SPのキャブフォワードAC11のレストア (13) – 仕上げ –

この記事は、Mark Schuzter氏Espee’s Cab Forwardsの13ページめのFinishing touchesを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2004年4月26日に作成されました。


仕上げ

最終的にボイラーをフレーム上に載せる前に、2、3細かいことを述べておくべきであろう。

キャブの前面に、進行方向に応じて定輝度で点灯するヘッドライトを加えようと考え、NS-LP2951というICを使って小型の低電圧回路を作成した。この回路は、3つの外付けのパーツを必要とし、1.5Vの電球を点灯させるには最適の、1.25Vの低電圧を出力する。加えて、これは小さく、どのような場所にでもほぼ問題なく設置することができる。

この照明モジュールの回路図に関して、何件かの問い合わせを受けたので、回路の概要と、私の使った小さなプリント基板の大まかなアウトラインをPDFファイルにまとめた。このボードは簡単なので、15分もあればXactoナイフで切り出すことができる。興味のある人がいれば、PDFファイルはここからアクセス可能である[訳注: この文書は英語です]。

以下、照明モジュールの写真を何枚か載せる。

前照灯には、MVレンズを使い、0.52インチ(=1.32mm)の穴を後ろ側にあけ、電球の先頭が入るようにした。電球は、キャブの前面を通し、瞬間接着剤でレンズを電球に固定した。

これは、照明回路を設置した状態の、キャブの内側の写真である。

上の写真に写っている前面のカプラーマウントのことについても触れておくべきであろう。このアカネの機関車は、もとの状態ではカプラーを固定する場所がなく、フロントカプラーのマウントには無頓着であった。もとあったカプラーポケットを取り除き、真鍮の丸棒から、カプラーを固定する支柱を作った。この丸棒に穴をあけ、2mm×0.4のネジが入るようにし、その後キャブの床板の裏面に直接半田付けした。

さて、最後に一つ、ボイラーの内側に関して対応すべきことがある。あなたが模型のボイラーをはずした経験があるならば、ボイラーをはずしたときのほうがモーターの音が静かである、ということを感じたことはないだろうか。私は、うるさいのはモーターではなく、ボイラーがスピーカーのエンクロージャーの働きをすることで、すべての音を反射して、キャブの底から音が出るようになっているからだと思っている。これは私の持論にすぎないのだが。

私は、モーターの周りのボイラーの内側の表面の特性を変えることで、この音の増幅をほとんど取り除くことができるということを発見した。次の写真が、この解法を示している。マジックテープ(Velcro)である:

マジックテープは、2枚のシートからできている。引っ掛ける側と、引っ掛けられる側とである。引っ掛けられる側には、厚味があり、ボイラーの内側に貼った場合は、音の増幅、というより裸の真鍮の壁からの音の反射、を遮断する効果がある。これがどれだけ科学的かはわからないが、非常に上手く行く。マジックテープが一番良いのは、色が黒であることと、裏側に接着面があり、取り付けが簡単なことである。

さて、これでこのレストアのお話は最後になった。残っているのは、完成した写真をお見せすることである。次の記事は、一台目の模型の写真のギャラリーである。塗装工場から出て来しだい、2台目の写真も加えるつもりである。

お時間をとっていただいて、この話を読んでいただいたことに感謝する。皆さんが楽しんでさったことを願っている。


補足
・瞬間接着剤は、米国ではACCと呼びます。

・日本ではマジックテープといいますが、米国では、Velcro(ヴェルクロ)と呼びます。初めてこの単語を聞いたときは、いったい何のことかわからず、とまどいました。

・静音化の話は興味深いのですが、実際にどれくらい効果があるのでしょうか。

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