Union PacificのGreen Locomotive (3)

さて、前々回の記事の続きです。もうニュース的価値はないのですが、せっかくですのでUnion Pacificの「環境にやさしい機関車の導入の取り組み」ということで、投稿しておきます。

2007年1月31日のプレス・リリースに掲載されている「New Ultra-Low Emission Locomotive Goes to Work in Union Pacific’s Los Angeles Basin Rail Yard」から。

まず、「2007年7月までに、Gensetと呼ばれる入れ替え用機関車を60台配備し、Los Angeles Basin Yardで入れ替え作業に使う」とあります。

このGensetは、「700馬力の、EPAのTier3に適合した超低排出ディーゼルエンジンを3基搭載している。このエンジンは、窒素酸化物および粒状物質を80%まで削減することができ、現在の低馬力の機関車に比べて16%低燃費である」とのこと。

この他、Diesel Hybrid機関車Green Goatの開発も紹介されています。これは「これまでの入れ替え用のディーゼル機関車に比べ、排出物を80%削減でき、燃費も16%改善可能」とのことで、「大容量電池で駆動され、電池の容量が減ってきたら、低排出のディーゼルエンジンが発電をはじめ、充電を行う」とあります。

これらのGensetやGreen Goatは、「EPAの Tier 2を高いレベルで満たしているだけでなく、California Air Resources Board (CARB)から、超低排出機関車(Ultra-Low Emitting Locomovites: ULEL)に認定された」とのことで、「これは、Los Angelse近辺のSouth Coastでの大気汚染改善区域での、UPの機関車からの窒素酸化物を2010年までに減らすというCARBとの約束を実現するための取り組みの一環である」とのことです。

UP全体としては、「8500両を超えるUPの機関車のうち、約半分がEPAのTier 0、Tier 1、Tier 2の規制のいずれかに適合している。UPは米国内でもっとも環境にやさしい機関車を配備している。」とアピールしています。

さて、この後、6月に「Majority of Locomotives Assigned to Union Pacific Commerce Yard Will Be Ultra-Low Emission By July」というプレスリリースがあり、順調に導入していることをアピールしていたり、他にもいろんな賞や認定を受けたとか、テキサスでも似たような取り組みをしているというようなプレスリリースもあります。

もともとは私は「新しい機関車とその技術」という興味で見てきたのですが、うがった見方をすると、「俺たちはまじめにやっているんだ、時代を先取りしている優良企業だ」と大げさに主張しているように見えなくもありません。

その観点でUPのプレスリリースのページを見直してみると、プレスリリースの分類の3番目がEnvironmentという項目となっており、きわめて高い位置づけであることがわかります。ということで、UPをはじめとする鉄道会社にとって、この環境問題は実は避けて通れない経営上の大きな課題なのではないでしょうか、などというようなことを考えています。

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