JMRI訴訟(Jacobsen vs Katzer Case)の和解が成立 (1)

もともと、このBlogは、「アメリカ型鉄道模型」に関する私の興味の範囲で、気の向くままに話題を取り上げているものですが、まさかこんなことまで取り上げることになるとは思いませんでした。今回の話題は、「裁判」です。私はこの方面の知識は皆無ですので、どこまで深掘りできるかわかりませんが、まずは筆を進めてみましょう。この方面に詳しい方がいらっしゃったら、誤り等のご指摘、補足などいただければ、大変助かります。

JMRI(Java Model Railroad Interface)というソフトウェアがあります。これは、PCを使ってDCCを楽しむためのソフトウェアで、DCCデコーダーの設定やDCC運転をするためのDecodePro、レイアウトのコントロールパネルを作成、運用するためのPanelPro、等のプログラムを含んでいます。このソフトウェアの特徴の一つは、そのプログラムが、中身(ソース)も含めて公開されており、「利用、改造、再配布等が、ライセンスに決められた範囲で自由に行える」、「オープンソース」と呼ばれる形態を取っていることです。みなさんの中には、Firefox(ブラウザ)、Thunderbird(メール送受信ソフト)、といったオープンソースソフトウェア(以下、OSS)をお使いの方がいらっしゃるかと思いますが、実はこれ以外にもOSSはいたるところに利用されており、この世はOSSなしでは成り立たないと言っても過言ではありません。

このJMRIの主たる作者の一人であるBob Jacobsen氏と、KAMIND社のオーナーであるMatt Katzer氏との間で、訴訟が起きているということはご存じでしょうか。この両者は、2004年頃から、「Katzer氏からJacobsen氏に対する特許料支払い要求」や、「Jaconbsen氏からのKatzer氏が取得したドメイン名(decoderpro.com)の返還要求」などでくすぶっていましたが、2006年3月にJacobsen氏が「Katzer氏の特許そのものが無効であることの確認、従って特許料支払い要求も無効であることの確認、ドメイン名の返還、等」、を求めて訴訟を起こしました。

そしてこの年9月、Katzer氏のKAMIND社が発売したPC用DCCソフトウェアが「JMRIで開発したデコーダーの定義ファイルのデータを、著作権表示等を削除した上で、流用したということが判明」し、Jacobsen氏側は、「この流用は盗用であり、著作権侵害にあたる」として訴訟に救済措置を追加したのですが、これに対するKatzer氏側の反論によって、この裁判は大きな転機を迎えることとなりました。

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