出張でクラブを訪問する際の楽しみの一つに、レイアウトの建設が少しずつでも進んで行くのを見ることがあります。
現状、4つのメインのヤードがあり、このうち3つはすでに運転会でフルに使えるように整備が終わっていますが、残り1つは最低限のレールの設置が終わっていたにすぎませんでした。今回の訪問では、このヤードも建設が進み、スイッチングマシン(Tortoise)の設置もほぼめどがたったところまで来ていました。
この新しいヤードが今までと大きく異なるのは、Tortoiseの制御の方法で、上の写真でご紹介したように、PCを使うように準備を進めています。画面は、タッチパネル付きなので、マウスだけでなく、指で画面を直接操作することもできます。この制御を行うためのソフトウェアをメンバーの一人が書いていて、かなりの部分が動くようになっていました。
ちなみに、これまでのヤードのTortoiseの制御には、下の写真のような、押しボタンをちりばめたパネルを使っていました。
今回の変更は、単に操作が押しボタンからマウス/タッチパネルに変わっただけではなく、レイアウトの建設方法、運転の柔軟さに関して大きな意義があるものです。下の図で、制御の方法がどのように変わるかを簡単にまとめてみました。
図の上半分にあるとおり、これまでは、Tortoiseの切り替えを押しボタンで行っていましたので、押しボタンからTortoiseまで信号線の配線が必要でした。各々のヤードは、数十~百弱のスイッチングマシンがありますので、この配線、保守に費やすエネルギーは相当なものになります。
今回の方式では、タッチパネルでスイッチの切り替えを操作すると、PCが対応するDCCコマンドをTortoiseに送るようにしています。つまり、今までのやりかたで必要であった配線が一切不要となり、レイアウトの建設の面からは、大幅な省力化を達成できます。
もう一つ、運転の観点から言うと、このソフトはWebサーバと連携して操作するようになっていますので、原理的には、インターネットにアクセスできる環境にいさえすれば、世界中どこでもレイアウトの制御を行えるということになります。
クラブを離れるときに、「そのうち日本から運転会に参加できるようになるといいね」ということをお互いに言っていました。いつか必ずできるとは思っていましたが、こんなに急に現実味をおびてくるとは、少しびっくりです。