さて、先日ご紹介した動輪の作り方ですが、このページに記載されていますので、簡単に紹介したいと思います。
1) CADで動輪の3次元モデルを作成する
2) 1)のモデルのデータから、Rapid Prototyping Machineで、ワックスの型を作る
3) 2)の型で鋳造し、型のマスターを作る
4) 3)の型でゴムの型を作って、ここからは通常のロストワックス製法で鋳造する
上の写真で言えば、左上が実物の写真、右上が3Dデータ、左下がワックスでできた型、右下が型のマスター(仕上げ前)となります。
私の興味をひいたのは、このうちのRapid Prototyping Machineです。SolidScape T66という機械を使っているとの事ですが、要はインクジェットプリンタで、非常に薄いワックスの層を「印刷」して積み上げてゆき、目的とする型を作り出す、というものです。
ワックスの層の厚さを正確に制御するため、一つの層を印刷するたびに、所定の厚さを越えた部分を削り取って、次の層に進むのですが、このワックスの層の薄さが半端ではなく、0.0005インチ(=0.0127mm)で行っているとのこと。従って、写真のD&RGWのM-68のGスケールの動輪の「印刷」には100時間(4日)かかったと書かれています。
下の写真は、このプリンタが動いている様子です。青い色と赤い色とが見えると思いますが、青い部分が型になるワックス剤です。赤い部分は、印刷中に青い部分の型が崩れないようにするための別の種類のワックス剤で、印刷完了後に溶かしてしまう(青い型が残る)のだそうです。
さて、以前、M-68の動輪のアップを公式写真か何かで見たときに、”BALDWIN DISK WHEEL”という文字がくっきりと浮き出ているのを見て、「Oスケール以上だったら、ここまで表現すべきだよなぁ」と感じたことがありました。この方法なら問題なく可能ですし、実際に実行している人がいるのだということを知って、妙な感動がありました。
※2008年3月2日追記: 日本の代理店によるSolidScape T66の紹介のページを見つけました。図解、実例等豊富にありますので、ご覧になってみてください。