先日、「走れ!機関車」という絵本の紹介をしましたが、その記事を書いている際にアメリカに滞在していた時に買った絵本を思い出しました。ようやく探し出したので、ご紹介します。
John Henry
Julius Lester (文) Jerry Pinkney (絵)
ISBN: 978-0140566222
伝説のアフリカ系アメリカ人である「John Henry」を題材とした絵本で、コールデコット賞の次点に与えられるコールデコット・オナーを1995年に受賞した本です。
John Henryは実在した人物であったという研究もあるとのことですが、作者はそれにはこだわらず、John Henryの持っていた不屈の精神を忠実に記述しようとしてこの本を作ったと前書きに書かれています。
John Henryの伝説に共通しているのは、チェサピーク・アンド・オハイオ鉄道のトンネルの難工事で、当時最新鋭のSteam Drillと競争し、自らの腕でハンマーを振るい、見事に勝利した、という点です。結末にはバリエーションがあるようですが、この本では、勝利の直後にJohn Henryが息を引き取り、その後ホワイトハウスの芝生に埋められた、という結末となっています。
子ども向けの絵本で、日本語の翻訳も出ていないようなので、どなたにもお勧めできるとは言い難いのですが、このような絵本が出るということは、アメリカの国を形作る過程において、鉄道というのが大きな意味を持っていて、その中で活躍した人が英雄視されていたということを語っているのではないかと思います。このような側面も理解すると、よりアメリカ型を深く楽しむことができるのではないか、とも思って紹介してみました。
いつものように、アマゾンへのリンクを埋め込んでおきます。「なか見!検索」から一部のページを見ることができます。
John Henryについて詳しく知りたいという方は、まずはWikipediaをご覧になるとよいと思います。そのほか、スミソニアンチャネルの以下のYoutubeが簡単に説明しています。
多くの歌手がJohn Henryのことを歌っており、上のビデオの中でも言及されていますが、有名どころでは、カントリー・シンガーの大御所のJohnny Cashがいます。”Johnny Cash John Henry”で検索してもらえれば歌詞や動画が出てきます。