月別アーカイブ: 2011年1月

ロッド・スチュワート、トークショーにて語る

今回のお話は、既にイナ@ペンさんのBlogの記事にコメントさせていただいた内容ですが、少し補足して書いてみたいと思います。

ロッド・スチュワート(Rod Stewart)という超大物ロック歌手をご存知でしょうか。名前は知らなくても、コマーシャルの楽曲として使われたことも多いので、歌を耳にしたことはある方は多いのではないかと思います。70年代後半に大活躍し、今でも活躍している息の長い歌手です。Wikipediaの記述によると、当年とって66歳とのことですが、とてもそのような年齢を感じさせません。彼がThe Great American Songbook Vol.5という最新版のアルバムを出すのにあわせて、アメリカの三大TVネットワークの一つであるABCのトークショーである、ジミー・キンメル・ライブ!に出演しました。

と、ここまで書いただけでは、なぜこんな話題が関係するのか、と思われるかもしれませんが、実は、ロッド・スチュワートの趣味は鉄道模型で、そのレベルは半端ではありません。彼のレイアウトがMR2010年12月号で取り上げられたことが、このトークショーの一つのネタとなっているのです。

ビデオはこちらです。開始20秒頃から2分30秒くらいの間です。

[2012/10/3追記: 残念ながら、このビデオは非公開になってしまいました。]

どういう会話の流れになっているかをポイントだけご紹介してみたいと思います。早口で聞き取れなかったり、司会のジミー・キンメル氏のコメディ・タッチ(?)の会話に隠れている(かもしれない)ウィットやユーモアが理解しきれていないところもあり、正しく理解できていない部分もありますので、誤りや、私の理解不足があれば、ご指摘をお願いします。

まず、ジミー・キンメル氏から、
「さて、これにはびっくり。あなたはいろいろな雑誌の表紙を飾ってきたけれど、今度は別の雑誌の表紙を飾った。」
と切り出し、MRの12月号を取り出してアップとなります。
この時のロッド・スチュワートの照れくさそうな仕草が印象的ですが、彼は自分の趣味/レイアウトに対して、
「僕は本当に誇りに思っているんだよ(I’m really proud of it )」
と応えています。

次に、ジミー・キンメル氏が、
フランク・シナトラも鉄道模型を楽しんでいたと聞いたんだけど。」
と続け、ロッド・スチュワートが
「そう、フランク・シナトラ、その息子、フィル・コリンズ、(ザ・フーのリードボーカルの)ロジャー・ダルトリーもそうだ」
と応えさらには、
「ロジャー・ダルトリーとは、(この趣味に関して)メールをやり取りしている」
と付け加えています。

このあと、レイアウトの写真が4枚ほど紹介されます。
ジミー・キンメル氏は、これを見てかなり驚き、「あなたがこれを作ったの?」と聞いて、
ロッド・スチュワートが「そうだ」と答えて、
「It’s a wonderful hobby, it really is !(これは素晴らしい趣味なんだよ、本当に!)」
と言っています。

ちなみに、最初の写真には”Three Rivers City”とありますので、ピッツバーグをモチーフにしているのでしょうか。3枚目の写真は、ニューヨークの高級ホテルのウォルドルフ=アストリアをモデルにしていると言っています。

そのあと、ジミー・キンメル氏が、「これをツアーに持ってゆくの?」と聞いて、ロッド・スチュワートが
「そう、スーツケースにつめて、ホテルの別室の大きなテーブルで工作して、送り返すんだ」
と答えています。
ジミー・キンメル氏はこの流れの中で、
「あなた(のようなロックの大スター)がホテルで静かに工作している、なんて、我々にはとても想像できない」
と言っています。

ロッド・スチュワートは最後に、
「昔は、(ロックのスターと言えば)ホテルでいろんなものを壊したりする(ので嫌われていた)のが普通だったけれど、今は、大きなテーブルのある部屋を用意して、私を歓迎してくれるんだ。」
と言ってこの会話を締めくくっています。

いやはや、すごいものですね。

フェイスブック(Facebook)の活用

最近のインターネットの話題の一つが、フェイスブック(Facebook)の躍進でしょうか。Facebookは、世界最大のソーシャル・ネットワークで、創業者のマーク・ザッカーバーグを描いた、その名もソーシャル・ネットワークという映画が公開されているので、ご存知の方も多いと思われます。日本では、ソーシャル・ネットワークと言えば、mixiのことを指すと言うのに等しく、これまでFacebookはそれほどの知名度があるとは言えないのですが、米国では数年前から多くの人がFacebookを活用してきており、私も米国の知人と情報交換する際に、時々使っていました。

とまぁ、Facebookの詳細や、日米のソーシャル・ネットワーク事情の違いとかを論ずるのは、当然のことながらこのBlogの範疇外で、今回の趣旨は、アメリカ型を楽しんでいる人にとっては、Facebook上に、鉄道会社、Historical Society、鉄道博物館などが、公式ページを用意して、情報発信を行っているのが有益だ、というお話です。以前「ツイッター(Twitter)を使った鉄道会社の情報発信」という記事をご紹介しましたが、Twitterが短いテキストのメッセージの発信が基本なのに対し、Facebookは写真やビデオも自然に組み込むことができます。それぞれのページは、掲示板形式になっていて、ファンが撮影した写真やビデオも発信されており、充実した情報になっていると思います。

このFacebookは、ユーザー登録(無料)して使うのが基本ですが、インターネット上にすべての内容が公開されており、ユーザー登録しなくても見られるものがあります。今回は、そのようなページをいくつか紹介したいと思います。

前回「614と611との共演」でご紹介した、C&Oの614号機の移動の様子は、関連するVirginia Museum of Transportationのページ等に紹介されています。
Virginia Museum of Transportation

N&WとC&OのHistorical Societyです。
Norfolk and Western Historical Society
Chesapeake and Ohio Historical Society

N&Wの夜の幻想的な写真で有名な、O Winston Linkの博物館です。
O Winston Link Museum

鉄道会社も情報発信をしています。
Norfolk Southern
Union Pacific
CSX

いくつかの4-8-4の保存機の情報発信にもFacebookが活用されています。
SP 4449
AT&SF 3751
SP&S 700

列挙しだすと、本当にきりがないので、今回はここまでとしますが、皆さんも「f」の字をデザインしたフェイスブックのマークを見つけたら、リンクを辿って、楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

614と611との共演

なにやら呪文のようなタイトルをつけてしまいましたが、アメリカ型の蒸気に詳しい方にはこの数字が何を意味するか、ピンと来たのではないでしょうか。

ノーフォーク・アンド・ウェスタン(N&W)のクラスJ(4-8-4)の611号機とクラスA(2-6-6-4)の1218号機とが保存されている、Virginia Museum of Transportation(バージニア交通博物館:以下VMT)のニュースに、次のような一文があります。

Thoroughbreds of Steam: N&W 611 and C&O 614
February 12-April 30, departure dependent on NS move schedule
The Virginia Museum of Transportation and the C&O Historical Society jointly present a new exhibit exploring the pinnacle of American steam technology: the two “J Class” 4-8-4 passenger locomotives, the N&W 611 and the C&O 614. The 614, the last commercially manufactured 4-8-4, has not been available for public viewing in a decade. We gratefully acknowledge the Greenbrier Express Company for the loan of the 614 and Norfolk Southern Corporation for the movement of the locomotive. The engine is scheduled to be moved from the Museum to the C&O Heritage Center in Clifton Forge, VA on or about April 30. Updates will be posted as the move date becomes known.

これによると、チェサピーク・アンド・オハイオ(C&O)のクラスJ-3a(4-8-4)の614号機をC&O Heritage Centerに移動する途中で、VMTに立ち寄り、2月12日から4月末の間、N&WのクラスJの611号機と並べて展示するとのことです。

実物の話を書きだすと長くなりそうなのと、資料調べが大変なので、ポイントだけに絞ると、まずC&Oの614号機は、3グループ製造されたC&Oの4-8-4のうち、1948年に製造された最後のグループの一台です。Ross Rowland氏の手によって動態に復活後、Excursionに活躍したり、ACE 3000プロジェクトの実験データ採取に使われたしていましたが、ここ10年は静態保存状態にありました。

N&Wの611号機は、1950年にN&WのRoanoke工場で製造されたクラスJの最終グループの一台です。こちらも一時期、1218号機ともども動態に復活し、Excursionに活躍していましたが、1995年にそのプログラムが突然打ち切られ、その後VMTで静態保存されています。

いずれの機関車も、車軸は言うに及ばず、ロッドにローラーベアリングを備えるなど、当時の最新技術が導入された、蒸気機関車の最終進化形と言うべきもので、今回の展示も「Thoroughbreds of Steam」と銘打っています。

さて、今回の企画は、VMTとC&O Historical Societyとが共同して行うもので、移動費用は、ノーフォーク・サザンが負担するようです。皆、粋なことをするなぁ、と唸ってしまいました。

この件は、VMTのある - というよりN&Wの自社工場のあったと言うべきでしょう - Roanokeで発行されている地元紙のRoanoke Timesでも紹介されています。まず2010年12月19日付け記事には、614を迎え入れるこの準備のために、1218号機を少し後方に動かすとあります。

2011年1月21日付け記事は、1月20日に614号機がVMTに到着したことを報じています。いろいろと面白いことが書かれているのですが、上を踏まえて、「1218号機に席を譲るような機関車は世界に何台もないだろう、その一台がC&Oの614号機である」と言う書きだして始まっているのが印象的です。

さて、Youtubeを検索してみると、この移動の様子がアップロードされていました。何本かあるうち、一番充実していると思われるビデオを紹介します。すべて夜の撮影ですが、Norfolk and Southernの忙しい本線の運用の合間を縫って移動したのだと思われます。

このほか、railpictures.netにも写真がアップロードされています。例えば、
http://www.railpictures.net/viewphoto.php?id=351534
とか、
http://www.railpictures.net/viewphoto.php?id=351688
とか。

[2011年2月5日追記]
VMTに到着した様子が下記にあります。
http://www.railpictures.net/viewphoto.php?id=353502
この方の撮影された614を中心とした写真がスライドショーとなっています。
[追記ここまで]

この2台が一度に見られるというのは、またとないチャンスですね。休暇を取ってでも見に行こうかと、グラっと来ています。

O-Scale Meet 2010参加録-目次

だらだらと続けてきたO Scale Meet 2010参加記ですが、ここまでとしたいと思います。これだけ時間のかかったことに反省しきりです。

さて、O-Scale Westでかいま見る、カリフォルニアでのこの趣味のあり方には、いつも感心するのですが、それとはまた方向性の異なる、シカゴという街におけるこの趣味の奥の深さが印象に残りました。まだまだ見ていないものが多数あるような気がします。機会をつくって、じっくりと訪れてみたいと思います。

以下、目次をつけておきます。

■ Chicago Museum of Science and Industryでは、Pioneer Zephyrと、NYCの999とが印象に残りました。
Chicago Museum of Science and Industry訪問 (1)
Chicago Museum of Science and Industry訪問 (2)
Chicago Museum of Science and Industry訪問 (3)
Chicago Museum of Science and Industry訪問 (4)

■ ヘンリー・フォード博物館では、C&OのH-8(アレゲニー)の迫力に圧倒されました。同時に、博物館として歴史を記録するとはいかにあるべきか、という見本を見せられたように思います。
ヘンリー・フォード博物館(Henry Ford Museum)を訪問 (1)
ヘンリー・フォード博物館(Henry Ford Museum)を訪問 (2)
ヘンリー・フォード博物館(Henry Ford Museum)を訪問 (3)

■ Dick Tomlinson氏のレイアウトでは、独自のアイディアでウォークアラウンドシステムを実現しているということが印象に残っています。
Dick Tomlinson氏のレイアウトを訪問 (1)
Dick Tomlinson氏のレイアウトを訪問 (2)
Dick Tomlinson氏のレイアウトを訪問 (3)

■ Detroit Model Rairoad Clubでは、75年という歴史の長いクラブであるだけでなく、絶えずレイアウトが進化していることが素晴らしいと思いました。若い人に、この趣味にどう興味を持ってもらうか、という取り組みも印象的でした。
Detroit Model Railroad Clubを訪問 (1)
Detroit Model Railroad Clubを訪問 (2)
Detroit Model Railroad Clubを訪問 (3)
Detroit Model Railroad Clubを訪問 (4)

■ Chi Town Union Stationは、その規模に、そしてそれが個人の所有であるということに圧倒されました。ただ、あまりに一般庶民の感覚とはかけ離れていた、というのが正直なところです。
Chi Town Union Stationを訪問 (1)
Chi Town Union Stationを訪問 (2)
Chi Town Union Stationを訪問 (3)

■ Rochelleでは、UPとBNSFとの複線の平面交差を見ることができました。
Rochelleへ (1)
Rochelleへ (2)
Rochelleへ (3)
Rochelleへ (4)

■ Illinois Railway Museumは、その収蔵品に圧倒されました。半日ではとてもじっくり見ることのできない量です。
Illinois Railway Museumを訪問 (1)
Illinois Railway Museumを訪問 (2)
Illinois Railway Museumを訪問 (3)
Illinois Railway Museumを訪問 (4)
Illinois Railway Museumを訪問 (5)
Illinois Railway Museumを訪問 (6)
Illinois Railway Museumを訪問 (7)
Illinois Railway Museumを訪問 (8)
Illinois Railway Museumを訪問 (9)
Illinois Railway Museumを訪問 (10)
Illinois Railway Museumを訪問 (11)
Illinois Railway Museumを訪問 (12)
Illinois Railway Museumを訪問 (13)
Illinois Railway Museumを訪問 (14)

■ O-Scale Meetの会場では、色々な人に会うことができたのが楽しかったですね。
O-Scale Meet 2010に参加

■ George Kanary氏のレイアウトは、今回一番印象に残りました。レイアウトはいかにあるべきか、という一つのあり方を見せられたように思います。
George Kanary氏のレイアウトを訪問 (1)
George Kanary氏のレイアウトを訪問 (2)
George Kanary氏のレイアウトを訪問 (3)
George Kanary氏のレイアウトを訪問 (4)

■ Paul Batler氏のレイアウトでは、C&O、N&W、PRRなどの大型蒸気の活躍する様が印象に残りました。
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (1)
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (2)
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (3)
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (4)
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (5)
Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (6)

Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (5)

このほか、印象に残ったシーナリー、ストラクチャーを紹介してみます。

これは、レイアウトの端にあった、炭鉱です。前にも書いたことがありますが、この炭鉱というモチーフはアメリカでは人気が高いようで、数多くのレイアウトで見ることができます。

[2011年1月31日追記: railtruckさんから、この炭坑は、
http://www.master-creations.com/coalmast.htm
のキットであると教えていただきました。]

これは、初回に紹介した機関庫の近くにあった、ディーゼル用の給油設備です。ちょうどLackawanaのFシリーズが停止していました。

これは石油タンクです。

PFE(Pacific Fruit Express)のような、氷を積み込む施設が作られています。

これは、氷を積み込んでいる様子です。これもレイアウトのモチーフとして人気があるのですね。

Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (3)

Paul Batler氏のレイアウトの中央には、かなり大きな規模の駅が配置されています。

駅の全景を写してみました。機関車を含めて10両近く置けるスペースとなっています。

反対の位置から逆方向で写してみました。

これは駅舎です。

前回似たような写真をお見せしましたが、N&WのJです。後ろに従えている客車は、Powhatan Arrowという設定なのでしょう。

近郊を結ぶ路線の駅もあります。記憶が定かではないのですが、地下鉄だったかもしれません。ホームの屋根の上に、”Buy War Bonds”とあるのが、何ともいえませんね。隣の青い建物は、長距離バスのGreyhoundのステーションです。

Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (2)

Paul Batler氏のレイアウトには、前回紹介した以外にも、様々な機関車をみることができました。

これは、本線上を走行するC&O J-3aです。今回訪問したときは、この機関車が主役で本線上を走行していました。

レイアウトの中央に鎮座している駅に止まっているN&WのJです。

同じく駅に止まっていた入れ替え用のCamel Backです。

レイアウトの端のほうに、Coal Mineが置かれていたのですが、その近くに停まっていたC&OのH-6です。

これは単に置いてあっただけですが、PennsylvaniaのCentipedeです。つい最近、Broadway LimitedがHOで製品を出したということで、目にとまったというのもありますが、やはり大きな機関車で、迫力満点でした。

もう一枚Centipedeの写真です。

Chicagoという土地柄もあり、O-Scale Westのレイアウトツアーでほとんど必ず見るSPとかUPとかは一切登場しません。考えてみればあたりまえですが、やはりアメリカは広いですね。

Paul Batler氏のレイアウトを訪問 (1)

O Scale Meet 2010のレイアウトツアーで訪問した最後に訪れたのは、Paul Batler氏のレイアウトです。こちらも既にdda40xさんのblogで紹介されていますので、まずは以下の記事をご覧ください。

Paul Batler氏のレイアウトを訪ねて
続 Paul Batler氏のレイアウトを訪ねて
続々 Paul Batler氏のレイアウトを訪ねて
続々々 Paul Batler氏のレイアウトを訪ねて

このレイアウトは、個人所有のものとしては大きなもので、PRR、C&O、N&Wなどの黄金時代の蒸気機関車の活躍が活躍する舞台が再現されていて、これも印象深いレイアウトでした。
地下室のレイアウトに入って、まず目に入ってきたのは、大型の蒸気が置かれた機関庫です。左からPRRのQ-2、T-1が見えます。一番右の機関車は、DM&IRのYellowstoneだったと記憶しています。人形も効果的に配置されています。
上の写真を別の角度で撮ったものです。

 

この後、DM&IRのYellowstoneを転車台で別の線に動かしていただきました。

 

DM&IRのYellowstoneを動かした後、機関庫を別の角度から撮ってみました。

機関庫から少し離れた所には、C&OのH-8が停まっていました。

 

もう少し先には、Coaling Stationが配置されていました。

 

そのCoaling Stationの近くには、機関庫に停まっていたのとは別のPRR T-1が停まっていました。

 

同じく、Coaling Stationの近くには、N&WのY-6とS-1とが停まっていました。

 

これは、上記のY-6を反対側から撮ったものです。