UP844のValley Eagle Tour

すでにご存じの方も多いと思いますが、先日ご紹介したUPの2010年のSteam Pogramの第一弾のValley Eagle Tourが始まっています。UPのプレスリリースによれば、今回のツアーは、2010/4/2から2010/4/29の28日間、8つの州、3500マイルを走行する予定で、詳細なスケジュールは、こちらに記されています。これを書いている時点(米国時間2010/4/9夕方)では、テキサス州のフォートワースに到着しています。先日ご紹介したように、844の現在位置はこのページで確認することができるほか、走行中は、1時間に数回、UP844のTwitterで位置がレポートさています。このTwitterを見ているだけで、自分も844と一緒に動いているように錯覚してしまうのは、妙な感覚です。

今回のツアーの”Valley Eagle”という名前は、ミズーリ・パシフィックが、1948年から1962年まで、ヒューストンと今回のツアーの最終目的地であるテキサス州ブラウンズビルとの間を走らせていた列車に由来しているとのことです。これは牽引機の844がヒューストンの南を走るのは初めてだからだそうで、UPのホームページには、1948年8月のValley Eagleのパンフレットが掲載されています。

すでにいろいろな人がYoutubeにビデオを投稿していますが、今回のツアーではUP自身も数多くのビデオクリップをアップロードしています。いずれも数十秒の短いクリップですので、物足りない面もありますが、流石に品質が高く、また、普通の人は撮影できない、キャブの中から撮影したクリップも多くあり、一見の価値はあると思います。

例えば、Leaving Topeka after the service stopと題したこのビデオは、Topekaを出発する844のキャブの中の様子が捉えられています。1944年頃の844のキャブの中を撮影した貴重な映像もあります。また、「How do you clean the stack?」というビデオクリップがありますが、この中では「煙突を掃除する様子」が紹介されています。タイトルから思い浮かべるものとは全く異なる映像が出てきて、驚かされます。

Congratulations, National Model Railroad Association!というビデオクリップは、今回のツアーの編成の中の一両に貼られたステッカーについて解説しています。これは、NMRA(National Model Railroad Association)の75周年を祝ったもので、2010年の1年間、ずっと貼られているのだそうです。

さて、このステッカーを貼った車両には、Reed Jacksonという名前がつけられています。その由来がUPのこのページに紹介されているのですが、車掌として長年UPのエクスカージョンにはなくてはならなかったスタッフの一人で、その丁寧な仕事ぶりや性格から誰からも愛され、惜しくも2009年にお亡くなりになられたReed Jacksonさんに敬意を表したものとのことです。この名前に改名される前は、有名なUPの難所の一つである”シャーマン・ヒル(Sherman Hill)“を名乗っていて、その名所の名前を一個人の名前に変えたというのですから、如何にこの方が重要な存在だったか、ということを伺い知ることができます。

このステッカーの話とか、車両の名前の由来を知ると、米国の、鉄道会社や鉄道を愛する人たちの情熱や一体感を改めて強く感じます。

2010年4月20日追記: 上記でご紹介したビデオの、テキサス州フォートワース到着までのまとめたものがUPの公式Youtubeページに掲載されましたので、ご紹介します。

2010年5月1日追記: 4/29に無事にValley Eagle Tourが終わったとのことです。ビデオも続編が追加されました。

2010年5月15日追記: さらに続編が追加されました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*