レイアウトのクリーニングについて(2)

前回のレイアウトのクリーニングについてという記事を書きましたが、この話題に関して以前在籍していたクラブのメーリングリストであれこれ聞いてみたところ、次のファイルの存在を教えてもらいました。

私も在米中に何回か通販でお世話になった、Tony’s Train Exchangeが取り扱っているCMX Clean Machineというクリーニングカーの紹介紹介とマニュアルです。これはTony’sのイチオシのクリーニングカーのようで、ホームページの右上に大きく紹介されています。

もちろん、お店の宣伝の一環ですから、この製品がいいよという主張をしているのではありますが、単に製品の紹介だけではなく、クリーニングに関する一般的な話、外部の化学者に評価を依頼した記事、ユーザの評価結果まで載せています。特に”Track Cleaning – A Chimist’s Perspective”という外部の化学者による評価記事は全8ページ中3ページが割かれた力作です。この記事、専門用語も多く、読みやすいとは言えないのですが、一読の価値はあると思います。概要を紹介すると、以下のようになるかと思います。正確にまとめたつもりですが、化学は専門ではありませんし、ばっさり略したところもあります。原文の主張や意図を誤っていたら、遠慮なく指摘ください。

1)線路の汚れの原因は、主に、酸化物、有機汚染物、外部からの汚染物質の3つである。
2)これらの汚れをレールから取り除くには、酸化物を物理的に削りとるという動作と、有機汚染物を化学的にやわらかくするという動作の組み合わせが有効である。
3)有機汚染物には、プラスチックが分子レベルで劣化して摩擦などで剥がれ落ちるもの、色素などのプラスチックへの添加物が車輪の表面に浮き出てゆくもの、プラスチック成型時に使う剥離剤、がある。
4)これらの有機汚染物がごちゃ混ぜになったものをやわらかくするには、ラッカーシンナーが良い
5)同時に、車輪もしっかりクリーニングすること。プラスチックの車輪のクリーニングにはメタノールを使うこと

実は私自身はこのラッカーシンナーを使うという結論には納得していません。まず個人的な事情を言えば、私はシンナーの匂いが苦手なのです。さらに、微量のシンナーが線路に塗布され、すぐにふき取られ、蒸発する構造になっているとはいえ、いろいろなプラスチックのものが存在しうるレイアウトでは、何か事故があったときを考えると、積極的に使いたいとは思いません。さらに、私の所属していたクラブのように、プラスチック車輪は禁止というルールにしてしまえば、プラスチックに起因する有機汚染物は大幅に減るはずですので、クリーニング液やクリーニングカーの選択も変わってくると思います。

とはいえ、この記事は、できる限り科学的で正確な議論を行おうという姿勢が見える点で、好感がもてます。このような議論が提供されれば、情報の受け手がどう行動すればよいかの判断をする手助けになり、納得性が高くなるのではないでしょうか。

ちなみに、この記事の最後に、ローラー型のクリーニングカーでGoo Goneのようなものを使った場合、「すばらしい仕事(fantastic job)をする」と書かれています。:)
下記引用しますが、原文も含めてよく読んでご判断ください。

You were being kind in your comments about rolling pad cleaning cars. As you said, they offer no scrubbing action, especially when used with something such as “Goo-Gone”, where these rollers do a fantastic job of coating the track without removing anything.

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