ユニバーサルジョイントの使い方(19) – 阿里山のShayのαとβとの具体的な数値をあてはめる

前回の記事の最後に、阿里山のShayがどの程度の角速度の変動があるのかを確認したいと述べていましたが、⼤変ありがたいことに、内⽥利次⽒、近藤⼀郎⽒より計算に必要な図面をご提供いただくことができました。御二⽅にはここに深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

ということで、さっそく解析結果を掲載します。なお、最小半径は40mとしています。


まずは18tのShayの駆動系の寸法です。

最小半径での駆動軸の位置関係を示した図となります。

角速度がどのように変動するかのグラフです。これまでのように、駆動軸が円弧の内側に来る場合、外側に来る場合、の順で示します。


続いては28t Shayの駆動系の寸法です。

最小半径での駆動軸の位置関係を示します。

角速度の変動は以下のようになります。


これらのグラフから読み取れることを簡単にまとめてみたいと思います。

まず、位相が正しい場合、18t、28tとも、角速度の変動は±1%程度に抑えられますので、実用上は問題なさそうと言えそうです。また、前方の台車と後方の台車とで駆動系の寸法が大きくは変わらないことから、前後の角速度の変動の差があまり見られないのも特徴的です。

dda40xさんのBlogでは、阿里山のShayのユニバーサルジョイントは位相が正しくなさそうだとのことでしたので、角速度の変動が±2%程度発生していることになります。もっと条件の悪いShayもありましたので、それよりはスムーズに走るのかもしれませんが、それでも正しい位相にすれば、よりスムーズになる訳で、機械に対する負担も減ると思います。正しくない位相にするメリットは何もないと思います。

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