月別アーカイブ: 2008年8月

UPの特別列車 (3)

さて、UPの特別列車の紹介の3回目です。今回は、列車の最後尾に連結されたインスペクション・カーが中心となります。はて、インスペクション・カーって何だったっけ?と思って、アメリカ型鉄道模型大辞典を読み返してみました。

巡察車と訳される。
古くは蒸気機関車のボイラー上に小屋をつくったりしたが、後に自動車を改造したものやRDCを改造して視界をよくしたものが作られた。これらはレイアウト上のアクセントとなる小車両である。
現在のインスペクション・カーには客車を改造し妻板を一枚ガラスにして、その後ろに座席を少しずつ高くなるよう配置したものがある。これをstadium-style seatingという。

とあります。この「現在のインスペクション・カーには」以下に書かれているとおりの車両となっています。

こちらにもMen At Workという標識が置かれています。前と後ろとではさむことになっているんでしょうか。

Men at Work

残念ながら、シャッターが閉められた状態にありますが、この最後尾は「妻板を一枚ガラスに」なっているものと思われます。

Union Pacific passenger cars

少しわかりにくいかも知れませんが、最後尾から真ん中に向かって、4枚の窓の底辺が少しずつあがっているのがわかるでしょうか。これが、「stadium-style seating」のことと思われます。

IMG_9976.jpg

なお、写真の著作権は、撮影者のHenry Wagner氏に属しますので、更なる転載等はご遠慮ください。(All the photographs are copyrighted by Henry Wagner.)

UPの特別列車 (2)

UPの特別列車の紹介の2回目として、車両の写真を紹介します。

なんでも、「車両の状態は非常に良く、内装も見事だった、内装の壁面はすべて木で、装飾もすばらしく、さらにはフラットパネルテレビまで装備されていた」とのことです。

ビジネスカーSHOSHONEについては、UPのホームページの「現在も使用中の歴史的な車両(Historical Equipment Still in Use)」というページの中に説明文が出ています。これを引用させていただくと、

The Shoshone was built by Pullman Standard in 1914 as business car No. 99 for then Union Pacific Railroad Chairman Robert Lovett. It was renumbered No. 106 in June 1952, and named Shoshone in 1978. It was donated to the California State Railroad Museum in 1985. Shoshone was loaned back to Union Pacific in 1992 in exchange for business car No. 103.

Shoshoneは1914年にプルマン・スタンダードによって、UPのチェアマンであったRobert Lovettのビジネスカー99号車として作られた。その後1952年に106に改番され、1978年にShoshoneと名づけられた。1985年にカリフォルニア鉄道博物館に寄贈されたが、1992年にビジネスカー103と引き換えにUPに貸し出されている。

とあります。

90年以上前の車両がこれだけの状態を保ちつつ、今なお現役で使われているというのは素晴らしいですね。

Union Pacific

Union Pacific - Portola

UP passenger car Shoshone

UP rear platform observation cars

Observation platforms

Union Pacific - Portola

All aboard!

なお、写真の著作権は、撮影者のHenry Wagner氏に属しますので、更なる転載等はご遠慮ください。 (All the photographs are copyrighted by Henry Wagner).

UPの特別列車 (1)

少し前になりますが、6月9日に、UPの15両の特別列車が、サンフランシスコの対岸のオークランドで一夜を明かしたとのことで、たまたまそばの公園に遊びに行っていたクラブのメンバーが写真を撮っていました。写真の転載の許可をもらいましたので3回に分けて紹介します。

実はこの列車のことはあまり情報がなく、件のメンバーによれば、「今回は(ロサンゼルスの近くの)ロングビーチからネバダに向かい」、「UPの幹部が乗っていた」というようなことらしいのですが、それ以上詳しいことはわかっていません。ちなみに、この客車はオマハを基地としていているとのことです。

まぁ、列車運行の目的は直接われわれに関係あるような話ではないので、とりあえず横においておくとして、撮影場所はオークランドのmiddle harbor shoreline parkという場所で、ちょうど7th Streetに沿った海岸線沿いの線路に停められたようで、いくつかの写真は右下の公園から狙ったようなものがあります。

この特別列車の先頭です。”Men at Work — occupied camp car”という標識がアクセントとなっていいですね。

Men at Work

牽引していたのは、最新型のC45ACCTE(ES44AC)であるUP7880です。もう一台UP7750と2両で牽引に当たっていたとのことです。

Lead locomotive

これは列車の全景です。左のほうに橋がくっきり見えますが、これはサンフランシスコとオークランド/バークレーをつなぐベイブリッジです。

UP passenger train with Bay Bridge in the distance

少し変わった角度からの全景。

IMG_9984.jpg

もう一枚。右側にオークランド港のクレーン(?)が見えます。

Union Pacific passenger cars along San Francisco Bay

少しクローズアップ。

Union Pacific - Lone Star

もう一枚。

Shiny UP passenger varnish

さらにクローズアップ。

IMG_9977.jpg

なお、写真の著作権は、撮影者のHenry Wagner氏に属しますので、更なる転載等はご遠慮ください。(All the photographs are copyrighted by Henry Wagner.)

カリフォルニア鉄道博物館に保存されているAT&SF2925

ワークスKさんのカリフォルニア州鉄道博物館(7)という記事の中に、旧サザンパシフィック鉄道のサクラメント工場跡の写真の機関車という記述があります。

すでにワークスKさんのBlogに、以下のようにコメントさせていただきました。

これはテンダーの形からしてSanta Feの4-8-4(2925)か2-10-4(5021)のどちらかに間違いないと思います。いずれもWikipediaのCalifornia State Railroad Museumの保管車両のリストに”Stored”となっています。この2形式は下回りを除いては共通設計が多く、拡大した部分の右側を見てもらうと、ほぼ同一の形状をした機関車が転がっています。

さて、私もこの博物館に何回か行ったのですが、博物館から北のほうに川沿いに少し歩いて、ちょうどこの機関車が真横に見えるあたりまで行ったことがあります。その時にじっと目を凝らして見た時は、29xxと読めたような気がします。ということで、私の視力と記憶とが正しければ、ワークスKさんが拡大されたほうが2925、その右にあるのが5021ということになるかと思われます。

ということで、ひょっとしたら、と思って探してみたら、この写真を撮っていました。もともと自己満足の記録としてとったものである上、かなりの距離をコンパクトカメラでいっぱいにズームして撮ったものですから、証拠写真としての価値さえあるかどうか、というところですが、こんなところから写真を撮る物好きも私以外にはいないでしょうから、恥ずかしながら紹介させていただきます。

下に拡大したイメージを載せておきますが、「2925」という文字を読み取ることができます。絶妙な位置で撮ってしまったので、だまし絵のようになってしまいましたが、2925は先頭が左のほうを向いて置かれています。その先に2-10-4(5021)が先頭を右に向けて置かれています。

5021はボイラーのラギングがはずされ、ボイラーがむき出しになっています。2925も似たような状態なのでしょう。カリフォルニアの気候では、保存条件は日本よりは良いとはいえ、何年も野ざらしが続いているのでしょうから、保存状態としては決して良いとは思えません。修復して良い状態で保存して欲しいと思うのは私だけではないと思います。

[2012/4/7追記: 上記ワークスKさんのページにもコメントしましたが、その後この機関車は、博物館の南1マイルあたりに移動したということです。下記にGoogle Mapsを貼り付けておきます。]


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[2018/5/6追記: その後、この機関車はOld Sacramentに移動し、現在は塗装しなおされ、綺麗な状態で保存されているとのことです。]

サーカス・トレイン

数日前に、クラブのメーリングリストに、カリフォルニアのキャンベル(Campbell)市にRingling Bros. and Barnum & Bailey(以下、RBBB)サーカスのサーカストレインが止まっているとの情報が流れていました。

あまり気にも留めずいたのですが、読み返してみると、

It is in segments from 85 and winchester blvd with 3 UP engines there up to San Thomas Expwy and Flat cars.

とあり、待てよこれはよく車で走っていた近くだぞ、相当距離があるんじゃないかと思いつつ、Google Mapsで位置関係を調べると、果たしてこの2点間は1.1マイルほどあります。途中の踏み切りを避けるべく、何分割かされて留置されていることを差し引いても、列車の全長は1マイル近くあることになります。第一、UPの機関車が3両で牽引しているというだけで、相当の規模の列車になることがわかります。

サーカストレインといえば、私が米国型に手を染めたころ、ウォルサーズだったと思うのですが、昔のサーカストレインの製品を出したのが記憶に残っています。とれいん誌の製品紹介に出ていた記憶があるのですが、残念ながら見つけることができませんでした。それはともかく、この製品は過去のサーカストレインの「楽しさ」を押し出した製品だったとの印象があり、今でもサーカストレインというものが存在するということ、さらにそれが相当大規模であるということを知って、勉強不足であると痛感しました。

Wikipediaでサーカストレインを調べてみると、RBBBサーカスの前身の1つであるP.T. Barnumサーカスが、大規模興行を効率的に行うために1872年に列車で移動するようにしたのが始まりとあります。60両編成で、うち45両くらいがフラットカーであったとありますので、この当時からかなり大きな編成だったのですね。当初ペンシルバニア鉄道のフラットカーを使用したが、ボロかった(in poor shape)だったので、このサーカス会社が自分たちで専用のフラットカーを購入したともあります。

その後、サーカス会社の合併吸収で、RBBBという会社に集約され、現在Blue TrainとRed Trainという2つのサーカストレインが運行されていて、出演者、動物の飼育係の居住用の車両、猛獣など動物を運送するための特別なストックカー、その他サーカス用の各種の備品や車などをフラットカーから構成されていて、1マイル以上になるとあります。

実際に見てみるほうが早いと思って、Youtubeを検索してみましたが、数多くのビデオクリップがアップロードされています。60両くらいの長大編成が通過する様は壮観です。Pentexからもいくつかビデオが出ているようです。

ちなみに、RBBBサーカスは8月24日までサンノゼで公演をやっており、それが終わるまで上記の場所に留置されているようです。その後、一旦北上してワシントン州に行き、一旦カリフォルニアに戻り、ユタ、コロラド、オクラホマと回ってゆくようです。

[2012/4/7追記:Google Mapsを埋め込みました]


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Randgust社のガレージキット(3)


Randgust社のガレージキットの紹介の続きです。今回は最新作のGE-70トンのスイッチャーです。

製品の紹介がいきなり”Ta-Dah(ジャジャーン)”という書き出しで始まり、”1年かかったけれど、ようやくここまで来た”と続いています。さらに、”自分の知る限り、NゲージでこのGE-70トンスイッチャーが生産されたのははじめてである”とあり、Randyさんの意気込みがうかがえます。

キットは、
1) KATOの11-105、11-106、もしくは11-107用の延長シャシー
2) レジンのフードとキャブ(別部品で構成)
3) キャブに入れるウェイト – DCCデコーダにあわせて3種類を用意
4) 煙突、GE-スタイルの台車枠
5) 燃料タンク – レジンのみ、メタルのみ、レジンとメタルの組み合わせの3種類から選択可能(料金が異なる)
からなり、さらに
6) 初めての試みとして、ハンドレールなどをエッチングの部品として用意した、
とあります。くどくど説明するよりは写真を見てもらったほうがいいですね。

これはエッチングバーツ

これはレジンとメタルのパーツ

これが組み立てた様子

この内容で$59.00(+税、送料など)となります。このキットは人気が高かったのか、今年の春に生産した分はすべて売り切れたようで、秋の生産分の予約を受け付けているとのことです。

この機関車の走行の様子もYoutubeにアップロードされています。他にも、このキットを組み立ててKATOのDaylightフル編成(?)を牽引させている様子もアップロードされています。

注)写真の著作権はすべてRandyさんに属しており、許可をもらって転載したものです。