月別アーカイブ: 2009年9月

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (9) – ウェザリング

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの9ページめの Weathering を訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月7日に作成されました。


ウェザリング

すべての部品を塗装した後、機関車にウェザリングを施す段階となった。私はBragdon[訳注: サイトはこちら – http://www.bragdonent.com/]のパウダーをウェザリングによく使うのだが、下の写真を見ればわかるとおり、この機関車に関しては、エアブラシ、ウォッシング、そしてドライブラシの組み合わせを使った。

写真をお見せする前に、ロッドとバルブギアのウェザリング技法についてお話したい。これらの部品はメッキされており、そのままの状態では非現実的なまでに綺麗でピカピカしている。すべてを分解した際、私はこれらのメッキ部品のすべてにダルコート(Dullcoat)を吹いた。この結果、これらの部品は、非現実的なぴかぴかではなく、汚れていない鉄に見えるようになった。現実の世界では、ロッドは汚れていない状態からは程遠く、これは最初のステップにしかすぎない。

ダルコート(Dullcoat)が乾いた後、ポリスケール(Polly Scale)社の埃っぽい黒(Grimy Bkack)を薄めた塗料によるウォッシングに進んだ。望ましい効果が得られるまで、ウォッシュによるコーティングを繰り返した。この結果、ロッドは汚れたように見えるようになったものの、まだ汚れが一様すぎた。そこで、模型をすべて組み立てた後、最後のステップを行った。モータを組み付け、車輪が回転している状態で、ポリスケールの泥(Dirt)色を薄めたものを、車輪と機関車の下部に吹き付けた。ここでも、塗料は非常に薄くしておき、私が望んだ効果が得られるまで、機関車の下部に何回も吹き付けを繰り返した。

これは、ロッドへのウェザリングの効果を示す写真である。

煙突からのすすを表現するために、ボイラーの上の部分にエンジンブラックを軽く吹いた。すすが上から下へ流れてゆくことを表現するために、煙室の上部からボイラーの両側に下りていくように続けた。

次の写真は、ボイラーの水垢の効果を示すものである。

水垢がこびりついたものは、フロックィルのグレイ・プライマー(Gray Primer)の細い線で表現した。ボイラーを伝ってゆく蒸気と水垢を表現するために、縦方向に吹き付けた。

次のこの写真は、軽い水垢の効果を表現したものである。キャブのレタリングを少し汚す、ちょっとした塗りかさねに注目して欲しい。

これは、テンダーへのウェザリングの効果を示す写真である。

水垢のたまったもの、汚れた台車、そしてさびたリレーラーに注目して欲しい。

さて、ずいぶんと待たせてしまったが、いよいよ完成した模型の写真を見せる時が来た。


SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (8) – テンダーのレストア

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの8ページめのRestoring the Tenderを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月4日に作成されました。


テンダーのレストア

P-10の模型に最初に付いていたテンダーは、オイルバンカーが延長されたC-120-8クラスのものであった。その生涯のどこかで、この模型のテンダーは、2467号機にふさわしいC-120-3に交換されていた。塗装をやり直す必要がある以外は、テンダーはかなり良い状態にある。

これは、テンダーのもとの状態を示す写真である:

テンダーによくある問題は、台車のボルスタまわりの集電不良である。このまわりの真鍮は酸化され、通電が断続的になる。この問題を修正するために、私はボルスタの接点の周りと、ドローバーピンとを銀メッキした。

以下は、銀メッキをする前後のボルスタのまわりを示す写真である:

次に、Jascoの剥離材を使って塗装を剥離した。その後、サンドブラストをかけ、真鍮を綺麗にし、塗膜の最後の残りを取り除いた。

これは、テンダーの塗装を剥離した後の写真である。

テンダーは、フロックィルのウェザードブラック2に対してエンジンブラックを1混ぜたもので塗りなおした。ボイラーと同じく、レタリングの準備のために、グロスコートを塗った。

これは、つやのある塗装の状態でレタリングを施したテンダーである。

レタリングが完了した後、テスターのダルコートを軽く何回か吹き、塗装のつやを抑えた。これでテンダーのウェザリングの準備ができた。

車輪をNWSLから出ている洋白の車輪で置き換え、テンダーのレストアを完了した。


補足:
・上記で銀メッキの話が出ていますが、Mark Schutzer氏のウェブサイトのクリニックのスライド39には、次のような道具が紹介されています。
Plug N’ Plate Brush Plating Systems
もう一つスライド40に紹介されている道具は、記載のURLを探してみましたが、見つかりませんでした。
JNT BRUSH-PLATING and DIP-COTING KITS

 

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (7) – 主台枠と車輪との塗装

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの7ページめのPainting the Frame and Wheelsを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月7日に作成されました。


主台枠と車輪とを塗装する

駆動系を改修し、線路上で試験を行ったので、すべての走り装置を分解して塗装する段階となった。フレームから塗料を剥すという面倒なことは、ここまでやっていなかったので、これが次のステップとなった。

私はすべてのものを分解し、車輪以外のすべてのものを、Jascoの塗装剥離材の中につけた。車輪は、ラッカーシンナーにごく短時間漬け、古い塗装をこすり落とした。フレームと他の真鍮のパーツにサンドブラストをかけ、すべてのものをきれいに仕上げた。

すべてのパーツを適切にマスキングした後、黒の塗料を混ぜたもの[訳注:ボイラーの塗装の時と同じく、フロックィルのウェザードブラック2に対してエンジンブラック1を混ぜたものということと思われます]でエアブラシで吹き付けた。焼き付けた後、ダルコート(Dullcoat)を軽く何回か吹いた。

私はこのプロセスのすべての段階を追った写真を撮ったわけではなく、以下は塗装が終わった後で撮影した主要なパーツの写真である。この時点では、既に動輪を主台枠に組み込んでいる。

塗装の固定用治具として使っている爪楊枝と真鍮の棒に注目して欲しい。これらの治具は、一旦塗装を始めた後に、パーツを触る必要のないように使っているものである。これらを使うことで、手の油が塗装面に付着しないようにするとともに、乾燥していない、やわらかい塗膜に指紋がつくのを防ぐことができる。

これは、組み立て直した主台枠と走り装置の写真である。


SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (6) – ボイラーの塗装

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの6ページめのPainting the Boilerを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月3日に作成されました。


ボイラーを塗装する

ボイラーの修理が完了したら、次のステップは塗装である。元の機関車に対して、数多くの修正を施したので、塗装する前に数多くの穴をふさぐ必要があった。白パテで穴をふさいだ後、この作業の質を確認するために、ボイラーにプライマーを吹き付けた。必要なところは、紙やすりで磨いてもう少しパテを盛り、そこにプライマーを部分的に少しだけ吹き付けた。穴をふさいだ部分がわからないようになるまで、このプロセスを繰り返した。

以下は、プライマーを塗ったボイラーの状態を示す写真である。

次のステップは、火室と煙室の部分を、メタリックの色で塗ることであった、過去のプロジェクトでは、テスター(Testor)[訳注: サイトはこちら – http://www.testors.com/category/133656/Testors]のBurnt Metal(焼けた金属)というメタリックの塗料を、機関車の熱くなる金属の部分を表現するために使用した。しかし、この塗料は、マスキングをすると簡単にはがれてしまい、扱いにくい。このプロジェクトでは、Alcad IIという塗料の話を聞いた後だったので、この新しい塗料を使うことにした。これは、ラッカー系の金属ペイントであり、マスキングができ、下塗りが不要とうたっている。

私は、鉄色(steel)を使って、まず火室と煙室との吹きつけ塗装を行った。次に、マイクロマスク(Micromask)[訳注:これはMicroscale社が出している、液状のマスキング用の材料です。日本では商品名マスキングゾルとして売られているものと同等のものと思われます。]とマスキングテープとを組み合わせて、これらの部分をマスキングした。それから私はフロックィル(Froquil)[訳注: サイトはこちら – http://www.testors.com/category/133504/Floquil]のウェザードブラック(Weathered Black)2に対してエンジンブラック(Engine Black)1を混ぜたものでボイラーの残りの部分を吹きつけ塗装した。その後”warm”に設定したオーブンの中にボイラーを12時間置き、塗料を焼き付けた。乾燥後、キャブの窓のサッシとインジェクターとをカブースレッド(Caboose Red)で手塗りした。窓の肘掛は、コーチグリーン(Coach Green)で手塗りした。すべてが乾燥した後、デカールを貼る準備として、ボイラー全体にテスターのグロスコート(Glosscoat)を軽く数回吹いた。

これは、デカールを貼り付けた後の、ピカピカしているる状態のボイラーの写真である。

レタリングは、San Juan Decal社[訳注: サイトはこちら – http://www.sanjuancarco.com/sanjuandecals/]のサザンパシフィックの蒸気機関車用のデカールのセットを使っている。レタリングを施した後、デカールを定着させ、ボイラーの光沢を抑えるために、テスターのダルコート(Dullcoat)を軽く何回か吹いた。

以下は、ダルコートを吹いた後の写真である。

同じ黒でも、塗料のつやの違いだけによって、ずいぶんと違って見えるということに注目して欲しい。

これは、キャブのレタリングのクローズアップである。


補足:

Alcad IIというのは、自動車(特にエンジン)や、飛行機や自動車のエンジンのメタリックの表現が良いということで、プ

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (5) – 駆動系の改修

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの5ページめのRebuilding the drivelineを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年8月28日に作成されました。


駆動系の換装

この模型は1965年に製造されたので、棒型モーターが取り付けられており、取替えが必要であった。よくあるように、固くなったプラスチックのチューブが、モーターと、カツミ製のギアボックスとをつないでいた。これらのすべてを、NWSL[訳注: Webサイトはこちら http://www.nwsl.com]が出しているパーツで置き換え、新しいユニバーサルジョイントを取り付ける。

まずは、もとの駆動系の写真を載せておく:

置換え用のパーツとして選んだのは、NWSLの20mm×30mmのモーターと、28:1のアイドラー無しのギアボックスである。主台枠の中には十分な空間があるため、モジュール0.4の、カツミ製のものよりも大きなギアボックスを、簡単に搭載できる。しかし、バルブギアハンガーのブラケットに接触しないようにするために、ギアボックスの上の角を、少しやすって削る必要があった。

新しいモーターは筒型であり、機関車の主台枠に搭載するには、台が必要である。3/8インチ(9.525mm)×1/2インチ(12.7mm)の真鍮のブロックを、3/4インチ(19.05mm)のボールエンドミルで削って、モーター台を作成した。底に穴をあけ、ネジを切り、もとのモーター固定用のネジを使ってこの台がマウントできるようにした。モーターを台に固定する際、シリコンのゴムを使った。マウント用の穴が上を向くように、モーターを設置した。

これは、私が作った新しいモーターの台の写真である。

私のほかの記事をお読みになったことがあれば、モーターとギアボックスをつなぐのに、ユニバーサルジョイントとトルクアームを使うのが好きであることをご存知であろう。

0.016インチ(0.4064mm)厚[訳注: 原文は0.16インチとなっていますが、0.016インチの誤りと思われます。]の真鍮板から、トルクアームを作った。トルクアームの幅は約0.2インチ(5.08mm)であり、長さは現物合わせで決めた。ギアボックス側には、1.4mmの穴を0.1(2.54mm)インチ幅で2つあけた。これらの穴に合うように、ギアボックスの上に穴を2つあけた。あらかじめタップが切られたモーターの穴に合うように、トルクアームのモーター側に0.1インチ(2.54mm)の穴をあけた。次に私は、内径0.81インチ(2.0574mm)、外径0.097インチ(2.4638mm)の小さなワッシャー状のブッシュを作った。ブッシュの厚さは、0.20インチ(5.08mm)である。このブッシュを、トルクアームの0.1インチ(2.54mm)の穴に嵌め、2ミリのネジでモーターにしっかり固定した。このブッシュは、ネジをしっかり締め付けても、トルクアームが回転するように、設計されている。以前は、段のついたネジを使っていたが、ブッシュのほうが旋盤で作成するのが簡単であり、普通のネジを使うことができる。トルクアームのモータ側は、機関車がカーブを曲がるときに、ギヤボックスが左右動できるように、マウントした位置を中心に回転できるようになっていなければならない。

以下、改修した駆動系の写真を何枚か掲載する。
 

もとのプラスチックのチューブを、NWSLのユニバーサルジョイントで置き換えた。ユニバーサルジョイントは、ギヤボックスの自然な動きを妨げることなく、回転力を伝達することができる。

線路上でのテスト

ここまでの作業が終了した時点で、機関車を線路に置き、新しい駆動系が問題なく走行することを確認した。通常、私は、クォータリングまで含めてすべてをチェックするのであるが、これらの作業は今回の駆動系の改良の前に済ませていた。もしもこれらのステップに興味があれば、私の”Troubleshooting Brass Locomotives”のクリニックのスライドを見て欲しい[訳注: このクリニックは、ここからアクセス可能です。クォータリングの話は、スライド20~23にあります。]。この中にこの機関車が取り上げられている。

新しいモーターとギヤボックスは、低速での発進の性能を大幅に向上させただけでなく、古いギヤボックスで発生していたノイズが消えた。上の写真を見ればわかるように、私はDCCデコーダ(NCE N14SR)を同時に搭載した。

参考までに、この駆動系の構築に使ったパーツをすべてリストアップしておく。

* NWSL 20324-9 20mm x 32mm モーター
* NWSL 241-6 0.4 mod 28:1 ギアボックス
* NWSL 482-6 ユニバーサルジョイント
* NWSL 21142-5 1.4 x 2mm x 0.3 ネジ (ギアボックス側のトルクアーム固定用)
* NWSL 1203-5 2.0 x 3mm x 0.4 ネジ (モーター側のトルクアーム固定用)
* 3/8”(9.525mm) x 1/2″(12.7mm) 真鍮の角材(モーターの台)
* .016”(4.064mm) 真鍮板 (トルクアーム)


補足:

・訳では「棒型モータ」としましたが、英語では”Open Frame Motor”と言うのが通例です。日本語ではモーター全体の形状で棒型と呼ぶのだと思いますが、英語では、”枠(Frame)”に”開放部分がある(Open)”、つまり枠が密閉されていない状態にある、ということでこのような言い方をするのだと思います。

・Mark Schutzer氏の作例で残念なところは、ユニバーサルジョイントの使い方が誤っているところです。すでに本人には指摘済みです。

私が解説するよりは、dda40xさんのBlogに詳しく解説されていますので、ぜひご覧になってください。

等速でつなぐ
再度 ユニヴァーサル・ジョイント
続 再度 ユニヴァーサル・ジョイント

上記には、「アメリカのNWSL製のものは正しい配置になっている。」とあり、取扱説明書にも確かにそのようになっているので、Mark Schutzer氏がなぜこのようなことをしたか、理解に苦しむところではあります。アメリカで最も有名な模型店と言われる、デンバーのCaboosehobbiesが出していブラス機関車の取り扱いに関する技法の紹介記事の中に、「I strongly recommend that these be mounted so that the ears are offset 90 degrees from each other. The ears on the U-Joint balls should NOT be parallel to each other.」というようなくだりがありますので、こんなところが影響していたりするのでしょうか。

・この記事で紹介されているトルクアームは、主台枠とモーターとの位置関係が固定され、モーターとギヤボックスとの位置関係にギヤボックスの左右動の自由度があるのですが、本来的には、モーターとギヤボックスの位置関係を固定し、これらと主台枠との間に位置関係の自由度を持たせるのがあるべき姿だと理解しています。

トルクアームについての解説もdda40xさんのBlogにあります。
トルクアーム

・ここまで触れると、ギヤボックスのギヤ比について触れておく必要があるでしょうか。ギヤボックスは簡単には自作できないので、この場合はどうしようもないのでしょうが、ギヤ比の歯数は「互いに素」でなければならない、というのがdda40xさんのBlogに書かれています。

互いに素

・最後に一言。いろいろ書きましたが、ここで使われているNWSLのパーツ類はロングセラーです。このことは、米国では、駆動系の改修を行っている人が少なからず存在している、ということを示唆していると思います。

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (4) – パイロットの修正

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの4ページめのModifying the Pilotを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2005年8月28日に作成されました。


パイロットを修正する。

このP-10の模型には、初期のサザン・パシフィックに特有の、パイプ型のパイロットが取り付けられていた。2467号機は、50年代までには、金属をプレスした一体型のパイロットを備えているようになっていた。このディテールを修正するために、パイロットを分解し、プレシジョンスケールが出している、金属をプレスしたタイプのパイロットのロストワックス部品に交換した。

以下、パイロットの交換前後の写真を掲載する。

シリンダーのディテールアップ

以下は、蒸気機関の上部の、ブロワーバルブとブリードバルブのディテールとを比較したものである。この写真は、模型を塗装した後で撮影したため、作業した順番とはちょっとずれている。塗装については後でもっと述べる・・・

修理の完了したボイラー

以下の写真は、修理が完了したボイラーを、現在の機関車と比べたものである。

機関助士の側から見たもの:


ここをクリックすれば、拡大写真を見ることができる。

そして、機関士の側から見たもの:

ここをクリックすれば、拡大写真を見ることができる。

この模型は、完全に実物に一致しているわけではないが、完成した暁には、かなり良い感じのクラスP-8のパシフィックとなるであろう。


補足:
言わずもがなのような気がしますが、米国で機関士は”Engineer”、機関助士は”Fireman”と言います。

[2011/10/26: 3シリンダー大好きさんに誤変換を指摘頂いたので、修正しました。どうもありがとうございました。]

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (3) – ボイラーの修理

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの3ページめのRepairing the Boilerを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年8月28日に作成されました。


ボイラーの修理

この機関車は、塗り直すことにしていたので、まずはボイラーの塗装を剥がすことからはじめた。その結果、これまでにボイラーに対して行われてきた加工は、半田付けではなく、エポキシ接着剤を使ったものだった、ということがわかった。Jascoの塗装剥離材はエポキシも溶かすので、これまでのすべての改造箇所がはずれてしまった。その結果、以下の写真に示すように、ボイラーとたくさんのパーツとがばらばらになってしまった。

以下は、塗装を剥がした後のボイラーの写真である。


修理とディテーリングを始めるために、プロトタイプとする機関車をこの時点で選ぶ必要があった。私は、1950年代の初期から中期にかけての2467号機を模型化することに決めた。次のステップは、現在の写真と当時の写真とを比べつつ、機関車のディテールを実物に合うように改修することであった。


上の写真は、空気ポンプと給水暖め器の供給側に追加したディテールを示すものである。蒸気を供給する布巻き管と空気ポンプの整圧器とを、実物に合致するように配管した。蒸気を給水暖め器に供給する配管を追加するとともに、蒸気の漉し器と自動ドレインバルブのロストワックス部品を取り付けた。スターターバルブの先端と供給管の先端とがはずれていたので、いずれも取り付けなおす必要があった。今現在、2467号機はスターターバルブを備えていないが、50年代には取り付けられていた。この模型の配管は、完全な一致したとはいえないものの、プロトタイプをかなりよく表現している。


これらの写真は、エアータンクと、それにかかわる配管とを、実物の機関車と比較したものである。ここでも、この模型はまずまず実物に近い。


上の写真は、キャブの機関士側に空気の配管が戻ってきたあたりを比べたものである。私は今の2467号機の機関士側の写真を持っていないので、代わりに2472号機の実物の写真を使っている。50年代の写真は、どちらの機関車も機関士側の配管はほぼ一緒であることを示しており、なおかつ現在の2472号機によく似ている。


これらの写真は、機関車の運転士側の空気冷却管の配管の詳細を比べるものである。


補足
Mark Schutzer氏は、このJascoの剥離剤をよく使っています。Webサイトはこちらになります。http://www.jasco-help.com/
MSDSを見ると、危険なので、十分注意するようにとの記述があります。

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (2) – プロジェクトに使う機関車

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの2ページめのThe Project Locomotiveを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2005年8月28日に作成されました。


プロジェクトに使う機関車

今回レストアする機関車は、カツミが1965年に製造した古いバルボア(Balboa)のP-10パシフィックである。前の持ち主は、この機関車を、クラスP-8のパシフィック2461号機に改造していた。この機関車は、ほどよく使い込まれており、その結果として、すべての空気配管が脱落していたほか、緩んだり、なくなっているパーツが数多くあり、修理が必要であった。

以下は、この機関車の最初の状態を記録した写真である。

この写真から明らかなように、この機関車は、塗装もやり直す必要がある。


補足
・日本語で「プロジェクト」というと、なにやら大規模な工事とか仕事とかを指すことが多いようですが、米国で「Project」と言えば、規模の大小を問わず、「明確な目標があり、それを達成すること」というニュアンスで使われていたような気がします。例えば、小学校の課題でも、Projectという言葉が使われていたと記憶しています。

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (1) – プロトタイプ –

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの1ページめのModeling Espee’s P-8 class Pacificsを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年8月26日に作成されました。


サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィックのモデリング

この一連の記事は、古いバルボア(Balboa)のブラスの機関車のレストアと改造について述べるものである。この機関車は、もともとはクラスP-10のパシフィックの模型であったが、部分的にクラスP-8に改造されていた。この記事は、この機関車の修理、モーターの換装、仕上げに至るまでのすべてのプロセスを追うものである。

サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィック

サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィックは、1921年の初めに、フィラデルフィアのボールドウィン・ロコモーティブ・ワークス(Baldwin Locomotive Works)によって製造された15台の機関車である。これらの機関車には、2461から2475の車番が割り当てられた。これらの機関車は、1921年の春の終わりまでに運用に入り、すべてが1950年代まで運用されていた。このうち何台かは、1950年代の終わりごろ、蒸気機関車の終焉まで生き残った。

P-8がサザン・パシフィックに納入された時点では、4輪(2軸)台車を履いた12000ガロンのテンダー(クラス120-C-1)を従えていた。1929年までには、これらのテンダーのほとんどが、様々なクラスの6輪(3軸)台車のテンダーに置き換えられた。これらの機関車のほとんどが、クラス120-C-3のテンダーで生涯を終えた。

サザン・パシフィックは、蒸気機関車の時代の終焉に、多くの機関車を沿線の街に寄付した。幸運なことに、2台のP-8がスクラップ屋のトーチを逃れ、今日まだ健在である。ボランティアの献身的な努力により、2467号機と2472号機のいずれもが完全にレストアされ、数年前まで運転されていた。現時点では、ボイラーの検査のため、2台とも火を落とした状態にある。2472号機は、現在サンフランシスコのゴールデンゲート鉄道博物館(GGRM: Golden Gate Railroad Museum)[訳注: サイトはこちら]に在る。2476号機は、ごく最近までGGRMにいたが、サクラメントのカリフォルニア州鉄道博物館[訳注: サイトはこちら]に移送された。[訳注: この記述は2005年8月当時の情報であり、現在、これらの2台の機関車は、Niles Canyon Railwayで動態保存されています。このうちの2472がUP844と並んで停車した時のことはこちらに書きました]

以下、2472号機の今の写真を紹介する。


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


レッドウッド・シティにて 2002年12月29日

そして、これは姉妹機の2467号機である。


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


補足
・英語の原題を見てもらえればわかるとおり、サザンパシフィックの愛称として”Espee”とかかれる事がよくあります。

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング - 目次

前回の記事で書きましたが、Mark Schutzer氏のブラス機関車の作例を紹介してゆきます。まずは、クラスP-8パシフィックから始めます。

日本では一般的ではない技法や材料が出てきたり、一部間違いがあったりしますが、参考になる部分も多いのではないかと思います。特に、前の記事にも書きましたが、カツミをはじめとした日本型の蒸気は、輸出した模型と同じ構造をとっている場合が多いので、日本型を楽しんでいる方にも参考になるかと思います。そこまで行かなくとも、米国にはこのような楽しみ方をしている人がいるということ、日本から輸出された模型がこのように愛されているということ、ということだけでも感じ取ってもらえれば、と考えています。

なお、訳を掲載する当たっては、Mark Schutzer氏の許可を得ています。元記事、写真の著作権は、Mark Schutzer氏に属しますが、他の人に著作権がある一部の写真については、その旨が明記されています。

訳にあたっては、日本語としての読みやすさを主眼に、原意を損なわない程度に意訳したつもりですが、私の実力不足により、原文の微妙なニュアンスが訳し切れていないところがあるなど、所期の目標が達成されているとは思えません。また、用語を中心とした専門的な知識の欠如により、誤訳、不適切な訳が含まれていると思います。何か気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。

このページは目次とし、以下、記事を追加する度にそのリンクを追加してゆく形を取りたいと思います。

サザン・パシフィックのクラスP-8(パシフィック)のモデリング
(1) プロトタイプ
(2) プロジェクトに使う機関車
(3) ボイラーの修理
(4) パイロットの修正
(5) 駆動系の改修
(6) ボイラーの塗装
(7) 主台枠と車輪との塗装
(8) テンダーのレストア
(9) ウェザリング
(10) 完成した模型の写真(白黒)
(11) 完成した模型の写真(カラー)