By Laws and Constitution (6)

引き続き、By Laws and Constitutionの紹介です。

ここまでのところで、クラブの運営方針、会員の資格、役員の仕事、定例会議の運営、を紹介してきました。第6条以降は、組織の運営にかかわるどちらかというと細かい話がまとめられており、以下簡単に説明します。

第6条 役員会 には、緊急に決めるべきことがある場合などに会長権限で召集できる役員会の召集の方法、運営の方法が決められています。
第7条 委員会 には、特命事項を検討するために委員会を設立する場合の方法が決められています。
第8条 議事の運営方法 には、議事の進め方が書かれています。
第9条 By Laws and Constitutionの修正方法には、このBy Laws and Constitutionの修正方法が述べられています。

第10条 収入と支出 には、予算の決め方、共用の支出に関する払い戻しについて書かれています。この払い戻しですが、予算外のものについては、定例会議の決議を必要とし、更に100ドル以上の支出については、定例会議での議決を必要とする、というようなことまで決められています。

第11条 解散 には、解散したときのクラブの資産の処分について書かれており、すべての負債を処理した後に残ったクラブの資産については、似たような目的を持った、免税措置を受けた団体に寄付する、ということが書かれています。今回読み返してみて、ここまで決めてあったというのを認識して、驚いた次第です。

さて、この最後の条項の「免税措置を受けた」ということについて触れてみたいと思います。

アメリカでは、すべての人に確定申告の義務があります。この際、米国の国税局であるIRSの501(c)という規約に記載されている、一定の条件を満たしたNPOに対する支出については控除の対象となります。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、アメリカの主要なHistorical Societyが、この501(c)(3)の認定を受けています。私がこの一連のシリーズを書くことになったきっかけは、Alco Historical & Technical Societyの設立を紹介したことにあるのですが、このAlco Historical & Technical Societyのトップページにも、「501(c)(3)の適用の申請を目指す」ということが紹介されています。

アメリカでは、寄付をする文化が発達しています。このような寄付活動は、節税ととらえられるかもしれませんが、私はむしろ、税金という形でお金を払って社会に薄く還元するよりは、寄付という形で特定の目的に支出することで、自分の信じる社会のあり方を実現する一助とする、という社会的な意味が大きいと思っています。

有名な寄付の例としては、古くは鉄鋼王カーネギーが数多くの図書館を寄付したとか、最近ではマイクロソフトの創始者のビル・ゲイツが寄付活動に専念するといったものがあり、寄付は大きな財を成した富裕層だけの話だと思われがちです。しかし、アメリカでは、上に書いたような、NPOへの支払いを控除対象にできるということで、一般市民レベルでも寄付を促進できるようになっている、ということを記しておきたいと思います。

このような仕組みが整備されているということは、私がワークスKさんの掲示板に書いた
米国では『人々が集まるためのルール作り』がしっかりしている
ということを、社会的な側面から支えている、と捉えることができると考えています。

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