ブラス機関車の整備」カテゴリーアーカイブ

SPのマウンテンMT-4のレストア (7) – テンダーの塗装 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の7ページめのPainting the Tenderを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


テンダーを塗装する

テンダーの本体の塗装は、ボイラーと同じ方法で進めた。テンダー本体の大部分は、薄いデイライト色で塗られているので、まず最初にフロックィルのプライマーグレー(Primer Grey)を塗った。次に,中央部のデイライト・オレンジ(Daylight Orange)の帯を吹いた。その後でオレンジの帯をマスキングし、テンダーの上の部分、下の部分をデイライト・レッド(Daylight Red)で吹いた。次に黒を吹くことにしていたので、この時点では、赤のエリアの上下の境界について気にしていなかった。

最初の方の段階の写真である。

さて、この塗装は、ここから急に面倒になる。下側の赤と黒との境界は、機関士側では、底に沿ったパイピングの下に隠れるのに対し、機関助手側では、底に沿った太いパイピングのすぐ上に来なければならない。そして、この境界は、両側のツールボックスの裏を走り、なおかつツールボックスは黒く塗ならなければならない。パイピングの支持金具を避けるために、マスキングテープに切り込みを入れる必要があった。言うまでもなく、これはマスキングに費やした多くの時間の始まりでしかなかった。

テンダーの下側前方の、カーブした黒と赤との境界線を塗装をするために、まず方眼紙にテンプレートを描いた。次にその方眼紙を切り抜き、テンダーに重ねた。何度も切りながら調整を繰り返し、このテンプレートが正しいカーブになったところで、透明のアセテートのシートにテープで止めた。次に、アセテートを、紙と同じ形になるようにカットした。これで、アセテート上に正しいカーブが得られたことになる。次に、アセテートの上にマスキングテープを貼り、カーブに沿って、かみそりの刃をつかって、マスキングテープをカットした。テンダーの反対側は、アセテートの裏側にマスキングテープを貼り付け、同じことを繰り返した。この方法はとてもうまくゆき、結果として、両側のカーブは全く同じとなった。同じ方法を使って、カーブした銀のストライプに必要となるマスキングテープを切り出した。

黒を塗った後の写真を数枚掲載する。

黒の塗装が終わった後で、下方の赤と黒の境界がもっと下側に近くなければならないということに気が付いた。そこで、再度面倒なマスキングを行い、境界があるべき場所に来るように、赤を吹いた。こうして、すべてのテンダーの色を塗ったところで、銀色の帯の塗装に注力することにした。

私は銀の帯を3段階に分けて塗った。まず、テンダーにマスキングを行い、赤とオレンジの境界部の2本のストライプを塗った。焼き付け作業を行ない、マスキングテープを取り除き、下側の直線部の帯となるべき部分が出るように、マスキングを行った。底に沿ったパイピングのおかげで、このマスキングが、最も大変な(そして時間のかかる)ものとなった。帯の直線を出すためにマスキングテープを使ったが、黒のままにしておかなければならない、ツールボックス、はしご、底に沿ったパイピングのマスキングには、マイクロマスクを塗布した。こうして、下方の帯を塗装した後、再度焼きつけを行い、テープを取り除いた。最後に、一番上の帯と、カーブした部分の帯が出るようにマスキングし、2本の帯を吹き付けた。最後の焼付けを行った後、模型を流し台に持って行き、マイクロマスクを丁寧に洗い落とした。

マイクロマスクでマスキングできなかったところや、黒がかかってしまったところがあったので、マスキングを行い、あちらこちらをタッチアップすべく塗料を吹いた。

機関車の場合と同じく、デカールを貼る下地として、テスターのグロスコートを軽く吹いた。機関車の番号とサザン・パシフィックのレタリングは、機関車の場合と同じく、マイクロスケールのデカールセットを利用した。テンダーのデータと、後方の照明のナンバーボードは、フットヒル・モデル・ワークス(現San Juanデカール)のものを使った。

以下、デカール貼り付けが終了し、完成したテンダーの本体である:

下側の赤と黒の境界が本来あるべき場所にあることに注目してほしい。この時点では、テンダーはまだつやのある状態である。

以下は組み立ての終わったテンダーの写真である。
(クリックで拡大)

ここまで来ると、あとは後方のライトにMVレンズをはめ込み、軽くウェザリングを施せばよいだけである。

ひとつ付け加えておくと、もとの車輪は、めっきがはげていたので、NWSLの洋白削り出し車輪で置き換えた。ウェザリングを施したバージョンの車輪を使い、洋白を露出させるべく、軽くサンドブラストをかけた。これによって、車輪の踏面が、レールとの接触で磨耗した適度の輝きが出るようになった。


SPのマウンテンMT-4のレストア (6) – ボイラーの塗装 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の6ページめのPainting the Boilerを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


ボイラーを塗装する
マウンテンクラスの機関車のデイライト塗装は、GSクラスの機関車に比べると、部分的なものであった。機関車は、キャブのみがデイライト塗装となっていた。テンダーは、実物の写真に見えるように、全体がデイライト塗装であった。

私が塗装をするときは、薄い色を吹かない限り、普通はプライマーコートを吹くことはしない。この機関車に関しては、キャブのエリアと、凹みを修正したあたりにプライマーコートを吹いた。プライマーを吹くことで、凹みが適切に修正されたということを確かめることができた。次に、まず一番薄い色(フロックィルのデイライト・オレンジ)から始め、吹き付けを行っていった。各々の色を塗る度に、warm(華氏125度=摂氏51.7度)に設定したオーブンで、最低12時間、焼付けをするようにした。次に、私はデイライトの赤の帯を塗装し、次に煙室と火室をテスターの「焼けた金属色(Burnt Metal)」で塗装した。各々の色を塗った後で、マスキングテープと、マイクロマスクを組み合わせて、塗装が終わった部分をマスキングした。黒については、フロックィルのウェザードブラックを2に対し、エンジンブラックを1混ぜたものを使った。最後のステップは、キャブの銀の帯を塗ることであった。私は、マスキングテープを使って、帯を塗りたいところ以外のキャブの全体をマスクした。それから、テープでマスキングされていないところに、フロックィルのオールドシルバー(Old Silver)を薄くスプレーした。

マスキングテープに関して、言っておきたいことがある。この機関車を塗装するまでは、パクトラのマスキングテープを使っていたのだが、焼付けた時にテープが残ったり、あるいはテープを数日貼ったままにしておくと、模型に粘着物がくっつくという問題を経験していた。今回の塗装では、タミヤの模型用のマスキングテープを使ったが、この製品には非常に満足している。ペイントの端がきれいなだけでなく、このテープは焼付けしても問題がないという利点もある。いくつかの部分で、2色もしくは3色塗り重ねて焼付けを行った後でも、当然のように剥がすことができる。まて、私はテープを1週間近く貼りつけたままにしていたが、何も問題なかった。今回のような塗装を行おうとしている方には、このテープは広くお勧めできる。

以下は、塗装のいろいろな段階のボイラーを示すものである。


すべての色の塗装が完了した後で、デカール貼りの準備のために、テスターのグロスコートを軽く塗った。私は3つの異なるデカールセットをボイラーに使った。機関車の番号は、マイクロスケールの87-33のSPデイライトセットを使った。キャブの標記と列車番号とは、フットヒル・モデル・ワークス(現在はSan Juanデカール)のSP蒸気用デカールセットを利用した。キャブの標記に使ったのはアルミ色のセットであり、列車番号にはレタリンググレーのセットを使った。デカールを保護するため、そして塗装のつやを抑えるため、テスターのダルコートを塗り重ねて完了とした。

そして、完成したボイラーの写真である。(クリックすれば拡大する)



SPのマウンテンMT-4のレストア (5) – 駆動系の改修 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の5ページめのRebuilding the drive trainを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


駆動系を改修する

この模型は1967年に製造されたため、古い棒型モーターを備えており、固いゴムのチューブでギアボックスに結合されていた。私は、North West Short Lineのアップグレード用の部品を使って、もとのモーターとギアボックスとを置き換えることに決め、20x32mmの缶モーターと0.4 mod 28:1のギアボックスを選んだ。これは大きな機関車なので、大き目の0.4 modのギアボックスは、何も修正することなくフレームの間に入る。

私は、3/8インチ(9.525ミリ)×1/2インチ(12.7ミリ)の真鍮素材から、3/4インチ(19.05ミリ)のボールエンドミルを使ってモーターの台を削りだした。もとのモーターの固定に使われていたフレームの穴と位置がそろうように、モーターの台の底に2.5mmの穴を開け、タップでネジを切った。モーターを台にしっかり固定するために、シリコンゴムを使った。この固定方法をとることで、シリコンゴムがモーターの振動を吸収することができ、その一方で必要な場合にモーターが簡単にはずせるようになっている。

私はゴムのジョイントを、NWSLのユニバーサルジョイントで置き換えた。新しく作るトルクアームの片方を固定するために、ギヤボックスの上部に、2つの1.4mmの穴を空けてタップを切った。トルクアームは16ミル(0.4064ミリ)の真鍮板から、200ミル(5.08ミリ)幅で作成した。固定用の2ミリの穴が上を向くように、モーターを台の上に固定した。モーターの前方にある穴を使って、段のついたネジで、トルクアームを固定した。これでトルクアームが留めることができたが、機関車がカーブを回る際にギヤボックスが左右に動けるように、モーターの側でトルクアーム回転できるようにしている。

以下は、改修した駆動系の写真である。

すべての動輪は、車軸とのはめ合いが緩くなっていた。そのため、ギアを交換する動輪だけでなく、すべての動輪を車軸から引き抜き、クォータリングを行い、ロックタイトを使って固定した。もとの動輪のスプリングが固すぎたため、NWSLのやわらかいスプリングに置き換えた。すべてをばらばらにしている間に、車輪のタイヤを掃除し、ブラシタイプの銀めっきのキットを使って、車輪をめっきした。

以下は、作業前と作業後の動輪である。

以下、駆動系の改修に使ったパーツのリストである。
* NWSL 20324-9 20mm x 32mm モーター
* NWSL 241-6 モジュール0.4、28:1のギヤボックス
* NWSL 482-6 ユニバーサルジョイント
* NWSL 21142-5 1.4mm x 2mm x .3 ネジ
* NWSL 1401-1 動輪用スプリング(やわらかいもの)
* 3/8” x 1/2″ (9.25mm×12.7mm)の真鍮の棒(モーターの台)
* 16 mil (0.4064mm) 真鍮板(トルクアーム)
* 2 mm x 0.4 段付きのネジ(特別に旋盤で加工したもの)


補足

・ユニバーサルジョイントの正しい使い方は、前の記事に書きましたので、こちらをご覧ください。

SPのマウンテンMT-4のレストア (4) – パイロットの修正 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の4ページめのRepairing the Pilotを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


パイロットを修理する

損傷したパイロットの塗料を剥がし、サンドブラストをかけたところで、パイロットを修正するには、主台枠から完全にはずす必要があるということがわかった。落下による損傷の結果、主台枠のフレームは上向きに曲がっており、フレームの両側のハンダ付けがはずれていた。パイロットのシールドと支えのアタッチメントも曲がり、壊れていた。パイロットの両側のステップは、折れて無くなっていた。ひとたびパイロットをはずしてしまえば、各々の部品をまっすぐに直すことは簡単であった。それから、ハンダ付けのペーストと抵抗ハンダゴテを使って、すべての部品を元に戻した。16mil(0.4064ミリ)の真鍮板から、置きかえ用のパイロットのステップを一組作った。完成した後、ハンダ付けで出来た酸化物をきれいに除去するために、もう一度サンドブラストをかけた。

以下は、加工前と加工後との写真である。


・補足
抵抗ハンダゴテについては、これまたdda40xさんのblogに解説があります。
Carbon Rod Soldering
続 Carbon Rod Soldering

実は私も試作しています。近いうちにご紹介したいと思います。。。

SPのマウンテンMT-4のレストア (3) – 凹みの修正 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の3ページめのRepairing the Dentsを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


凹みの修正

機関車の修復の第一歩として、損傷のすべてを見極めることが必要であった。私は、真鍮がどのような状態にあるかを見るために、機関車から塗装を剥がした。幸運なことに、ひどい塗装と凹み以外は、軽微な変色(tarnish)があるものの、真鍮はすばらしい状態にあった。私は変色と最後まで残った塗装とを取り除くために、機関車にサンドブラストをかけた。パイロットは曲がって、壊れており、機関車はパイロットから激しく落下したことということが明らかであった。

私は、まず、スカイラインケーシングから、凹みを取り除くという、最大の仕事に取り組むべきであると判断した。ケーシングの裏側に触れることができないため、まずボイラーからケーシングを取りはずす必要があった。この作業は、かなり簡単であることがわかったので、ブタンのバーナーを使ってケーシングを急速に加熱し、ボイラーのそのほかの半田付けが緩まないようにして、ケーシングを取りはずした。

真鍮をこれ以上いためることなく凹みを除くために、3/8インチ(9.525ミリ)×1/2インチ(12.7ミリ)の2本の真鍮棒から、修正用の治具を作成した。棒の一端を丸めるために、Shirline社[訳注: サイトはこちら – http://www.sherline.com/]のエンドミルを使った。一方は、スカイラインケーシングの外側のカーブにマッチする凹面のカーブとした。もう一方は、スカイラインケーシングの内側のカーブにマッチするカーブの凸面を切った。スカイラインケーシングの凹んだ部分を2本の棒の間に挟み、万力でプレスした。この方法で、もとあった凹みの約95%を取り除いた、残りは、ラッカーパテと紙やすりとで処理することとした。

以下は、私が作った修正用の治具の写真である。

以下はスカイラインケーシングの凹みの修正前と修正後の写真である。


そして、これは機関士側のナンバーボードのそばの凹みである。


補足
・dent(凹み)という単語は、中古車を買うとき、車の外観の状態を確認するために必ず出てくる単語でした。よくペアで使われるscratchというのは、引っかき傷をさします。また、この手の修理を行うお店は、Body Shopと言います。

SPのマウンテンMT-4のレストア (2) – レストア前の状態 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の2ページめのOriginal Conditionを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


模型の最初の状態

私はこの機関車を、資産の処分(estate sale)の一環で格安に手に入れた。残念なことに、この機関車は手荒く扱われており、スカイラインケーシングには、いくつも凹みがあり、パイロットは壊れ、曲がっていた。機関車の塗装も非常にひどく、剥がす必要があった。テンダーは、塗装以外は比較的良い状態にあり、ハンドレールのハンダ付けが緩んでいる箇所がいくつかあったのみである。

以下は、機関車の当初の状態の写真である。

以下は、スカイラインケーシングの凹みを示すものである。

そして、損傷した前面である。。。


補足
・”Estate Sale”は、日本語でどう訳したらよいか、わからなかったので、あまりよい単語ではないですが、”資産の処分”という語をあてました。Wikipediaの定義はこちらにあります。Estate Saleで、よく使われるのが、お亡くなりになった方の資産を処分する、という場合だと思います。

これ以外にも、もっと身近なものとして、要らなくなったものの整理のために行うガレージセールというのもあります。週末、町をぐるっと回ると必ずどこかの庭先で行われていて、ありとあらゆる雑多なものが売買されています。こちらは、日本でフリーマーケット(フリマ)と呼ばれるものに近いと思います。

さて、アメリカでうらやましいと思うのは、鉄道模型のコレクションが、Estate Saleなどを通じて、次のオーナーに正当な価値で渡ってゆく場合が多いということです。そもそもMark Schutzer氏が古いカツミの機関車を手に入れて今回紹介しているような改造をして楽しんでいるのも、古い模型が流通するマーケットが確立されていることが大きいと思いますし、e-Bayが活発に使われているのも、この延長線上にあると思っています。

dda40xさんのBlogに、これに関する話題が書かれていますので、リンクを張っておきます。
コレクションの行方
正直Jackのこと
続 正直Jackのこと

SPのマウンテンMT-4のレストア (1) – 機関車の選定 –

この記事は、Mark Schuzter氏Restoring Southern Pacific MT-4の1ページめのRestoring a Southern Pacific Mountain MT-4を訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は2004年4月19日に作成されました。


このページは、古いブラスのサザン・パシフィックのマウンテン型機関車のレストアの進み具合をたどるものである。

プロジェクトに使う機関車

プロジェクトで使うことにしたブラスモデルは、古いHOスケールのバルボ(Balboa)/カツミの、スカイラインケーシングつきのMT-4である。このバージョンの模型は、アリゲータークロスヘッドと、ディスク輪心の主動輪を備えている。サザン・パシフィックのMT-4は、最初アリゲータクロスヘッドを装備していたが、後年、マルチ・ベアリングのクロスヘッドに換装されたものが多い。MT-4はもともとスポークの主動輪で落成したのであるが、ひび割れの問題によって、ディスク動輪に交換することとなった。

1940年代の終わりごろ、51番列車と52番列車であるサン・ホアキン・デイライト(San Joaquin Daylight)号に利用するために、5台のSPのマウンテンが、デイライトのペイントスキームに塗られた。これは、模型ではかなり稀な、とても魅力的なペイントスキームであると思う。デイライト塗りのGS-4は、ありふれているのだが、私は、デイライト塗りのマウンテンが商品として提供されたものを見たことがない。このような理由と、C-160-1テンダーをデイライト色に塗ることに挑戦するため、この模型を、5台あったデイライト塗りのマウンテンのうちの1台に仕上げることを計画した。

4353号機は、1946年から1951年まで、デイライト色のペイントスキームで塗られており、またアリゲータークロスヘッドを備えていた。これらの情報を元に、私は自分の模型を4353号機に塗ることとした。

以下は、4353号機がデイライト塗りされた状態の実物の写真である。


補足
・デイライトと言えば、GSシリーズ(4-8-4)が牽引したコースト・デイライトが有名です。これは、太平洋の海岸線に沿った路線でサンフランシスコ・ロサンゼルス間を結んでいたのに対し、カリフォルニアの内陸部の、サンホアキンバレー、有名なテハチャピのループを経由し、オークランド・ロサンゼルス間を結んでいたのがサン・ホアキン・デイライトです。
・上記に、デイライト塗りの模型が提供されたことがない、とありますが、今年(2009年)の初めに、Glacier Park Modelsがデイライト塗りを含めた各種のSPのマウンテンを出しました。さすが人気機種なので、あっという間に売り切れたようです。

SPのマウンテンMT-4のレストア - 目次

引き続き、Mark Schutzer氏のブラス機関車の作例を紹介してゆきます。今度は、クラスMT-4マウンテンです。

作業内容的には、前回ご紹介したP-8パシフィックに準じていますので、重複する部分も多いのですが、今回は機関車が落下した衝撃で損傷したスカイラインケーシングの修復とか、複雑なデイライト塗りをどうこなして行ったか、がポイントになるかと思います。

前の記事の目次でも書きましたが、日本では一般的ではない技法や材料が出てきたり、一部間違いがあったりしますが、参考になる部分も多いのではないかと思います。特に、前の記事にも書きましたが、カツミをはじめとした日本型の蒸気は、輸出した模型と同じ構造をとっている場合が多いので、日本型を楽しんでいる方にも参考になるかと思います。そこまで行かなくとも、米国にはこのような楽しみ方をしている人がいるということ、日本から輸出された模型がこのように愛されているということ、ということだけでも感じ取ってもらえれば、と考えています。

なお、訳を掲載する当たっては、Mark Schutzer氏の許可を得ています。元記事、写真の著作権は、Mark Schutzer氏に属しますが、他の人に著作権がある一部の写真については、その旨が明記されています。

訳にあたっては、日本語としての読みやすさを主眼に、原意を損なわない程度に意訳したつもりですが、私の実力不足により、原文の微妙なニュアンスが訳し切れていないところがあるなど、所期の目標が達成されているとは思えません。また、用語を中心とした専門的な知識の欠如により、誤訳、不適切な訳が含まれていると思います。何か気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。

このページは目次とし、以下、記事を追加する度にそのリンクを追加してゆく形を取りたいと思います。

サザン・パシフィックのクラスMT-4(マウンテン)のレストア
(1) 機関車の選定
(2) レストア前の状態
(3) 凹みの修正
(4) パイロットの修正
(5) 駆動系の改修
(6) ボイラーの塗装
(7) テンダーの塗装
(8) 線路上での試験とフレームの塗装
(9) 再組み立てとウェザリング
(10) 完成した模型の写真

SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (11) – 完成した模型の写真(カラー)

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの12ページめのFinished model photos (color)を訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月8日に作成されました。


完成した模型の写真

さて、以下は、前のページと同じ写真のカラー版である。

(クリックすると画像が拡大します)


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さて、これでこのプロジェクトに関することはすべて書いた。あとやらなければならないのは、この機関車を、実運用に就役させることだけである。読者の皆さんが、ここまでの話を楽しんでいただけたら幸いである。


SPのクラスP-8(パシフィック)のモデリング (10) – 完成した模型の写真(白黒)

この記事は、Mark Schuzter氏Modeling Espee’s P-8 class Pacificsの10ページめのFinished model photosを訳したものです。訳にあたっては、Mark Schutzer氏の許可を得ており、元記事、写真については、特記ない限りMark Schutzer氏に著作権があります。誤訳、不適切な訳、その他気づいたことがあれば、遠慮なくご指摘ください。詳細は、こちらの目次をご覧になってください。

なお、元記事は、2005年9月8日に作成されました。


完成した模型の写真

さて、以下は完成した模型の写真であり、活躍当時を髣髴とさせるように白黒で撮影したものである。

(クリックすると、拡大した写真を見ることができます。)


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そして、次のページで、同じ写真をカラーでお見せする。