SPのマウンテンMT-4のレストア (3) – 凹みの修正 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の3ページめのRepairing the Dentsを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


凹みの修正

機関車の修復の第一歩として、損傷のすべてを見極めることが必要であった。私は、真鍮がどのような状態にあるかを見るために、機関車から塗装を剥がした。幸運なことに、ひどい塗装と凹み以外は、軽微な変色(tarnish)があるものの、真鍮はすばらしい状態にあった。私は変色と最後まで残った塗装とを取り除くために、機関車にサンドブラストをかけた。パイロットは曲がって、壊れており、機関車はパイロットから激しく落下したことということが明らかであった。

私は、まず、スカイラインケーシングから、凹みを取り除くという、最大の仕事に取り組むべきであると判断した。ケーシングの裏側に触れることができないため、まずボイラーからケーシングを取りはずす必要があった。この作業は、かなり簡単であることがわかったので、ブタンのバーナーを使ってケーシングを急速に加熱し、ボイラーのそのほかの半田付けが緩まないようにして、ケーシングを取りはずした。

真鍮をこれ以上いためることなく凹みを除くために、3/8インチ(9.525ミリ)×1/2インチ(12.7ミリ)の2本の真鍮棒から、修正用の治具を作成した。棒の一端を丸めるために、Shirline社[訳注: サイトはこちら – http://www.sherline.com/]のエンドミルを使った。一方は、スカイラインケーシングの外側のカーブにマッチする凹面のカーブとした。もう一方は、スカイラインケーシングの内側のカーブにマッチするカーブの凸面を切った。スカイラインケーシングの凹んだ部分を2本の棒の間に挟み、万力でプレスした。この方法で、もとあった凹みの約95%を取り除いた、残りは、ラッカーパテと紙やすりとで処理することとした。

以下は、私が作った修正用の治具の写真である。

以下はスカイラインケーシングの凹みの修正前と修正後の写真である。


そして、これは機関士側のナンバーボードのそばの凹みである。


補足
・dent(凹み)という単語は、中古車を買うとき、車の外観の状態を確認するために必ず出てくる単語でした。よくペアで使われるscratchというのは、引っかき傷をさします。また、この手の修理を行うお店は、Body Shopと言います。

SPのマウンテンMT-4のレストア (3) – 凹みの修正 –」への2件のフィードバック

  1. gallopinggoose

    私にトーチを使えといわれても無理です・・・
    おはようございます。
    すごいですね・・・きっと周りを濡れた雑巾でくるんでケーシングをあぶったのでしょうね・・・
    私には問うってい無理ですので、きっと、開いた穴からドライバーをつっこみこじってへこみを減らし、後はパテのお世話になると思います。
    ナンバーボードのところははじめから無理ですので、パテとやすりのあせわになっちゃいます。
    ここらへんが、本格的なんですね・・・

    でも、先日AkaneのDM&IRのイエローストーンの前の台車の手すりが取れてしまって、そのあと紛失してしまったのですが、こちらの記事を拝見していると、何のこれ位、真鍮棒買って来て自分で作れば良いじゃないか・・・という気がしてきて、めげずに済みました。
    がんばります~

    返信
  2. northerns484

    断面が単純な形状だというのもありますが
    gallopinggooseさん:
    このスカイラインケーシングは、断面形状が割合と単純なので、修正しやすいとは言え、ちゃんとフライスで治具まで作る、というところがすごいと思ったものです。
    Akaneの修理、がんばってください。楽しみにしています。

    返信

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