私の在籍したクラブのBy Laws and Constitutionの紹介を続けてきました。Model RailroadingのBlogとしては、あまり面白いとも思えない話題を長々と続けてきたのは、私の感じたアメリカのクラブの一側面を伝えたいとの思いでとりあげたものです。これに関してもう一つの話題を書きます。
最後のシリーズの(6)で、
第8条 議事の運営方法 には、議事の進め方が書かれています。
という紹介をしました。実際の議事の雰囲気は、以前書いた記事に紹介しました。
会議は毎月1回開催されるのですが、これがまたなかなかすごくて、最初は圧倒されました。私は仕事で「国際規格標準化会議」みたいなものに出ることがあるのですが、運営の方法が全くそれと同じなのです。まず議題は「I move to … (…の動議を提出します)」と始まって、他のメンバーから「Second! (賛成)」の声があってはじめて議論が始まります。
これを読むと、いろいろと複雑な手続きが決まっていて、上で書いた第8条には、色々なことが細々と書かれていると想像されるかもしれませんが、実際には次の一文が書かれているのみです。
特に定めのない限りは、最新版のRobert’s Rules of Orderに従う
Robert’s Rules Of Orderは、米国でのさまざまな場面で会議の議事運営に標準的に採用されており、米国を中心とした各種の国際標準を決める場面でも使われている議事規則で、初版が1876年に出されており、かれこれ130年以上の歴史があるものです。
上記サイトの歴史のページによれば、陸軍で働いていたH.M. Robert氏は、たまたま地域のコミュニティの会議の議事進行を頼まれたものの、進め方がわからなくて困ったのが、Robert’s Rules of Orderをまとめることになったきっかけになったそうです。その後Robert氏は、自身で議事進行の研究を進めるとともに、全米各地で働く中で、議事進行規則が地方や参加者の出身地によってばらばらであることを認識し、標準になるものを自分で書いたのが初版となり、その後脈々と改訂が行われ、現在は第10版となっています。
日本では「ロバート議事規則」と呼ばれるようですが、本記事を書いている時点では、Wikipediaの解説の日本語版がないのを見ればわかるとおり、あまり広く知られているようには思えませんので、次回そのポイントを簡単に紹介してみたいと思います。
本当ですね。ウィキペディアにありません。
私たちの世代はこれを中学校の国語の授業でやりました。
動議を出して「支持します。」と誰かが言ってくれないと何もできませんので、事前に支持を言う人を決める、などというセコイことをしていました。
会社の経営者はご存じだとと思います。「株主総会の進め方」という本には載っているのを見たことがあります。
世代によって違うのでしょうか
> 私たちの世代はこれを中学校の国語の授業でやりました。
そうなのですか。私は授業を受けた記憶はないです。世代によって違うのか、あるいは地域/学校によって違うのでしょうか。興味のあるところです。
ライオンズクラブが採用しているのですね
ネットを探したら、採用しているようです。
ということは、ソコソコの規模の会社から広まりそうということでしょうか。ロータリークラブはどうなのでしょう。
次の解説を読んでいくと、肩書きとか声の大きさとかに影響されず、また論点を絞って効率的に議論していこうという趣旨がよく判ります。年数が必要でしょうが、普及することを切に願っています。
http://www.lions330-b.gr.jp/links/files/Robert'sRulesofOrder.pdf#search='ロバート議事規則‘
そのようです
ワークスKさん:
情報ありがとうございます。頂いたリンクは、このシリーズの(2)の記事に加えておきました。
> 肩書きとか声の大きさとかに影響されず、
ここは、何回も触れてきた、トクヴィルの「徹底的に対等な個人」という主張に対応すると思っています。
> 年数が必要でしょうが、普及することを切に願っています。
上記の対等な個人が確立されてこそですので、その点でも前進があることも期待したいと思っています。