月別アーカイブ: 2008年1月

競作?

もう1年前になりますが、Precision ScaleNorthern PacificのA-4/A-5を出すということを書きました。昨年の春だったと思いますが、期待にたがわぬ出来で仕上がってきました。最近のブラスモデルの例に漏れず生産台数が限られていたこともあって、あっという間に売り切れてしまったようですが。

Precision Scaleは、これに続いて、NPのA-2をやると予告をしていて、ひそかに期待しているのですが、Webページはずっと更新されていません。A-4/A-5のときも、発売がかなり近づいたころに、いきなりパイロットモデルの写真が出てきましたので、A-2の場合もそのうち突然情報が出てくるんだろうな、とのんびり構えていました。

ところが、ここにきてDivision PointA-2、A-3、SP&SのE-1(A-3のオイル焚)をやると予告をしているのを発見してびっくり。競合して良い製品が出てくれば、気に入ったほうを選べばよい、ということになりますが、もともと狭い市場ですので、そう事は簡単に運ばないのでは思っていて、ちょっと複雑な気分です。

まず、これだけの大物の模型を同時にこなせるだけのキャパシティがメーカー側にあるかどうか、というのが一つ。Division Pointは、ここのところ一番安定していると思われるBoo Rimを使うと明言しています。となると、一発逆転でもない限りPrecision Scaleは、別のメーカーに発注することになるのでしょうか。私個人の意見としては、Precision Scaleは出来不出来のむらがあるという印象なので、そこの実力しだいということになりますね。総合的に判断すると、Division Pointの方が確実に期待できるというところでしょうか。

という観点でA-2、A-3を見てみると、基本設計は踏襲されているものの、細かく見るといろいろなところに違いがあることに気づきます。まず目立つのが、ボックス動輪の形。A2の動輪は日本型蒸気のような大きな穴が開いた形状になっています。また建造時のA-2は独特の形の煙突を採用しています。いつだかの「とれいん」誌だったかと思うのですが、「植木鉢をひっくり返した形」というような表現があったのが印象に残っています。そのほか、サンドドームの位置が大きく異なるとか、A-2のキャブの方がこぶりだとか、実は全長などの基本寸法も微妙に違う、とか、、、

要は、A-2とA-3とを正確に作り分けるとなると共通に使える部品というのが意外に少ないのでは?、というのが気になります。そういう状況で、インポータ、メーカの神経がどこまで行き届くのか?というような余計な心配をしたくもなります。

もう一つ、Division Pointの製品ラインナップでは時代別の作りわけで2種類が用意されていますが、Precision Scaleはこれに加えて、給水温め器の作りわけで2種類、そしてボイラーの塗色で黒とグレーとの2種類、合計で8種類を用意しています。Division Pointがボイラーの塗色をどちらにするか、というのも大きな判断材料になるかと思います。
(2008/1/28: 給水温め器の作りわけを見落としていたので修正)

いずれにしても、特にA-2はこれまでよい模型が出ていないと思うので、どちらのインポータでも良いので、すばらしい模型が出ることを期待するばかりです。もっとも、その前に私は先立つもの心配をしないと始まらないのですが、、、

※画像はA2とA3(正確にはSP&SのE-1)の図面です。上がA-2になります。

古川さんの本を買ってきました

これも先日の米国出張の時の話ですが、古川亨さんの本を買ってきました。

Cumbres & Toltec
A photographic tribute to America’s most spectacular scenic railway
ISBN: 978-0-9790113-0-6

趣味の興味の対象を広げると際限なくなるので、ナローには興味を持たないことに決めているのですが、何よりも日本の趣味人がこれだけの本を出したということ、実際本をぱらぱら見て、そのすばらしい写真に感銘を受け、気がつくとレジに向かっていました。

さて、一つ嬉しかったことがあるので、ご紹介します。

代金を支払おうとお店のご主人と雑談をしていた時のことです。見知らぬお客さんが目ざとくこの本を見つけ、「これはいい本だよねぇ、ナローのコミュニティーですごい評判になっているんだよ」、とちょっぴり興奮したような様子で私に話しかけてきました。

私が「いや、この著者のSam Furukawaは日本人で、マイクロソフトで云々」というようなことを説明したところ、このお客さんはびっくりされていました。著者のことをよく知らないということは、裏を返せば、純粋にこの本の出来が評価されている、と言えるのではないでしょうか。一人の日本人として鼻の高い思いをしました。

Rio Grande系のナローに興味のある方に限らず、アメリカの鉄道に興味のある方に、広くお勧めできる良書だと思います。

UPの求人情報サイト

このような情報に興味のある人があるかどうか、疑問ではありますが、クラブのメーリングリストに流れてきた情報をご紹介します。

Union Pacific is Hiring 3000 to 5000 people to fill all jobs for people retiring this year. They will do all the training for 14 weeks. 35k to 40k per year salary to start… They’re looking for people to fill positions all over the United States. So, if you know anyone who needs work let them know, they can apply online or go to one of the job fairs in their area. It’s also online for locations and times…
http://www.unionpacificjobs.com/

ざっと訳すると、UPが今年退職する人を補充するために3000人から5000人の求人を行う。14週にわたって必要な訓練を行ない、年収は3万5千ドル~4万ドルからスタート。仕事場所は全米各地にわたる。オンラインやJob Fairでの応募が可能。

収入的には高いかと聞かれると疑問符がつきますが、こういう話題が流れてくるところを見ると、皆さん一種の憧れの対象としての興味はあるようですね。

さて、これは海の向こうの世界の話で、我々には直接関係ないのですが、件のサイト(http://www.unionpacificjobs.com/)の中に”Employee Videos”というページがあります。断片的な画像で、重複も多いのですが、UPで働く人の声だけでなく、機関車の映像、入れ替えの様子、整備の様子など、ちょっと楽しむことができます。

注)当然のことながら、コンテンツはすべて英語です。また、このサイトは期間限定の可能性があります。あしからず。

Microsoft Train Simulator 2

今回は、模型の話ではないですが、興味をお持ちになられる方もいらっしゃるかと思いますので、ご紹介します。

Microsoft Train Simulatorというソフトをご存知の方も多いと思いますが、その続編のMicrosoft Train Simulator2(以下、TS2)というソフトの出荷が近づいている?ようで、クラブのメーリングリストで話題になっていました。

メンバーの一人は、「これが来たらすぐWindows Vistaに乗り換えるのに」とつぶやいています。ただ、別のメンバーからは、「(TS2が描画にDirectX 10を利用するという前提に立つと)、デスクトップPCならnVidia GeForce 8800GTを搭載したもので、30インチの2650×1600のディスプレイがお勧め。ノートPCなら、nVidia GeForce8600M GTX or GTSを搭載したものがお勧め」とのコメントがありました。要するに、現時点で得られる最高スペックに近いのPCを用意しろということのようです。

というような情報をぐだぐた書いても仕方ないので、このソフトの画面の掲載されているページをご覧ください。最新の3G描画で、かなりの表現力に達しているのでは、と思います。もう一つ、このページには、ゲームに使われる車両のレンダリングが掲載されています。

ちなみに、ほとんどBNSFなのは、Microsoftの本社がWA州にあるからなんでしょうね。

Kalmbach社のThe DCC Guide

写真は、Kalmbachからの最新刊で

The DCC Guide
How to select and use your command control system

というDCCの入門書です(ISBN 978-0-89024-676-4)。これも先日出張したときに手に入れてきました。全く読む暇がないのではありますが、写真や図が豊富に使われており、なかなか良い印象です。残念ながら、現時点ではamazon.co.jpでの取り扱いは未だのようです。

さて、この本を買うきっかけとなったのは、私の所属していたクラブが紹介されることになっていたからで、メーリングリストで、「皆、出たら忘れずに必ず買うんだぞぉ」みたいなメールが流れていました。

第10章の「Operating with DCC」に、クラブのレイアウトでの運転の様子、列車の運行制御を手動で行っている様子、の2枚の写真が掲載されています(下記写真をごらんください)。

この運行制御ですが、将来的には、コンピュータでできるようにして、更にインターネット経由でも制御できるようにしよう、というような話もあります。ですので、「日本からインターネットでの制御にチャレンジしよう」みたいなことも言われていますが、いつの日になるでしょうか。。。

ちなみに、この著者のDon Fiehmannという方は、クラブのメンバーと親交が深く、一度一緒にLunchに、と誘われてはいるのですが、出張ベースだとなかなか時間が合わず、まだ果たせていません。

さて、お正月休みも終わり、本日から仕事です。また投稿のペースががくっと落ちると思いますが、お付き合いの程よろしくお願いします。

Rapido Trains Incの客車

先日、久しぶりに出張した機会にクラブを訪問した際、Rapido Trains社の客車を持ってきているメンバーがいました。全く知らないメーカーだったのですが、よく調べると、ワークスKさんのアメリカ型鉄道模型大辞典にしっかり記載されていましたね。お恥ずかしい。

とはいえ、私が見るのは初めてでしたし、あまり紹介されていないような印象がありますので、皆さんの参考になればと思い、紹介します。相変わらずへたくそな写真で申し訳ありません。

床下の写真などを見ていただければわかるかと思いますが、かなり細かいディテールとなっています。また、走行中にチラチラしないように、照明は電池で行うという凝り様です。この照明は消せるようになっていて、磁石を使ったon/offの工具が付属しています。

価格は定価で約$60ですから、Walthersの客車よりは割高ですが、これだけの値段差なら妥当かなぁ、という印象です。ただ、入手性にやや難があるようで、件のメンバーもこれだけの編成をそろえるのに苦労したようです。CaliforniaでMilwaukee Roadものを買う人も少ないだろうということを考慮に入れる必要はあるかもしれませんが。

最新版のカタログはここからダウンロードできます。

Uniform

写真は、メンバーお揃いのシャツです。運転会、特にOpen Houseなど外部の人を対象としたイベントでは、このシャツを着用することが暗黙の了解になっています。

私個人としては、お揃いのつなぎにおそろいの帽子というようなところまで本格的に揃えられればもっとカッコいいのにとか思ったりもしましたが、まぁ、あまり大げさなのもどうかと思いますし、このあたりが現実的なところでしょうか。

とはいえ、お揃いのシャツを着るだけでも、ずいぶんと効果があるのだということを感じました。まずは、自分がクラブの一員であるということを意識し、皆が仲間であることを意識するようになります。そういう気持ちになると、コントローラの操作にも自然と気合が入ってきます。

また、クラブにいらっしゃるお客さんにとっても、誰がクラブのメンバーかが一目瞭然となるというメリットがあります。このようにしておけば、多少なりとも話のきっかけを作りやすくなり、クラブの運営上重要な案件である、メンバーの確保につながるのでは、と感じました。

脱線しますが、私が在籍している間に一斉に新しいシャツを作ったのですが、そのときの皆さんのサイズのでかいこと。私はLサイズをお願いしたのですが、XLとか、XXLとかの人がほとんどで、「あぁ、アメリカだなぁ」と妙な関心をしたのを記憶しています。