接着剤で補修されたものもあった。言うまでもないことであるが、上手いとは言えない修理もあり、数多くの半田付けの補修が必要だったほか、流れすぎた半田を削り取る必要もあった。

私は、すべての挽き物の部品を取り外し、ロストワックス部品に置き換えた。オーバースケールだったハンドレールは、すべて取り外し、20mil(=0.508mm)の真鍮線で置き換えた。変更をすべて長々と書き下すよりは、写真を使って、変更した部分をハイライトすることとしよう。以下の写真で、赤い矢印で示したのが、部品を取り替えたり、追加したところである。

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ほんの少しの仕事である。。。