日別アーカイブ: 2009年9月13日

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (1) – プロトタイプ –

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの1ページめのModeling Espee’s P-8 class Pacificsを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年8月26日に作成されました。


サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィックのモデリング

この一連の記事は、古いバルボア(Balboa)のブラスの機関車のレストアと改造について述べるものである。この機関車は、もともとはクラスP-10のパシフィックの模型であったが、部分的にクラスP-8に改造されていた。この記事は、この機関車の修理、モーターの換装、仕上げに至るまでのすべてのプロセスを追うものである。

サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィック

サザン・パシフィックのクラスP-8パシフィックは、1921年の初めに、フィラデルフィアのボールドウィン・ロコモーティブ・ワークス(Baldwin Locomotive Works)によって製造された15台の機関車である。これらの機関車には、2461から2475の車番が割り当てられた。これらの機関車は、1921年の春の終わりまでに運用に入り、すべてが1950年代まで運用されていた。このうち何台かは、1950年代の終わりごろ、蒸気機関車の終焉まで生き残った。

P-8がサザン・パシフィックに納入された時点では、4輪(2軸)台車を履いた12000ガロンのテンダー(クラス120-C-1)を従えていた。1929年までには、これらのテンダーのほとんどが、様々なクラスの6輪(3軸)台車のテンダーに置き換えられた。これらの機関車のほとんどが、クラス120-C-3のテンダーで生涯を終えた。

サザン・パシフィックは、蒸気機関車の時代の終焉に、多くの機関車を沿線の街に寄付した。幸運なことに、2台のP-8がスクラップ屋のトーチを逃れ、今日まだ健在である。ボランティアの献身的な努力により、2467号機と2472号機のいずれもが完全にレストアされ、数年前まで運転されていた。現時点では、ボイラーの検査のため、2台とも火を落とした状態にある。2472号機は、現在サンフランシスコのゴールデンゲート鉄道博物館(GGRM: Golden Gate Railroad Museum)[訳注: サイトはこちら]に在る。2476号機は、ごく最近までGGRMにいたが、サクラメントのカリフォルニア州鉄道博物館[訳注: サイトはこちら]に移送された。[訳注: この記述は2005年8月当時の情報であり、現在、これらの2台の機関車は、Niles Canyon Railwayで動態保存されています。このうちの2472がUP844と並んで停車した時のことはこちらに書きました]

以下、2472号機の今の写真を紹介する。


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


レッドウッド・シティにて 2002年12月29日

そして、これは姉妹機の2467号機である。


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


ゴールデンゲート鉄道博物館にて 2003年1月4日


補足
・英語の原題を見てもらえればわかるとおり、サザンパシフィックの愛称として”Espee”とかかれる事がよくあります。

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング - 目次

前回の記事で書きましたが、Mark Schutzer氏のブラス機関車の作例を紹介してゆきます。まずは、クラスP-8パシフィックから始めます。

日本では一般的ではない技法や材料が出てきたり、一部間違いがあったりしますが、参考になる部分も多いのではないかと思います。特に、前の記事にも書きましたが、カツミをはじめとした日本型の蒸気は、輸出した模型と同じ構造をとっている場合が多いので、日本型を楽しんでいる方にも参考になるかと思います。そこまで行かなくとも、米国にはこのような楽しみ方をしている人がいるということ、日本から輸出された模型がこのように愛されているということ、ということだけでも感じ取ってもらえれば、と考えています。

なお、訳を掲載する当たっては、Mark Schutzer氏の許可を得ています。元記事、写真の著作権は、Mark Schutzer氏に属しますが、他の人に著作権がある一部の写真については、その旨が明記されています。

訳にあたっては、日本語としての読みやすさを主眼に、原意を損なわない程度に意訳したつもりですが、私の実力不足により、原文の微妙なニュアンスが訳し切れていないところがあるなど、所期の目標が達成されているとは思えません。また、用語を中心とした専門的な知識の欠如により、誤訳、不適切な訳が含まれていると思います。何か気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。

このページは目次とし、以下、記事を追加する度にそのリンクを追加してゆく形を取りたいと思います。

サザン・パシフィックのクラスP-8(パシフィック)のモデリング
(1) プロトタイプ
(2) プロジェクトに使う機関車
(3) ボイラーの修理
(4) パイロットの修正
(5) 駆動系の改修
(6) ボイラーの塗装
(7) 主台枠と車輪との塗装
(8) テンダーのレストア
(9) ウェザリング
(10) 完成した模型の写真(白黒)
(11) 完成した模型の写真(カラー)