図面を描くということ (2)

さて、ツールにも慣れ、LoD車輪の作図を進めて行きました。さすがにCADは便利だな、と思ったのが、以下の3点です。こういう機能があったからこそ短時間で図面が描けたのだな、と感じています。紙と鉛筆で製図していたら、いまだに完成していないかもしれません。

(1) 複雑な作図が簡単にできること
コンピュータが計算を代行してくれるので、複雑な作図があっという間にできます。例えば、下の図を見ていただければわかるように、車輪の断面には、小さな半径の2つの円を、大きな半径の円でつないでいる部分があります。これを紙の上で正確に描くには、複雑な計算や作図が必要になりますが、JW-CADでは、「接円」というメニューを選び、2つの小さな円と、接円の半径を指定すれば終わりです。

(2) 部品化ができること
上で説明した作図機能は、人間が紙の上で行う作業を効率化するものですが、CADの強みは、コンピュータならではの、紙の上では不可能なことが行えることです。
その一つが、一度作図したものを部品化し、再利用できることです。

例えば、今回、直径の違う車輪を3種類作ることとなりましたが、コンタはすべてに共通です。したがって、一度描いたコンタを、部品として登録しておけば、車輪を描く際は、複雑なコンタを改めて描くのではなく、登録した部品を呼び出し、位置決めすれば終わりです。飽きっぽく、根気の続かない私にはうってつけといえるでしょう。

このようにして描いた車輪を、更に部品として登録しておけば、組み立て図も簡単に描くことができます。今回はタイトル画像のような部品を用意しましたが、車輪の組立図は、車軸、絶縁ブッシュの部品を呼び出し、車輪の半分の部品を方向を変えながら4回書き込むだけでよく、慣れれば1分程度でできあがります(下図参照)。

ただし、何でもかんでも部品にすれば良いというものではなく、本当に使いやすい部品を作るのは難度が高く、知恵が必要なところです。私も何回か登録した部品をボツにしました。

(3) 寸法入れが容易なこと
CADで作図すると、すべての長さや位置関係の情報がコンピュータに入っていますので、”ここからここまでの寸法を記入してくれ”と指示すれば、瞬時に寸法を入れることができます。あまりに便利なので、検算の意味も含め、あちこちに寸法を入れておいたのですが、これは後で痛い目を見ることになりました。

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