念のため、今回の議論に必要となる最低限の三角関数の復習をしておきます。
原点\((0,0)\)から長さ\(r\)の線分が傾き\(\theta\)でひかれているとします。
このとき、線分の先端の座標は\((r\cdot sin(\theta),r\cdot cos(\theta))\)となります。
また、\(sin(\theta)\)を\(cos(\theta)\)で割った値を\(tan(\theta)\)と呼びます。つまり、
\(tan(\theta)=\frac{sin(\theta)}{cos(\theta)}\)
です。
角度の表現は、一般に使われる度ではなく、ラジアン表現を使います。ここでは、\(\pi=180^{\circ}\)、\(\frac{\pi}{2}=90^{\circ}\)ということだけ思い出していただければ結構です。
いくつか代表的な値をあげておくと、
\(sin(0)=0\)
\(cos(0)=1\)
\(sin(\frac{\pi}{2})=1\)
\(cos(\frac{\pi}{2})=0\)
となります。
このほか、以下の式が成立します。
\(tan(\theta-\frac{\pi}{2})=tan(\theta+\frac{\pi}{2})=-\frac{1}{tan(\theta)}\)
\(cos(\theta)=cos(-\theta)\)
また、2つの角度の和のタンジェントはそれぞれの角度のタンジェントを用いて、次のように表現できます。
\(tan(\alpha+\beta)=\frac{tan(\alpha)+tan(\beta)}{1-tan(\alpha)\cdot tan(\beta)}\)
今回の議論で必要な三角関数に関する知識は、以上です。
本格的に三角関数を復習されたい方は、以下のビデオがわかりやすいかと思います。