SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (6) – ボイラーの塗装

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの6ページめのPainting the Boilerを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月3日に作成されました。


ボイラーを塗装する

ボイラーの修理が完了したら、次のステップは塗装である。元の機関車に対して、数多くの修正を施したので、塗装する前に数多くの穴をふさぐ必要があった。白パテで穴をふさいだ後、この作業の質を確認するために、ボイラーにプライマーを吹き付けた。必要なところは、紙やすりで磨いてもう少しパテを盛り、そこにプライマーを部分的に少しだけ吹き付けた。穴をふさいだ部分がわからないようになるまで、このプロセスを繰り返した。

以下は、プライマーを塗ったボイラーの状態を示す写真である。

次のステップは、火室と煙室の部分を、メタリックの色で塗ることであった、過去のプロジェクトでは、テスター(Testor)[訳注: サイトはこちら – http://www.testors.com/category/133656/Testors]のBurnt Metal(焼けた金属)というメタリックの塗料を、機関車の熱くなる金属の部分を表現するために使用した。しかし、この塗料は、マスキングをすると簡単にはがれてしまい、扱いにくい。このプロジェクトでは、Alcad IIという塗料の話を聞いた後だったので、この新しい塗料を使うことにした。これは、ラッカー系の金属ペイントであり、マスキングができ、下塗りが不要とうたっている。

私は、鉄色(steel)を使って、まず火室と煙室との吹きつけ塗装を行った。次に、マイクロマスク(Micromask)[訳注:これはMicroscale社が出している、液状のマスキング用の材料です。日本では商品名マスキングゾルとして売られているものと同等のものと思われます。]とマスキングテープとを組み合わせて、これらの部分をマスキングした。それから私はフロックィル(Froquil)[訳注: サイトはこちら – http://www.testors.com/category/133504/Floquil]のウェザードブラック(Weathered Black)2に対してエンジンブラック(Engine Black)1を混ぜたものでボイラーの残りの部分を吹きつけ塗装した。その後”warm”に設定したオーブンの中にボイラーを12時間置き、塗料を焼き付けた。乾燥後、キャブの窓のサッシとインジェクターとをカブースレッド(Caboose Red)で手塗りした。窓の肘掛は、コーチグリーン(Coach Green)で手塗りした。すべてが乾燥した後、デカールを貼る準備として、ボイラー全体にテスターのグロスコート(Glosscoat)を軽く数回吹いた。

これは、デカールを貼り付けた後の、ピカピカしているる状態のボイラーの写真である。

レタリングは、San Juan Decal社[訳注: サイトはこちら – http://www.sanjuancarco.com/sanjuandecals/]のサザンパシフィックの蒸気機関車用のデカールのセットを使っている。レタリングを施した後、デカールを定着させ、ボイラーの光沢を抑えるために、テスターのダルコート(Dullcoat)を軽く何回か吹いた。

以下は、ダルコートを吹いた後の写真である。

同じ黒でも、塗料のつやの違いだけによって、ずいぶんと違って見えるということに注目して欲しい。

これは、キャブのレタリングのクローズアップである。


補足:

Alcad IIというのは、自動車(特にエンジン)や、飛行機や自動車のエンジンのメタリックの表現が良いということで、プ

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (6) – ボイラーの塗装」への4件のフィードバック

  1. gallopinggoose

    こんばんは。
    MR誌でもそうだったのですが、アメリカの雑誌を見ると大抵このプライマーを吹くとあるのですが、日本人の常識からすると、みどりの透明な液体・・・なので、いったい、その正体は何なのだろうかと、いつも疑問に思っております。写真を見るとどう見てもサフェーサーです。
    塗装する時にこのサフェーサーを塗っているか居ないかで、仕上がりにものすごい違いがでるので、私はサフェーサーを塗るべきと思っている一人です。でも、結構はがれてくるので、いったい、何を塗っているのか・・・すごく気になります。
    今度塗る時は自動車用の塗料のプラサフを試してみたいと思っています。結果が出たら、報告します。

    返信
  2. northerns484

    Primerを何と訳すか。。。
    gallopinggooseさん:
    ご退院されたようで、おめでとうございます。私などには到底わからない、大変なご苦労があるのだと思いますが、それをものとせず、趣味を心底エンジョイされているgallopinggooseさんを見ると、敬服の思いでいます。一日も早く全快されることを心からお祈りしております。

    さて、原文のPrimerというところ、あまり深く考えずにプライマーという単語をあててしまいましたが、少し誤解を招く訳だったかもしれません。
    この一連の記事では、「Primer」とは「Grey Primer」と呼ばれるものを指しています。そして、Grey Primerで検索すると、タミヤが「Surface Primer」という名称で販売しているものが出てきます。この商品、日本では「サーフェイサー」という名前で販売されています。ということで、Primerが何を指すか、については、もう少し調べてみたいと思います。

    このほか、Mark Schutzer氏は必ずサンドブラストをかけているので、塗料の食い付きに効果があること、さらに、氏は必ず焼き付けを行っていますので、塗幕が丈夫になる効果もある、といったところは指摘しておくべきだと思います。

    自動車用のプラサフの結果はぜひ教えてください。これ以外にも、ワークスKさんのBlogに、ミッチャクロンというプライマーの紹介があります。こちらもご参考にされてはいかがでしょうか。
    http://works-k.cocolog-nifty.com/page1/2005/08/102__6eb6.html

    返信
  3. gallopinggoose

    とてもよくわかりました。ありがとうございます。
    notherns484さん、お手数をおかけしました。おかげさまで、とてもよく理解できました。
    やはりサフェーサーだったのですね。剥がれるのを防ぐためにサンドブラストとは思いもよりませんでした。
    日本でやるなら、みどりのエッチングプライマーが、或いはクレンザーで磨いてみるというのも面白いかもしれませんね。
    やってみたいことがいっぱい出来てしまって、体が追いつきません・・・あはは・・・。

    よく、サフェーサーはディテールをつぶすといわれますが、塗膜の厚さによります。常識的に塗る分には決してディテールはつぶさないと思っております。
    その昔、故宮永岳彦画伯に絵を見ていただいていたとき、キャンバスの下地作りにラッカーを塗るんです。
    まねをしてキャンバスにラッカーを繰り返し繰り返し塗って厚塗りしてみても、一向に平滑な表面にならず、その後ペーパーがけが必要だということを教わりました。
    ラッカーによる下地作りに手を焼いたので、ラッカーサフェーサーの塗ってみたのですが、いくらか塗料だけよりもいいというもののやはりなかなか目地が消えませんでした。
    1/25の自動車のプラモデルを作る時も、私は必ずサフェーサーを吹いています。オーナメントなどの細かいディテールが消えたことは1度もありません。
    むしろ半透明の青を繰り返し吹いたときのほうがディテールがつぶれました。(キャンディーカラーは難しいです)

    赤の上に吹いた黒と青の上に吹いた黒は違った色に見えます。やはり真鍮にいきなり黒を吹くのは私の好みではないようです。
    一番の興味の対象はサフェーサーの食いつきなので、なるべくシンプルな機関車で試してみたいと思っています。

    いろいろとありがとうございます。

    返信
  4. northerns484

    もう少し調べようと思います
    gallopinggooseさん:
    コメント、そして、技法の紹介もありがとうございます。Nのプラキットをサクサクと手早く組み上げる知人がいて、塗装が非常に綺麗なのですが、彼もタミヤのサーフェイサーを使っていると言っていたのを思い出しました。

    さて、本題に戻りますが、今回調べているなかで、
    「プライマー」は、上塗りが、塗装しようとするものに確実に「のる」ようにするための下塗り塗料、
    「サーフェイサー」は、その名の通り、表面が平滑になるようにするための下塗り塗料、
    「プラサフ」とは、プライマーとサーフェイサーとの両者の機能を持った下塗り塗料、
    との記述を見つけました。

    Mark Shutzer氏が使っている「プライマー」が、上記のどれに分類されるものなのかは、確認していません。連載が一段落したら聞いてみようと思います。

    それにしても、宮永岳彦画伯に絵を見てもらった経験をお持ちとは、うらやましい限りですね。是非Blogでそのときのエピソードなどご紹介ください。

    返信

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