さて、前回は運転会の話をしました。運転会を行うためには、当然車両が必要となりますが、各自が勝手に持ち込んで運転するというわけには行きません。必ず車検(Inspection)を通さなくてはなりません。
メンバーが自分の車両を走らせたいと思う時は、まず必要な調整をして、申請用紙に記入して、車検を依頼します。担当のメンバーが車検を行い、パスすると、運転可能な車両としてデータベースに登録されます。このデータベースへの登録をもって、運転に参加できるようになります。
さて、一回車検に通ればそれで終わりかと言うと、決してそういうわけではありません。経年変化など、どうしても調整が必要になる場合が出てきます。運転に支障をきたすようなトラブルが発生した場合、容赦なくレイアウトから除かれ、Bad Order Formと呼ばれる書類が添付され、持ち主に調整の依頼が行きます。当然、調整が終わり、再度車検を通るまでは、走行を禁止されます。
そのほか、一両一両は車検をパスしても、編成を組んでみると具合が悪い、ということもよくあります。たとえば、Walthersの客車ですと、カプラー間隔が狭く、幌が干渉してカーブで脱線するのには手を焼きました。とにかく、走行第一の立場に立って、いろいろなところを調整しないと、運転会でトラブル続出ということになります。
ご参考までに、車検の項目をご紹介します。
機関車の車検
1) 車輪のフランジの高さ、バックゲージの正確さ — これは、市販品のゲージをあてて、チェックを行います。
2)カプラーの高さ — これは、クラブの特定のカプラーゲージを基準に高さを検査されます。高さの違いがごくわずかに見えても、運転には支障をきたすことがよくあります。これは特に特に念入りにチェックされます。カプラーそのものは、KadeeもしくはMcHenryが推奨されています。
3) DCCアドレス設定 — 当クラブでは、DCCのアドレスとして、4桁アドレスを利用します。原則として、機関車の番号をそのままDCCのアドレスにしますので、機関車を購入する前に、メンバーは他の機関車と番号が衝突しないよう、機関車の番号のデータベースを用意しています。実は、このデータベースの管理は私が行っています。
4) CV値の設定 — 我々のクラブでは、DCでの運転は行っていません。そのため、念のためCV29のBit2を0にします。これは、DCCの最初のパケットが拾えなかったとき、DCと思い込んで全速力で走り出すことがあるから、ということでした。
車両(貨車、客車) の検査
1) 車輪のフランジの高さ、バックゲージの正確さ – 機関車と同じで、販品のゲージをあてて、チェックを行います。それから、当クラブは、車輪はすべて金属製であることが必須です。プラの車輪の置き換えに関しては特に推奨があるわけではありませんが、入手しやすさ、転がり抵抗の少なさから、Intermountainの車輪が人気があります。
2) カプラー — これは機関車と一緒で、高さがシビアにチェックされます。
3) 重量 — 原則としてNMRAの標準からプラスマイナス10%の重量に収まっていることが求められますが、重い分には文句は言われません。皆さん、ミクロウェイトを積んだり、いろいろと工夫されているようです。
4) 転がりテスト — 2%の坂に向かって車両を動かし、坂をスムーズに上り下りするかどうかをチェックします。