米国の友人から、UPが数日前に行った、IDILBF-08という列車番号(?)がつけられた試運転の話を教えてもらいました。
この試運転、単なる通常の試運転ではなく、輸送効率を最大限に高めようという意図の下に、動力車を分散して配置して編成された、UP史上最長の列車だということです。
トレインオーダーズ・コムのこのスレッドや、ダラスの地元紙のこの記事に具体的な数字が書かれています。微妙に食い違っているところがあるのですが、トレインオーダーズ・コムの記述を優先すると、
(1) この列車は、618ヶのコンテナを、295台のトレーラーに載せて、テキサス州のダラスから、カリフォルニア州のロングビーチ、オークランドに運ぶものである。
(2) 機関車は全部で9台。先頭に3台、中間の2箇所に2台ずつ、最後尾に2台、で牽引。
(3) 総重量は、15498トン、全長は18,061フィート=約3.5マイル(5.6キロ)。
(4) 踏み切りの通過に5分くらいかかるので注意が必要。
とまぁ説明するよりは、Youtubeのビデオを見てもらった方が早いと思います。他にもYoutubeで「IDILBF」で検索すると何本か出てきますが、この2本が比較的綺麗に写っているかと思います。
こちらは撮影場所がわかりません。約9分ありますので、発車して間もないのか、坂になっているか、のいずれかでしょう。
こちらは、カリフォルニア州のモンテベロというロサンゼルスの南東10キロちょっとの街で撮ったとあります。約4分30秒。
延延と同じような光景が続きますので、見飽きてしまいそうですが。。。
こんな列車に踏切で待たされたら……
悪夢です
いくらテッちゃんでも、飽きてしまいます。
実際に運転されたのですから、5.6kmのすれ違い設備があるということなのでしょうが……
大昔のビルボード・リーファーなら楽しいですね。
定期運用になったら大変そうです
ご紹介したダラスの地元紙にも、「今回は試験的なもので一回限りなので、当面はこのような列車に踏み切りで待たされることはないだろうから、心配無用」と書かれています。でも、定期運用にでもなったら、大変でしょうね。
純粋に輸送効率という面で言えば、このように列車をできるだけ長くするのが得策ではありますが、逆に列車が遅れた場合などの影響も大きくなります。ご指摘のようなすれ違いの施設の整備などを含め、トータルな輸送効率、会社の経営効率にどれくらい寄与するか、というのは興味のあるところです。
UPは、その昔より、高馬力の機関車を追求してきたという歴史がありますから、そのDNAが生きていて、今回実験したような動力を分散させた牽引方式の極限に挑戦してみたのだろうか、というようなことも感じています。
意外に軽いのですね
重いのは、やはりカバード・ホッパのようです。
UPの本線上で運転された最も重い列車は、グリーンリヴァから東向きに走った列車で、100トンホッパ200輌で、2万5000トンのようです。
1980年頃、機関士Tom Harveyがその任に当たっていました。DDA40Xを3両を頭に付け、途中にSD40-2を何輌か分散させていました。毎週火曜日に走っていました。あれは実験だったのか、定期便だったのかは今となっては分かりません。
単位容積あたりの輸送効率で見ると
インターモーダルの基本思想として、運ぶ箱を規格化することによって、船、鉄道、トラックの間のモーダルシフトの手間を軽減し、トータルな輸送効率を高めることに主眼を置いていると理解しています。つまり、インターモーダルは単位容積あたりの輸送効率には少々目をつむっているので、カバード・ホッパのように目一杯積荷を詰め込めるものに比べると、列車の総重量では、かなりの差がつくのだと思います。言い換えると、インターモーダルの場合、単位容積の効率が良くない分が、列車の長さという形になってしまう、ということでしょうか。もちろん、今回の列車が何を運んだか、にもよるとは思うのですが。
それにしても、DDA40X三重連ですか。想像できないのですが、すさまじい迫力と轟音だったのでしょうね。