Yes, Virginia

1897年、8歳のヴァージニア・オハンロン(Virginia O’Hanlon)という女の子が、当時のニューヨーク・サン新聞社宛てに「Is there a Santa Clause(サンタクロースは本当にいるんでしょうか)」という質問を送りました。この手紙への答えとして、1897年9月21日に掲載されたサン紙の社説の一文の書き出しが、”Yes, Virginia”というフレーズです。「Yes, Virginia, There is a Santa Clause(そうだよ、バージニア、サンタクロースはいるんだよ)」。ニューヨーク・サン紙はこの社説を毎年クリスマスに掲載し、サン紙廃刊後もあちらこちらの新聞が掲載し、現在では、インターネットのあちらこちらに引用されています。どこかでこの文章を目に留められたことのある方も多いのではないでしょうか。

これが転じて、”Yes Virginia”というフレーズは、「何かが存在するということを強調するための書き出し」に使われることがあるようです。そして、まさしくこのフレーズで始まる記事が、サンフランシスコの代表的な新聞であるSan Francisco Chronicleに掲載されていると教えてもらいました。一年以上前の記事ですが、紹介します。題して、「Yes, Virginia, San Francisco does have a freight train(そうだよ、バージニア、サンフランシスコには貨物列車が走っているんだよ)

ざっくり要約すると、以下のようになります(括弧内は私の補足です)。
* サンフランシスコの市内で、UPが貨物列車を一日一往復運行している。(そんなものが運行されているとは想像もしないので)目撃した人はびっくりしている。
* もともとサンフランシスコは港町だったので、以前は港から(サンフランシスコ市街の目抜き通りの一つである)マーケット通りの南側には蜘蛛の巣のように貨物用の線路が張り巡らされていたが、縮小されつづけてきた。
* 1992年より、LB Railcoという会社が、0.5マイルの路線を運行し、ユタ州に運ぶ土壌の貨車への積み込み、入換作業を行っており、UPと接続している。この土壌は、1906年のサンフランシスコ地震の時の瓦礫が主体で、今日の基準では、鉛や砒素などで汚染されたものであり、高層ビルや地下駐車場など、サンフランシスコの再開発で必ず出てくるものである。
* (現在の線路の北側にある)Islais Creekという水路に跳ね橋を架け、サンフランシスコの80番埠頭につなぐ計画がある。
* 貨車は、中国に輸出する石炭をワイオミングから運んできた帰りの空のものを利用している。土壌の積み込み時には、汚染物が飛び散らないような工夫をしている。
* (入換に使うための)車齢60年の100トンの1000馬力のスイッチャーが2台ある。(おそらくこれこれだと思われます。私はディーゼルはほとんどわからないので、形式など、詳細は識者の方にお任せします。)
* このスイッチャーのエンジンを低排出物のバイオディーゼル環境対応のものに換装するという計画がある。そういうハイテク導入の話がある一方、山羊の群れを年2回借りてきて線路の周りの雑草を食べさせているというローテクも活用している。

記事の書き出しの「貨物列車が3rd StreetでMUNIと交差する」のは、下記の画像の真ん中あたりです。クリックすると、Goolge Mapsが開きます。

なお、老婆心ながら、実物を見に行かれたいという方は、このあたり治安面での懸念がないわけではないですので、それなりの配慮をされることをお勧めします。私自身は行ったことはなく、無責任な言い方ではありますが、このあたりは物見遊山気分で行くような場所ではないと考えますので、フェイルセーフ側に倒しておいたほうがよいと思います。念のため。


大きな地図で見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*