ユニバーサルジョイントを構成する十字型の部品の2つの軸の先端がどこを動くか、を示したのが次の図となります。ここで、十字型の部品の中心、つまり、2つの軸が交差する点を原点\((0,0,0)\)とします。また、水平面上(赤い円)を移動する軸に取り付けられたフォーク状の部品に動力が供給され、それが傾いた面上(青い円)を移動する軸に伝達されるとします。ここでは仮に、水平な面を「駆動面」と、傾いた面を「伝達面」と呼ぶこととします。
原点と十字の二軸のそれぞれの一方の先端だけに注目したのが、次図です。以下、この注目した軸の先端を「基準点」と呼ぶこととします。基準点の選び方によって、多少式が変わってきますが、最終的には同等の結果が得られます。
駆動面を動く基準点は、原点\((0,0,0)\)を中心に、水平面上の半径\(r\)の円を回転し(上図の赤い円)、伝達面を動く基準点は、原点を中心に、駆動面に対して角度\(\alpha\)傾いた面の上の半径\(r\)の円を回転します(同じく青い円)。
このとき、駆動面の基準点の座標を\((x,y,z)\)、伝達面の基準点の座標を\((u,v,w)\)であるとします。更に、\((x,y,z)\)の駆動面における\(x\)軸に対する角度を\(\theta\)とし、\((u,v,w)\)の伝達面における\(x\)軸に対する角度を\(\varphi\)とします。
駆動面の基準点の座標は、三角関数の定義から、
\((x,y,z)=(r\cdot cos(\theta), r\cdot sin(\theta), 0)\)
となります。
伝達面の基準点の座標を求めると、まず\(x\)座標の値\(u\)は、被駆動面の傾きによらず、
\(u = r\cdot cos(\varphi)\)
となります。
座標\((u,v,w)\)と座標\((u,0,0)\)の距離は、\(r\cdot sin(\varphi)\)となります。座標\((u,0,0)\)、\((u,v,0)\)、\((u,v,w)\)からなる直角三角形を考えると、この底辺の長さ、高さがそれぞれ\(u\)、\(v\)となり、伝達面の傾きが\(\alpha\)なので、
\(v = r\cdot sin(\varphi)\cdot cos(\alpha)\)
\(w = r\cdot sin(\varphi)\cdot sin(\alpha)\)
となります。まとめると、
\((u,v,w) = (r\cdot cos(\varphi), r\cdot sin(\varphi)\cdot cos(\alpha), r\cdot sin(\varphi)\cdot sin(\alpha))\)
となります。