以前も書きましたが、私が属していたクラブは、毎月の第一金曜日がクラブの運営方針や課題を議論する会議の日、最終金曜日が運転会の日と決まっていますが、それ以外の金曜日は皆自由に活動しています。レイアウトの建設を進める人もいれば、車両の調整をしたり、おしゃべりをしたり、人さまざまですが、どういうわけか機関車の試運転や調整をする日は重なることが多いようです。
New HavenのI-5を試運転させてもらった日も、多くのメンバーが機関車を持ち込んでいました。その中でも一番目立っていたのが、今回紹介するAkaneのDM&IRのM-4(2-8-8-4/Yellowstone)です。この機関車のオーナーはこの模型をeBayで入手し、DCC化し、車検を通したもので、正式にクラブの車籍簿に登録されています。先日の運転会では60両くらいのオアカー編成を引いて活躍したと聞きました。
The Brown Book of Brass Locomotives, 3rd editionによれば、この模型は1959年に米国に輸入されたことになっており、日本製の米国型ブラスモデルとしては初期のものになるかと思います。正確さ、精密さでは、最新の韓国製のブラスモデルに負けていますが、実物の「雰囲気」の捉え方はまずまずだと思いますし、がっちりとした造りがよい味を出していると思います。このことは、安心して取り扱うことができるということでもあり、ガンガン走らせるにはもってこいです。
e-Bayをご覧の方はご存知の方も多いかと思いますが、このDM&IRのM-4とか、SPのAC-12などのAkaneの製品は今でもぽつぽつと出品されており、だいたい$300~$400くらいで取引されているようです。このオーナーのように、古い模型を入手して手を入れたり走らせて楽しもうという人にとっては手ごろな価格ですし、米国にはそのような楽しみ方をする人が存在するということを示していると思います。
車齢50年になろうとするこの模型が、最新の機関車に伍して現役で活躍しているということは、この模型は骨董品ではなく、「模型としての価値」が変わらず維持されているということです。当時は資料も限られていたでしょうし、使える技術も限られていたと思うのですが、この模型には、よい模型を作ろうというひたむきさが伝わってくるかのようですし、そのひたむきさこそがこの模型の価値を維持しているのではないかと考えるのは、私の勝手な思い込みでしょうか。なによりも、一人の日本人として、日本の模型がこうやって愛されているということをとても誇らしく思いました。
こちらも走行シーンをデジカメのビデオ機能で撮ってきました。ひどい腕でお恥ずかしい限りですが、雰囲気でもわかってもらえれば、と思い、公開します。
このビデオは大好きで、繰り返し見ています。
はじめまして。
このビデオは大好きで、何度も何度も繰り返し見させていただいております。
Soundtraxxのデコーダーで、BEMF無しで、こんなに調子よく走るなんて、驚きもありますが、やっぱりこの線の太さ、力強さがDCCで蘇っていることがとても嬉しかったです。
既にご存知だったとは。。。
gallopinggooseさん:
コメントありがとうございます。既にこのビデオをご存知だったとは、びっくりしました。悪いことはできないものですね。
本文中にも書きましたが、車齢50年の模型が今でも通用するというのは、当時、それだけのエネルギーが注がれたからこそ、だと思っています。
入手されたアレゲニーも大事にしてあげてください。